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2012年11月9日 政経徒然草
民主党が次期衆院選マニフェスト(政権公約)で『中道』路線を打ち出す方向で検討しているらしい。
中道とは、あくまで概念なのだが、今の民主党から『中道』という言葉が出てくることに大きな違和感がある。
下記の視点で分類すれば、野田首相は、間違いなく右派(保守)だし、仙谷氏や菅氏は間違いなく左派くずれ(似非革新)である。
議会制民主主義や小数意見を尊重せず、重要政策の決定を政調会長一任で押し切るなど公正な思想・姿勢を持ち合わせているとは、思えないのだが・・・。
寧ろ真逆の独裁的な党運営を行ってきたように思えるのだが・・・。
どちらにしても、自民党や維新の会に対抗するための路線を打ち出す為に、自分たちに都合のいい概念を持ち出したに過ぎないということだろう。
「中道」とは、左翼・右翼の政治的スペクトルの視点で、右派(保守)や左派(革新)のいずれにも偏らない思想、運動、集団を指す。
類似の概念との比較では、「中間派」は単にある時点での左右両派の中間派を指し、「中立」はどちらにも味方しない事を指すが、「中道」は通常、急進主義または反動ではなく穏健で、イデオロギー中心ではなく現実主義的で、議会制民主主義や小数意見の尊重など公正な思想・姿勢を指す場合が多い。
ただし現実には中道政治や中道思想の明確な定義は無いため、その時代や場所に応じて「右派」や「左派」の思想や主張が変わるに応じて、中道の思想や主張も変化する場合が多い。しかし左右両派に失望が広がった場合などに勢力を拡張する場合や、二大政党制でも左右勢力が均衡している場合には第三極としてキャスティング・ボートを握る場合もある。(ウィキぺディアウより抜粋)
アメリカの大統領選挙を見てわかるように、最早、世界の政治は右派、左派、中道などという分類では語れない時代になっている。所得階層、人種層などに対する政策や経済政策、金融政策、外交政策などの差別化による路線対立の時代になっている。
特に所得階層の中の、どの層を重点においた政策を打ち出すかが選挙での最大の焦点になりつつある。
オバマ大統領の勝因の一つは、中間層以下の所得層に対する減税の延長であり、高所得者層への減税廃止である。また、白人以外の人種層(低額所得層が多い)への政策重視である。
つまり、格差にどう取り組むかが大きな焦点となっていた。
もう一点挙げれば、経済政策である。その中でも雇用政策が有権者の大きな関心の一つであった。このような「国民の生活に直結する政策課題」が選挙の勝敗を決めたといっても過言ではないだろう。
翻って日本においても、同様なことが言えるのではないだろうか。
尖閣諸島問題などは、一部の保守層には関心が高い問題だろうが多くの国民にとっては、それよりも日々の生活に直結する政策の方が重要だし関心が高い。
今更、政治路線の違いを焦点にして選挙を戦う時代では無いように思うのだが・・・。(彼らの考え方が古い?)
どちらにしても『中道』を目指すのなら、党内の右派と思われる議員や似非左派議員を一度、整理してはどうか?
彼らをゴミ箱に捨て野党として一から出直すくらいの覚悟をしないことには党の再生は無理だろう。
もしかすると自民党より右派ではないかと思われる野田首相を代表に仰ぐ民主党が、今頃になって『中道』を唱えるというのが「笑い話」に聞こえてしまう今日、この頃である。
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