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11月12日(月) 自滅路線を進もうとしている野田首相
野田首相は、どうして菅前首相と同じような自滅路線を進もうとするのでしょうか。重要な国政選挙の前に、国民が望まない政策を争点として掲げようとするなんて……。
いよいよ野田首相は、解散・総選挙に向けての腹を固めたようです。マニフェストの検証結果を報告するための集会を名目に国民と接触する機会を増やし、衆院予算委員会での質疑を2日間も受け入れ、党首討論に望み、新しいマニフェストを作成して争点を明らかにしようとしているからです。
すでに、11月中の解散、12月末の投開票という日程が囁かれています。11月22日解散、12月16日投開票という可能性が最も高いと見られていますが、それより一週間ほど遅れるかもしれません。
どうせ総選挙をやるなら、早い方がよいでしょう。来年度予算を組んでから民主党が政権を去り、再び予算案を作り直すなどという手間をかけずに済むのですから……。
「近いうち」に実施される総選挙で、新たな争点として野田首相が打ち出そうとしているのが環太平洋経済連携協定(TPP)への参加です。日本維新の会とみんなの党以外の野党は、自民党を含めて全て慎重または反対という立場をとっていますから、民主党の差別化を訴えやすいと考えたのでしょう。
しかし、これは参院選の直前に消費税の10%への引き上げを打ち出した菅前首相と同じような間違いです。そのために、民主党は参院選で大敗しましたが、今回も同様の結果になることでしょう。
TPPへの参加に対しては、民主党の中にも強固な反対勢力が存在しています。このような政策をマニフェストに掲げて選挙に打って出れば分裂することになるかもしれませんし、少なくとも分裂状態で総選挙を闘うことになるのは明らかです。
ただでさえ、野田内閣の支持率は低く、民主党の評判は地に墜ちています。加えて、消費増税を決め、原発を再稼働させ、オスプレイ配備を強行したうえでのTPP参加ですから、選挙をすれば地方で惨敗することは目に見えています。
そもそも、こんな時にTPP参加などはとんでもありません。関税がなくなれば、安い外国製品がどっと日本に入ってくるからです。
物価が安くなるデフレで苦しんでいるのに、さらに物価を引き下げるような政策が合理的な選択なのか。TPPへの参加を主張している方々に聞いてみたいものです。
韓国や中国、台湾、フィリピン、インド、インドネシア、タイなど、アジアの成長を牽引している国々が一つも加わっていないのに、どうして「アジアの成長力を取り込む」などと言えるのか。これについても、是非うかがってみたいところです。
TPP参加によってさらにデフレは悪化し、国内の農業と中小企業は壊滅的な打撃を受け、消費増税で税金は増え、「一体改革」によって社会保険料も増大する一方で年金は削られ、原発の脅威は依然として続く。これが、野田首相の作り出そうとしているこれからの日本です。
それを受け入れるのかどうか。その答えを出す機会が次第に近づいて来ていることだけは確かだと言えるでしょう。
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