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ロムニー氏は企業買収の専門家として国内雇用のアウトソースを支持したことに対する批判は、労働者の共感を呼んだ。WSJ紙
http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/515.html
投稿者 TORA 日時 2012 年 11 月 09 日 15:22:54: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu275.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ロムニー氏は企業買収の専門家として国内雇用のアウトソースを支持した
ことに対する批判は、同州のブルーカラー労働者の共感を呼んだ。WSJ紙

2012年11月9日 金曜日

◆オバマ米大統領再選をもたらした半年前の大きな賭け 11月8日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/US/Politics/node_544778

 ホワイトハウスのルーズベルトルームで、パワーポイントを使って説明されたこのアイデアは、ロムニー氏が反撃するための資金を確保する前に、巨額を投じて有権者に同氏のイメージを植え付けてしまおうというものだった。これは、選挙運動は肯定的なメッセージを掲げてゆっくりと始動し、資金は終盤の追い込みに取っておくべきだというこれまでの常識を無視した計画である。しかも大統領の露出が後回しになる可能性もあった。

 会議に出席していた複数の人物によると、メッシーナ氏は「もしこれがうまくいかなければ、秋に第2の作戦に出るための資金は足りなくなるだろう」と言ったという。

 大統領はこれを承認した。それから数週間後、オバマ陣営はロムニー氏に晩春の攻勢を仕掛ける。その結果、ロムニー氏は大統領の実績を攻撃するどころか、自身のキャリアや個人資産に対する非難への釈明に追われることになる。

 こうして早いうちにロムニー氏のイメージを植え付ける作戦に賭けたからこそ、オバマ大統領は長引く景気不安にもかかわらず大差で再選を勝ち取ることができた。もちろん、オバマ氏の勝利には他の要因もある。例えば、ビル・クリントン元大統領からの意外なほど強固な支援や、ロムニー氏の隠し撮り映像、さらには討論会で大失態したものの持ち直すだけの時間的余裕があったこと、そしてハリケーンによってロムニー氏の挽回する最後かつ絶好のチャンスが断たれたことなどだ。

 また、オバマ大統領の1期目の働きに概ね満足している忠誠心の厚い民主党支持者からの支援もあった。それでも、ロムニー氏を早いうちに激しく攻撃する作戦が決め手になったことは明らかだ。これにより、選挙は現職大統領の信任投票から、対立候補の信任投票へとほとんど姿を変えてしまったのである。

 この現象が最も顕著に現れたのが激戦州のオハイオ州だ。ロムニー氏が企業買収の専門家として国内雇用のアウトソースを支持したことに対する批判は、オバマ大統領の自動車産業救済策で恩恵を受けた同州のブルーカラー労働者の共感を呼んだ。(中略)

彼らはその作戦の代わりに、ロムニー氏が設立したプライベートエクイティ会社、ベインキャピタルでの同氏の実績を追及することにした。プライオリティーズUSAは、ベインに買収された結果、職を失うことになった人たちを探しだそうと、ニュース報道や公開記録をあさった。結局、ベインに買収された企業の元従業員18人にインタビューし、その様子を録画した。一部は放送するには痛烈すぎる内容だった。

 こうして、オバマ陣営が5月に攻撃態勢に入るまでに舞台は整っていた。オバマ選対とプライオリティーズUSAは同月、ベインを攻撃する最初の広告を大々的に展開した。いずれも、ベインがミズーリ州カンザスシティーの製鋼所を閉鎖した際に解雇された労働者にスポットを当てたものだった。

 広告は、民主党員の間にさえも議論を巻き起こしたが、同時にロムニー陣営を驚愕させた。一方、この春のロムニー陣営本部の資金難は極めて深刻で、予備選中に巨大な資金集め組織を設立した財務担当のスペンサー・ズイック氏は、陣営の首席弁護士ベン・ジンスバーグ氏にローンを組むことを相談した。

 財務担当者はロムニー氏の信用する少数の補佐官とともに、予算が限られた夏期のつなぎ資金として2000万ドルを確保することで合意した。そして、ロムニー政権の政策を説明する最初の広告を限られた市場で流し始めた。しかし、本格的に広告枠を買う資金的余裕はなかった。(中略)

