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2012年11月 8日 10:13 コダマの核心 NET IB NEWS
<石原慎太郎氏も恐れた政治家>
10月25日昼、東京で中国経済新聞の徐静波社長を取材した。午後2時を過ぎたところで大方の取材を終えた頃、徐社長が突然、「次の取材、記者会見があるから失礼する」と立ちあがった。「何の会見ですか?」と尋ねると「石原東京都知事が緊急記者会見をするようだ」という回答。「知事を辞めて新党立ち上げの発表するのでしょう」とこちらの見解を伝えた。「まさしく新党立ち上げの記者会見だ。コダマさん!!石原新党は影響を与えるまでに議席を取るだろうか?」と、徐社長は質問を投げかけてきた。尖閣諸島の問題もあり、中国関係者は、石原氏の存在に脅威を抱いているのであろう。
一方で、私は別の見方をしていた。「今晩、国民の生活が第一≠フ政治パーティが開催される。何もなければ、すべてのマスコミが記事で取り上げる。当初、翌26日に石原氏は新党の立ち上げ発表を予定していたはずだ。前日の国民の生活が第一≠フ記事に霞んでしまうと判断し、急きょ1日早めて記者会見を強行した」と。中国に脅威の念をもたらす存在の石原氏だが、どうも小沢氏には劣等感を抱いているようだ。その意識は、自民党代議士時代に小沢氏の辣腕に屈していた負い目に起因しているのかもしれない。
<名もなき組織なき4,200人が集まる>
夕方午後5時半にホテルニューオータニ東京の会場へ向かった。開会は午後6時。30分前から数多くの人たちが受付に群がっている。手続を済ませるのに15分かかった。そこから入場するのに10分要した。入口前では、代表・小沢一郎氏をはじめ、議員たちがズラリと並び、出席者一人ひとりに握手をして出迎えていた。どおりで会場内に到達するのに時間がかかるはずだ。小沢氏はにこやかに挨拶を交わしていたが、70歳を過ぎた老人の感じは微塵もない。闘志満々のオーラが伝わってきた。七転び八起き≠オながらも新たな闘いに向けて闘争精神を燃やしている。さすが、タダ者ではない。
ようやく入場。会場内のスクリーンには、小沢氏が団長として行なった、反原発や自然再生エネルギーに関するドイツ視察の模様が映し出されていた。開会時の会場内は、立錐の余地もないほどの込み具合。目勘定で「3,000人は超えているな!!」と直感した。結果的に4,200人が参加していたという。「やはり政治家・小沢には根強いファンがいるのだな」と再認識した。
また、再評価を余儀なくされた。この政治パーティで、来賓挨拶をした3人は強力な組織団体の要人ではなかった。ある小さい自治体の首長、農協長、若い母親と一般市民が挨拶をしたのである。故意の仕掛けかもしれない。既存の利権組織の存在を隠す意図があったにしても今の小沢氏の国民の生活が第一≠公然と応援する奇特な団体は稀有だ。つまり、集まった4,200人は組織動員された人たちではなく、それぞれが個人の意思で集まった人なのである。その実態を目撃すれば、『政治家・小沢一郎』を再評価せざるを得ない。
超満員の席上に立って挨拶した小沢氏は感激のあまり涙ぐむ場面も見せた。民主党と決別してからの激闘の苦労を振り返ればひと粒の涙が流れるのも当然だろう。小沢氏は今後の政治方針として『反消費税』に『反原発』を加えた2大政策で次の選挙に臨むことを表明した。これを聞いて「小沢という政治家は、国民に提示する選挙対抗軸の策定に関して天才だ」と感服した。しかし、翌日の新聞・テレビは、国民の生活が第一の政治パーティをまったく無視した。
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豪腕ではなく憂国の士、小沢一郎(中)〜志士少なき民主党
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2012年11月12日 10:28
<国民のために体を張るのが政治家>
佐藤栄作政権以降の政治家たちで歴史に名を残すのは、中曽根康弘、田中角栄、小泉純一郎、小沢一郎の4名であろう。平成に入って24年間、日本政界はこの小沢一郎を中心に動いてきた。彼の強さは、国家権力の中枢にいながら、その権力のポストを平然と投げ捨てたことだ。小沢氏本人をインタビューした。
小沢氏は、「1989年の幹事長の地位に執着していたらこんな苦労はしていなかった。しかし、権力中枢から日本の国を眺めると『この国はいずれ行き詰る。国民は不幸のどん底に陥るだろう』という予測が立った。そうとなれば政治体制の変革に挑まなければならない。そういう使命感がなければ政治家を辞めてしまうべきだ」と、淡々と語る。この言葉を耳にして赤面の思いに至る政治屋はゴロゴロいるはずだ。
