http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/570.html
Tweet |
日本政府がTPPへの交渉参加を表明していないかのようなウソをベースに記事を作っているなかで、少しは事実に基づいた内容が書かれた記事である。
米国など既参加国と「事前協議」が行われているのは、日本政府がTPP交渉への参加を表明したからに他ならない。
TPP交渉の既参加国家が、TPP交渉に参加を表明していない国家とTPP交渉への参加を認めるかどうかという事前協議を行うことなぞありえないのは自明である。
この記事を書いた記者も、経緯の辻褄を合わせるが大変だっただろうなあと同情する。
「日本が交渉に参加するには米国、オーストラリア、ニュージーランドとの事前協議を妥結することが条件となる」と書いていながら、「TPP交渉に参加している11カ国は12月に、ニュージーランドで拡大交渉を開く。日本の参加表明が遅れれば、日本抜きでルールづくりが進む懸念がある」というような頓珍漢なことを書いているからである。
良し悪しやその“理由”は別として、日本がTPPの交渉に参加できていないのは、日本政府が交渉参加を表明していないからではなく、参加表明したのに、「米国、オーストラリア、ニュージーランドとの事前協議」でOKをもらえないからである。
記事の“最後っ屁”が、「野田首相が参加表明しても、交渉参加へのハードルは内外ともになお高い」というのはお笑い草である。
=================================================================================================
TPP、事前協議への対応急務 オバマ氏再選で加速機運 農業・車・保険なお関門
野田佳彦首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を決めれば、まず国内農家への影響を和らげる対策が課題となる。関税撤廃で海外から安い農産物が入ってくるためだ。一時しのぎのバラマキではなく、長期的な農業の体質強化につなげられるか。オバマ米大統領の再選でTPP交渉は加速する見通しで、早急な対応が必要になる。
■参加表明に現実味増す 「野田首相の考えが明らかになったことで、いろいろな動きが出てくるはずだ」。TPPに慎重な立場の農林水産省幹部は9日、衆院選前の駆け込み的なTPP参加表明が現実味を増したことに警戒感をあらわにした。
オバマ大統領の再選で、米国が自動車や繊維といった政治力の強い業界に配慮して停滞気味だったTPP交渉が大きく前進するとの見方が強まっている。TPP交渉に参加している11カ国は12月に、ニュージーランドで拡大交渉を開く。日本の参加表明が遅れれば、日本抜きでルールづくりが進む懸念がある。
日本が交渉に参加するには米国、オーストラリア、ニュージーランドとの事前協議を妥結することが条件となる。米国は日本側に自動車や保険などを「関心が高い事項」と示しており、日本は一定の対応が必要になる。
米国内には日本の自動車市場が閉鎖的との声がいまだに強い。例えば「排気量が大きい車の税負担が重い日本の仕組みが、大型車主流の米国車の排除につながっている」といった不満だ。保険分野でも、政府出資が残る日本郵政グループのかんぽ生命保険が、民間企業の参入を阻害しているとの声が米国には根強い。
■農家の規模拡大必要に 野田首相が交渉参加を表明すれば、国内では個々の農家にお金を払う戸別所得補償制度の見直しが最大の課題となる。
制度の対象はコメや麦など販売価格が常に生産コストを下回る農産物を作る農家。TPPで関税がかからなくなると、安い海外農産物との競争で国内の農産物の販売価格も下がるため、補償の拡充を求める声が多い。首相は農業対策については「美しい農村を守り抜く」と述べるだけで具体策に触れてこなかった。
規模の大小を問わず、生産効率の低い兼業農家にも支給する仕組みのままでは、公費をいくら投じても農家の競争力は上がらない。15ヘクタール以上の大規模な農家のコメの生産コストは、0.5ヘクタール未満の小規模な農家の半分以下。公費を効率的に使うためにも支援対象を大規模な専業農家に絞り、規模拡大を促す改革を進めることが不可欠になる。
「今回の米上下両院選で、日本のTPP交渉参加に反対する自動車業界の署名活動に参加した議員がごっそり当選した」(農水省幹部)。野田首相が参加表明しても、交渉参加へのハードルは内外ともになお高い。
[日経新聞11月10日朝刊P.2]
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK138掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。