 9月までに、情勢はオバマ大統領にかなり有利になっていた。ロムニー氏にとって最悪だったのは、リベラル系の「マザー・ジョーンズ」誌がロムニー氏の隠し撮り映像を公開したときだ。ロムニー氏はこの中で寄付者らに対し、「所得税を払っていない47%の米国民のことは気にかけていない。なぜなら彼らは政府からの支援を当てにしており、自分には決して投票しないからだ」と語っていた。

 この映像をロムニー氏に見せる難しい役割を引き受けたのは、常に同氏に同行していた若手補佐官のギャレット・ジャクソン氏だった。ロムニー氏は、自分の言葉が誤解されていると感じつつも、上級顧問らに後悔の念を示した。「とにかく悔やんでいる様子だった」と旧友のマイヤーズ氏は語る。ロムニー氏はある上級補佐官に、失言の責任を取るとする電子メールを送り、挽回すると約束した。

 ダメージはすぐに現れた。映像がオンラインで広まって数日後の調査でロムニー氏の支持率は5ポイントも急落した。補佐官らは選挙戦のことを過去形で話し始めた。起死回生を図るには大統領候補討論会が最後のチャンスであることは明らかだった。(後略)

(私のコメント)


尖閣や竹島問題でアメリカの大統領選挙にはほとんど触れられませんでしたが、オバマ大統領が再選されました。オバマが再選された事でアメリカは白人でなければ大統領になれないと言う神話は終わったのでしょう。2040年頃にはアメリカの白人は少数派になり中南米国家化するのでしょう。特にヒスパニック系の人口増加が激しい。

「株式日記」では大東亜戦争はまだ続いていると書いてきましたが、大東亜戦争は人種差別撤廃戦争であり、人種差別国家アメリカとそれに反対する日本との戦争だったのです。その証拠にアメリカ本土には日系人強制収容所が作られたのは歴史的事実であり、当時の宣伝ポスターにも日本人はサルとして描かれていた。そのアメリカから黒人の大統領が選ばれる事になったのは、大東亜戦争が一つの転機になったことは確かだ。

大東亜戦争によって大英帝国も崩壊して、英国の植民地から多くの黒人やアジア人が移民してくるようになり英国も多民族国家化した。このような事は戦前には考えられなかった現象であり、有色人種の国家である日本の台頭を押さえ込む為に大戦に引きずり込む戦略は裏目に出た。日本は大戦に負けた事で二度と立ち上がれないほどの弱体化が計られましたが、日本国憲法にその痕跡が残っています。

しかし大戦後は、アジア、アフリカで独立が相次いでアメリカ国内でも黒人差別が国際的な批判を浴びるようになりました。1950年代までは南部の白人達が黒人を火あぶりにして処刑していた。当時の白人にとって黒人をリンチにかける事は娯楽であり、見物人には女性や子供も含まれていた。黒人の犠牲者が生きたまま焼かれてもがき苦しんでいるのを、白人の子供達は娯楽として楽しんでいたのです。

それらは事実であり当時の新聞などに記事として残っています。しかし1960年代になると黒人達も公民権運動などで立ち上がり始めますが、それはアフリカ諸国が独立して黒人の大統領たちが国連総会に国家の代表として参加するのを見て人権に目覚めたからだ。そのような時代からすれば現在のアメリカは全く変わりましたが、アメリカの白人達の心の底にはインディアンの虐殺や黒人へのリンチ殺人などのトラウマが残されている。

黒人のオバマ大統領の再選は、単なる偶然ではなくアメリカの白人達も黒人の大統領を認めるようになった証でもある。しかしアメリカは原爆の使用の違法性を認めようとはしていませんが、「株式日記」としては大東亜戦争の延長上としてこれからも戦っていかなければなりません。アメリカ政府はまだ原爆の使用の違法性を認めてはいないし謝罪もしていません。

オバマ大統領は核兵器の廃絶を訴えてノーベル平和賞まで貰いましたが、広島、長崎にはまだ来ていない。アメリカ政府としても70年近く経っても原爆使用の正当性を認めることは耐えられないのだろう。その根底には有色人種への制裁の意味があったのでしょうが、黒人にガソリンをかけて焼き殺されるのを娯楽として楽しんでいたアメリカ人にしてみれば当たり前の行動だった。

