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政治の歴史的転換点、反面教師としての石原新党 麻生政権とマスコミのでっち上げに便乗した民主党の小沢潰し〜平野貞夫氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36506
2012.11.09 JBpress
マット安川 今回は政治評論家・平野貞夫さんがゲスト。昨年から2回あったという石原・小沢の連携協定の裏話をはじめ、憲法違反状態での政局運営や、歴史から見る選挙の話など、盛りだくさんの内容をお聞きしました。
■過去2回の「石原新党騒動」に私は深く関わった
平野 石原(慎太郎、前東京都知事)さんが新党を作るという話は過去2回あったんです。私はその2回とも、石原さんと小沢(一郎、国民の生活が第一代表)さんの連絡役、あるいは調整役として深く関わりました。ですから今回の石原新党については特に驚きがないんですよ。
直近は去年の年明けです。私の飲み友だちに石原さんの側近がいるんですが、彼に会いたいと言われて会いましたらね、そういう話を持ちかけられた。
菅政権を、民主党政治を放っておいたらこの国はめちゃめちゃになる。健全な国にするには、小異を捨てて大同につく政治的結集が必要だ。自分はもう都知事には立候補せず、国政で頑張りたいと思っているが、そういうことについて小沢一郎はどう考えるのか、意向を聞いてくれ・・・と、そう言うんですね。
それより前の平成9(1997)年頃にも同じような話がありましてね、そのときは石原政権成立の際の基本政策まで作ったんですよ。だから去年の話は私にとっては2度目なんですが、1度目よりもずっと意義深いと思って小沢さんのところに行った。
このとき彼は、まず日本再生に関する石原さんの基本構想が不明であること、話を進めた場合に生じる既成政党とのトラブルを乗り越える現実的な見通しはあるのか、という2つの問題を指摘しました。
その後1カ月くらいそういう協議を続けていたら、石原さんが都知事に立候補することになってポシャったわけですけどね。最近の週刊誌の報道によると、森(喜朗)元総理に息子を自民党総裁にするから余計なことをするなと説得されたということですが。
今回の一件はそういう去年の成り行きの延長を、小沢さんを外した形でやろうということだと思っています。
■石原新党は日本新時代を作るフロントとはなりえない
石原新党というものがやがてできて、石原さん主導で第3極を作ろういうことになりますと、思想、哲学的にはどうしても保守ですよね。それもけっこう堅い保守ですから、一番影響を受けるのは自民党です。
世論調査を見ても自民党の右派が石原新党支持に回っている。そうなると本当の意味で第3極になるのかどうかという問題がひとつありますね。
そんな中、日本維新の会の橋下(徹、大阪市長)さんは、個人としての石原さん、小沢さんを評価しながら、彼らが従えている政党(たちあがれ日本、国民の生活が第一)については必ずしもそうではない。
みんなの党はといえば、自分たちの党から当選者を出すことを優先する現実路線に傾いているように見えます。結局、第3極の方向性はまだ読めませんね。
政治の歴史的転換というのは理屈通りにはいきません。石原さんや橋下さんがこう言うからという、理屈の整合性で決まることじゃない。人知を超えた天命みたいなもの、あるいは民衆の願い、祈りみたいなものが方向を決めていくんじゃないでしょうか。
ただ小異は捨てるにしても、どこまでが小異かという問題は大事です。少なくとも原発問題とか消費税増税問題で対立しているようではいけないでしょう。
石原さんについては、『太陽の季節』以来の根強いファンがいるわけですが、そういう人気が現代の政治と噛み合うのかどうか、これもひとつの問題です。
私は石原新党は、日本の新しい時代を作るフロントじゃなくて、反省材料になると思いますね。それも非常に大事なことなんですよ。こうなっちゃいかんと、国民の意識が別の方向に行くという意味で。
■自民党は独自の消費税増税案を示すべきだった
自民党が野田政権に年内解散を迫っているという今の状況ですが、政治の流れからすれば、こういう成り行きは最初から分かっていることなんです。