「衆議院で300議席以上の圧倒的な多数派を形成していた民主党政権が、崩壊寸前になったことについて、どう理解すれば良いのだろうか?」と質問を投げかけてみた。小沢氏は、「基礎的訓練がまったくできていなかったことと、心構えができていなかったからだろう」というコメントをくれた。要するに民主党に結集した政治屋たちは自民党政権を倒すこと≠セけが最終ゴールになってしまっていたのだ。与党=国家権力遂行者≠スる心得、立ち位置、運営に関してまるで準備不足、興味がなかったのである。
「政治主導」と叫んでみても日本国家組織(官僚機構)を動かすノウハウは何も知らない。大臣の要職に就いた連中は、役人へ仕事の丸投げ≠行なう。そうなると役人たちは民主党議員たちを馬鹿にするようになる。手抜き・足を引っ張る策略で狙われる破目になってしまう。
しかしながら、どうであれ与党は居心地がよい。議員1人ひとりは既得権の誘惑に惹かれていく。変革の意識は劣化して自己保身に終始するようになる。「できるだけ解散を延ばしたい」という醜態をさらけだす始末だ。小沢氏の不屈の変革意志(政治家の使命)の爪の垢を煎じて飲め! この醜態が国民にどういう悪影響を与えたのか!! わかっているのか。
<右翼バネが危険≠ニいう認識>
民主党に期待し、裏切られた結果、国民の政治に対する関心の度合いは薄れてしまった。現在、大手を振るって闊歩しているのが自称民族派の右翼たちだ。ネットの世界では彼が声高々に騒いでいる。極端な連中は「中国との戦争を躊躇するな!!」と焚きつけている。
小沢氏も、国民の政治不信が民族派に引き回されることを憂慮しているようだ。古今東西、中道市民派と目された政権が行き詰ると必ず過激な政治体制(ヒトラーなどの独裁政権)が誕生する。こういう危険な瀬戸際に立ったのは民主党のだらしのない政権運営に起因しているのだ。「民主党は解党すべきであろう!!」と提言する。
小沢氏は度々、東日本大震災の被災地を訪問している。福島第一原発事故で福島県全体の3分の1が空白ゾーンになった事を知り驚愕したという。被災地で「国民の生活の安全を守らなくて何が政治だ」と叫んだのではないだろうか!! 「脱原発」の政治方針が定まった。「迫りくる解散総選挙に勝利しないと日本の行く末は闇になる」という認識のもと、政治家・小沢一郎は最終戦争に果敢に挑もとしているのだ。
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豪腕ではなく憂国の士、小沢一郎(後)〜最終決戦がやってきた
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2012年11月13日 09:50
<被告の身から解放>
12日、東京高裁において小沢一郎氏は、東京地裁の判決と同様に≪無罪の判決》を勝ち取った。最高裁への上告される可能性も多少は残っているが、まずは実質被告の身から解放された。
やはり、政治公党の党首が≪被告の身≫であれば、世間の目も疑ってかかる。やはり活動も自己規制するきらいもあった。政敵、国家官僚組織、検察、マスコミ(一説でアメリカの策謀)――あらゆる権力が結束して、政治家・小沢一郎潰しに注力したが、失敗に終わった。本人の不屈の闘争精神には感服するとともに、運力も凄い。ほぼ年末に解散が確定されつつある衆議院選挙で、小沢氏自身が政治家として最終戦争に挑む体制がそろった。
加えること、またまた強運を示したのが、7〜9月の3カ月の経済成長率が年率3.7%マイナスになったことだ。不景気を茶化すのではない。小沢氏の先見性を称えているのである。「日本の軟弱な経済状況で消費税を上げる余裕があるのか!!消費税恐慌になるぞ!!」という指摘が的確であったということだ。これでは、消費税8〜10%へのアップは難しくなった。【反消費税】の政治方針は、有効の証である。
<『過半数を取らないと問題解決にならない』と呟く>
『国民の生活が第一』の選挙への政治公約は、【反消費税・反原発】である。この【反原発】を、もう少し具体化すべきである。『10年間で原発を完全にゼロにする』という主張は、素晴らしい提起だ。これをさらに発展させて、『一切の原子力発電所の再稼働は認めない』ということを明確に謳うべきである。この政策を世に問えば、新しい支持層を確保できる。応援活動家も馳せ参じるのではないか!!
取材のなかで小沢党首は、「『国民の生活が第一』単独では、小選挙区には自前で100人立てる」従来の方針を述べた(各ブロックには別途立候補者を立てる予定)。「選挙は過半数を取らないと勝利したとは言えない。我が党が単独で過半数取れるわけでもないのだから、共同戦線の構築が重要だ。私はその礎、下働きをすればよいと考えている」との呟きを耳にして、凄みを感じた。
「さすがだな!!小沢氏の頭には、第3極の統一戦線の構想が浮かび、各方面での仕掛けを開始しているのであろう。平成の24年間、この政治家こそが水面下であらゆる工作をしてきた実績を持っている第一人者だ。何かしでかすな」と直感した。
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