ロムニー氏は典型的な白人富豪であり、人種差別的な従来のアメリカなら勝てるはずでしたが、アメリカが多民族化して2040年頃には白人は少数派になる事からしても不思議ではなくなったのだろう。それ以外にもロムニー氏が負けたのは、市場原理主義や格差社会に対する批判などがダメージになったことがウォールストリートジャーナルにも書かれていますが、ロムニー氏は会社を買収して工場を閉鎖して海外に工場を移転させた事もイメージダウンになった。

リーマンショックまでは、アメリカは金融立国を目指して国家戦略w立てていましたが、それに伴って製造業は時代遅れの産業として見捨てられて、工場はアジア諸国や中国に移転していった。アメリカにおいては金融や不動産が主要な産業となり、ロムニー氏のような投資家で大富豪はサクセスストーリーのヒーローだった。4年前だったらロムニー氏がオバマ氏に勝っていただろう。

オバマ大統領は、製造業をアメリカに呼び戻し、増えた失業者に雇用の場を作らねばならない。しかしいったん製造業を無くしてしまうと製造業を復活させる事は非常に困難だ。オバマ大統領がアップルにスティーブジョブスになぜアイフォーンをアメリカ国内で造らないのかと聞いたら、ジョブスは3万人の製造技術者がいると答えた。自動車産業でも部品産業は中国にほとんど行ってしまった。

オバマ大統領が再選された理由は、このような社会状況の変化があり、アメリカの多民族化や製造業の衰退は防ぎようが無い。もはや白人のアメリカではなくなりフォードやGMが国家である時代は終わってしまった。アメリカの自動車産業はクリーンディーゼル車も作れなければハイブリッドカーも作れない。GMのボルトは電池が爆発する危険性があり製造中止状態だ。オバマ大統領の出身地のシカゴは自動車産業の中心地ですが、次世代自動車が作れないでいる。


 

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コメント
 
01. 2012年11月09日 20:04:41 : lEMstnTnbM
タイトルの日本語。
一回読み0.2秒でギゴッてなる。
その時点で読む気うせる。
却下。

02. 2012年11月09日 21:41:19 : ytttIRkaeM
>大東亜戦争によって大英帝国も崩壊して、英国の植民地から多くの黒人やアジア人が移民してくるようになり英国も多民族国家化した。
>このような事は戦前には考えられなかった現象であり、

戦前から欧米にあった現象です。また大英帝国が崩壊したというのは全く正しくない。
大英帝国は今でもアフリカに広大な権益を持っています。イラク、アフガンで戦ったあるいは戦っているのは大英帝国の軍隊です。
もし、植民地独立で大英帝国崩壊と見たら今の世界情勢は見誤ります。途上国は未だに宗主国の枠の一線から出る事は出来ません。
開発業者の先住民圧迫も現在の話です。


03. 2012年11月09日 21:57:00 : a1KCHaEFPs
覆水盆に返らずという言葉が当てはまるのだろうが、一旦失われた国内の製造業と技術は戻ってはこない。 この点については日本も同じことで、かつての中小企業などの製造業と技術は簡単には戻るわけはない。 製造業を邪魔にして追い出したりたたき売ったりした後、国内需要や消費を支えてきた雇用がなくなり、投資しようにも国内には投資先がない。 日本の場合にはまだ間に合うかもしれないが、ど近眼になった企業経営者や銀行にはそれが理解できないだろう。 もしオバマ大統領が国内の製造業を再建したいというのなら、まず第一に国内の製造業者を保護するためには関税をはじめとする貿易障壁を構築しなければならない。 しかしグローバリズムを主張してきたアメリカが、今更そんなことを言い出せるはずはないだろうに。 N.T

04. 2012年11月10日 00:25:33 : esmsVHFkrM

何と的外れを述べていることか。

ABCとNBCの選挙速報番組をライブストリームで見た(CBSとFOXはわたしがネットで見つけられなかったのではなくやらなかったのだと思う)。インターネットは便利だ。そしてアメリカのTVネットワークは太っ腹だ。それで改めてアメリカのジャーナリズムの力量に感服した。詳細なデータと深い洞察に基づく分析と議論に敬服した。