消費税増税で民主党と自民党と公明党が、よその党を外して3党で合意した。民主党は増税が決まったらすぐに解散するという空気を漂わせ、自民、公明はそれに騙されたわけでしょ。これは男女のもつれた関係みたいな話でね、どっちがいいどっちが悪いという問題じゃないんです。
私は自民党の戦略に間違いがあったと思う。自民党も消費税増税が必要だと考えるにしても、民主党の案じゃだめだと、こういう国民のための増税でなきゃいかんという案を出してね、対立軸を明確に出さなきゃ解散になんか追い込めませんよ。
野田佳彦という政治家のキャラクターを読み切れていなかったということです。民主党の人たちも読み切れてないんですけどね。
そういう人を見る目というものが、野田政権を作った指導者にも、谷垣(禎一、元自民党総裁)さんにも山口(那津男、公明党代表)さんにもない。これもまた問題です。
■陸山会問題の渦中で民主党を守るために耐えた小沢一郎
壊し屋と言われる小沢さんですが、民主党に関しては最後まで守ろうとしました。
一昨年の陸山会問題のとき、私は小沢さんに新党を作れって進言したんです。あれは麻生政権によるまったくのでっちあげですからね。検察とマスコミを使って、政治家を潰す。そんなことはできないのが近代の議会政治のはずでしょう。
本来は民主党の中から、ああいうやり方は間違いだという声を上げるべきですけど、あのときは民主党も小沢潰しにかかっていました。
菅政権の中の閣僚たちがね、意図的に検察審査会の中に入れ込んだ。あれなんか正規の法律でやってるか分かりません。
法務省も裁判所も彼らに借りがあったんです。日本の120年の議会史の中で一番おぞましい話ですよ。そういうことを新聞もある程度分かっていながら書かないでしょう。たいへんなことです。
そこを小沢さんは耐え忍んだんです。せっかく民主党で政権を取ったんだから、最後の最後まで、絶望するまで民主党を守りたいと言ってね。私は新党を作れってケンカ腰で進言したんですけど、後期高齢者になってまだ20歳みたいなこと言うなって怒鳴られましたよ。
■憲法改正実現のために重要事項の国民投票制度を
今の憲法は、例えば国会運営に関わる部分で言っても欠陥だらけです。それでも原理的なところはしっかり継承しないといけない部分もある。
一方で、明治憲法を100%悪いと言うのも正しくありません。私は人類と日本人が歴史の中で醸し、発展させてきた原理を基に、新しい憲法を作るべきだと思います。もちろんそれは、今の憲法を破棄することとは違いますよ。
今の憲法の一番の問題点は改正の手続きです。国民投票に持ち込むのに両院の3分の2の賛成がいる。これは絶対に改正できない仕組みなんです。だから憲法改正の手続き、制度を作るには工夫しないといけません。
私にはアイデアがあります。その肝は重要な事項を国民投票で決める制度を作ることです。憲法の要項とか原案みたいなものを重要事項として両院で可決するなら、憲法そのものじゃないから過半数でいいでしょう。
そういうものを国民が賛成するように作って、国民投票にかけるんです。通ったら議会に委ねるわけですが、国民投票でOKが出たモノを両院の3分の2で否決できますか?
今の国会議員たちも法曹関係の人たちも、このアイデアを理解できないんです。分かってくれたのは小沢さんだけでした。
「マット安川のずばり勝負」11月2日放送
平野 貞夫(ひらの・さだお)氏
1960年衆議院事務局に就職。園田直衆院副議長秘書、前尾繁三郎衆院議長秘書などを経て92年に参議院議員初当選。自由民主党、新生党、新進党、自由党などを経て2003年民主党に合流。04年、政界引退。『わが友・小沢一郎』『小沢一郎 完全無罪』『平成政治20年史』『消費税国会の攻防 一九八七−八九 平野貞夫 衆議院事務局日記』など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)
マット安川(本名:安川昌之)
(株)オフィスヤスカワ代表取締役。1973年1月10日生、神奈川県出身。O型。大学在学中から30種以上の仕事に携わり、のちに渡米。語学を学び、インターンシップ、のち現地法律事務所へ勤務、3年間マネジメントを担当する。帰国後、各界著名人のトレーナー兼マネジメントなどを手がけ、企業コンサルティング、事業マッチングのほか、TV・ラジオの番組DJ・企画制作など多方面に活躍中。
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