それでよくわかったことは、2012年大統領選挙は1968年のニクソン南部戦略以来の「Critical Election」であったということだ。

アメリカ政治における民主党対共和党の勢力盛衰は簡単に言えばこうだ。南北戦争後の北部共和党の南部民主党に対する優越という構図は、フランクリン・ローズヴェルトの1936年再選選挙を境にローズヴェルト連合(南部民主党と北部都市インテリ、組織労働者、黒人、新移民の結合)によるリベラル民主党の北部ビジネス共和党に対する優越へと転換したが、それは南部戦略による1968年のニクソン当選によって保守主義共和党のリベラル民主党への優越へとその構図を再び転換した。

共和党の1968年南部戦略とは、ローズヴェルト連合における奇妙な結合であった北部リベラルと保守南部の連合に注目し共和党が保守主義に傾斜することで南部を奪うことであった(南部は南北戦争の強い怨念から反共和党であったがその怨念も100年を経て解消したわけだ)が、これ以降経済発展する南部を背景にビッグビジネスと南部の結合である保守主義共和党のリベラル民主党に対する優越が固定化する。1980年以降の新自由主義の隆盛(英国のサッチャー、米国のレーガン)は共和党の優越をさらに強固にした。

しかし今回2012年の大統領選挙はこの構図がまたまた大きく転換したことを示した。

アメリカのメディアにおいてもオバマの勝利を、投稿主が引用したオバマ陣営による選挙戦初期におけるロムニーのイメージ固定(大金持ちでビッグビジネスの味方というのはそのとおりで別に嘘ではないと思うが)とかオバマ陣営による支持者の投票への巧みな動員(Ground Work)とかの選挙戦術や、ハリケーン・サンディーのような偶然(これを2012年選挙の「November Surprize」とする)に求める議論が散見される(特に例の共和党偏向メディアFox TV)。しかしこれらの戦術的または偶然的要因のみで今回のオバマの勝利を説明しようとするのは現在進行中のアメリカ政治における大転換と2012年選挙の意義を見失うものだ。

アメリカのジャーナリズムが注目し民主党が興奮し共和党が驚愕しているのは、共和党の保守主義支持層が「Too old, too white, too male」になってしまったということだ。これは、オバマ民主党の支持層が、リベラル(都市インテリ層)や組織労働者に加えて黒人、ヒスパニック、アジア人等の非白人と独身女性(これは増大する母子家庭を含む)や若年層へと拡大していることを示す。いわばローズヴェルト連合のような雑多な社会層を結合する「オバマ連合」が成立しているということだ。

NBCの出口調査によれば、黒人票の93%、ヒスパニック票の71%、未婚女性票の67%、18歳から29歳の若年層票の60%をオバマが獲得したという。このうちヒスパニックは今回ついに投票総数の10%(前回2008年においては7%)を占めるに至り依然急激に増加している。ジェンダーギャップについても、男性票はオバマ45%、ロムニー52%に対し女性票はオバマ55%、ロムニー44%であったという。このような背景があって初めてオバマ陣営のGround Work(投票動員)が意味を持ったのである。

ヒスパニックの増加による選挙結果への影響はすでにフロリダ、ヴァージニア、ノース・キャロライナのような接戦州において観察されており(それゆえにフロリダ(非公式)とヴァージニアでオバマが勝った)、この傾向は次にジョージアやテキサスのような共和党の安全州において露わになるものと予測されている。

実際ロムニーは善戦している。選挙人獲得数はともかく層獲得投票数における差はわずかだ。

そもそも、このような経済状況で再選を果たす大統領はまれである。客観的に言ってロムニーは決して悪い候補者ではない(予備選に参加した候補者の中で唯一まともで勝てる候補者であった)。オバマ陣営は第1回公開討論で大失態を犯しそれまでの優位を一気に失っている。選挙直前においてはロムニーの集会の熱気がオバマの集会のそれを上回っていたことを多くの報道記者が指摘している。

またカール・ローブ(ジョージ・ブッシュの再選選挙参謀として有名)が主導したAmerican Crossroads等のスーパーPAC(2010年最高裁判決により候補者に直接関係しない団体(特別政治行動委員会)に対してであれば企業献金や個人献金が無制限に認められた)は総額3億9.000万ドルもの巨額な資金を共和党支持者の大金持ちたちから集め(Sheldon Adelsoinは個人でなんと5.370万ドルも寄付している)オバマをはじめとする民主党候補者へのネガティブキャンペーンを大々的に展開した。

さらに、接戦州では州や郡レベルでの選挙管理を共和党が抑えているために黒人やヒスパニックの居住地区において投票所を不備にしておくことで長い投票待ち(今回フロリダでは7時間待ちまで生じている)等を引き起こしそれらオバマ支持のマイノリティーが投票することを妨害までした(それにもかかわらずカール・ローブはロムニー敗戦の理由として民主党が選挙妨害を行ったと主張して嘲笑をかっている)。

だから、ロムニーは勝利を確信していたし(勝利演説しか用意していなかったというがそれはまんざら嘘ではないだろう)、地すべり的勝利を予想した保守評論家もまれではなく、カール・ローブはFOX TVの選挙速報番組でFOX TVでさえオハイオ州をオバマ獲得確実と報じてオバマ勝利を認めた後までまだわからないと言い張って出演者たちを困惑させる醜態を演じたのである。

つまり、共和党がこれでも勝てなかったのならもう民主党の大統領候補に勝てないしそれは今後ますます確実になる(白人で男性という支持層は確実に減少していく)ということが明らかになったのだ。

これを象徴的に表していたのが、投票終了後のロムニーのボストン集会とオバマのシカゴ集会の様子だ。ロムニーの集会に集まった人々はみなきれいな身なりの白人ばかりだ(貧乏人はいない)。それに対してオバマの集会に参加した人々は、もちろんきれいな身なりの白人もいるが、黒人やアジア系やヒスパニックなど人種も雑多でその服装もまちまちだ(明らかに貧乏人がたくさん来ている)。どちらが現在の実際のアメリカを集約しているかは明らかだ。これを見て恐怖しない共和党幹部はいないだろう。

すでに今後共和党はどうすれば生き残れるのかが議論の焦点となっており、単にヒスパニックの候補者を立てろから共和党の綱領そのものを改めろまで多用な議論が共和党関係者の間で起こっている。

というわけで、アメリカにおいては今回の2012年選挙の意義がこのように注目されている。2012年をわたしが「Critical Election」であると考える所以である。

この「オバマ連合」はすでに2008年選挙において形成されていたのでありそれが2012年選挙において強固に確立した。ローズヴェルト連合が恐慌の中で形成されたように「オバマ連合」も現代の恐慌(わたしは現在の「不況」は本質的には資本主義恐慌であると考える)の中で形成され今後20年から30年のアメリカ政治を規定していくことになるだろう。

1980年代以来猛威を振るったアメリカの右翼保守主義はこうして終焉を迎えつつある。

感慨を禁じえない。


05. 2012年11月10日 00:56:00 : higAF7Vy2o
米国版「決められない政治」


 アメリカ大統領選挙は接戦を制してオバマ大統領が再選された。現職大統領の再選は通常の事だが、しかしオバマの場合には4年前の期待値が高すぎ、それに足を取られて再選が危ぶまれた。「チェンジ」に期待した国民が期待した分失望を味わったのである。


 それでもオバマが勝利できたのは共和党に大きな問題があったと私は思う。かつての共和党は予備選挙の段階までは宗教保守派の熱烈な選挙運動を取り込んで利用したが、一般の国民を相手にする本選挙ではイデオロギーを抑え中道に寄る姿勢を鮮明にした。

 ところが民主党のクリントン大統領が「ニュー・デモクラット」と称してリベラル色を抑え、共和党の主張である「小さな政府」を標榜した頃から、共和党はさらに右にシフトした。「伝統的価値観」に基いて中絶禁止や同性婚の反対を強調し、ティーパーティなど草の根運動を通してオバマの政策を「社会主義」と攻撃した。

しかし保守イデオロギーを出し過ぎれば一般の国民には受け入れられない。共和党の大統領候補に選ばれたのは穏健な中道派のロムニーであった。それでも共和党は宗教保守派にも一定の配慮をしなければ大統領選挙を戦えない。それが民主党支持者を固く結束させたオバマ陣営の戦術に敗れた。

 2000年のブッシュ対ゴアの選挙では、共和党のブッシュ陣営が「マイノリティに優しいブッシュ」という演出を凝らし、有権者人口の1割を占めるヒスパニックを取り込もうとした。しかし今回の選挙では右派の主張を取り入れたロムニーが移民に厳しい立場をとり、ヒスパニックはオバマを支持する事になった。白人人口が減少しマイノリティが増大するアメリカで、共和党は路線を検証し直す必要がある。

 2期目の大統領は再選がないので「レイムダック(死に体)」と言われる。しかし失うものもないので思い切った事をやれる一面もある。オバマは4年後に共和党に政権を奪還されないような政権運営を心がけるだろうが、その際カギとなるのは共和党が過半数を制した連邦議会下院との「ねじれ」である。

2年前の中間選挙で上院と下院に「ねじれ」が生まれて以来、議会で法案が成立したのは提出された法案のわずか2%だという。「決められない政治」がアメリカにも起きている。もっともアメリカ議会に提出される法案はほとんどが議員立法で、日本のように政府提出の法案を審議する国会と単純に比較は出来ない。しかし政治の機能不全は日本だけではないのである。

アメリカでは間もなく減税策が失効し、予算も強制削減される「財政の崖」が迫っている。オバマ大統領はまずこの問題に取り組まなければならない。「ねじれ」をどう打開するのかが大統領に求められ、一方の共和党も4年後の政権奪回を目指して「ねじれ」を利用する事が得策なのかどうかを問われる。

 アメリカ政治の「ねじれ」を巡る攻防は、同じ問題を抱える日本政治にとっても参考になる。ただそれを比較するためには、日本とアメリカの政治の仕組みの違いを若干知らなければならない。それを少し説明する。

 アメリカでは上院と下院の「ねじれ」と、上下両院はねじれなくとも、大統領と議会が「ねじれ」る場合とがある。国民のバランス感覚が選挙に現れ、一方だけが強くなり過ぎないようにするため「ねじれ」は起こる。そして「ねじれ」がない事の方が珍しい。しかし政治が機能しなくなれば国民生活に不利益が生じる。

 そこでアメリカでは大統領に「伝家の宝刀」とも言える「拒否権」が与えられる。議会の決定を大統領は拒否できるのである。ただし「拒否権」も目的と時期を間違えれば、国民からも議会からも批判を浴びる。またアメリカは議院内閣制でないため、議員に党議拘束は課せられない。そこで大統領は反対派の議員を口説いて賛成に回らせる事もできる。従ってアメリカは日本より「ねじれ」に風穴を開ける余地がある。

 日本はイギリスと同じ議院内閣制で二院制だが、イギリスに「ねじれ」はない。貴族院は世襲でしかも何らの決定権も持たないからである。選挙で選ばれた議員には党議拘束が課せられるため、選挙で多数を得た与党のマニフェストが議会で否定される事はない。ただ少数意見を尊重するのが民主主義であるため議会は修正のための議論を行う。

 悩ましいのは日本である。イギリスと違って参議院議員も選挙で選ばれ、しかも衆議院が決定した法案を参議院が否決すると、衆議院の三分の二の賛成がないと廃案になる。そのため衆議院と参議院で多数党が異なると政治は何も決められなくなる。衆議院の過半数によって選ばれた総理が衆議院の三分の二の賛成がないと自分の政策を実現できない仕組みはおそらく世界でも例がない。これが日本の悲劇的な「ねじれ」の実態である。

 「ねじれ」をなくすには日本国憲法を変えるしかない。しかしそれも衆参両院の三分の二の賛成がなければ出来ないのできわめて難しい。最も簡単な方法は衆議院選挙と参議院選挙を同時にやる事である。同時にやれば同じ政党が衆参共に多数を制し、バラバラにやれば異なる政党が多数になる可能性が高い。

 ところが政権奪還を狙う自民党は衆参ダブルではなく年内解散を求めている。衆議院選挙に勝っても参議院で過半数を持たない自民党は「ねじれ」に苦しむだけなのにである。ここはアメリカの共和党のように党派性を強めるのではなく、「ねじれ」からの脱却を真剣に考えないと、米国版「決められない政治」と違って日本版「決められない政治」は断末魔を迎えてしまう。

http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/11/post_323.html#more


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