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12/11/08 新党日本 田中康夫 にっぽん改国 :日刊ゲンダイ
東京電力福島第一原子力発電所=フクイチ周辺の“国直轄「除染事業」の闇”を巡って諫言したのは10月22日、民主党の野田佳彦代表との党首会談の席上です。
除染費用の政府予算は1日1人当たり4万6千円で計上し、元請けのゼネコンや東京電力の関連会社に支払っています。実際に危険と闘う現場の作業員へは1日8千円。政府支出の2割も貰えていません。やらずぼったくりな詐欺行為。
2週間後の11月5日に「朝日新聞」は、「除染手当、作業員に渡らず 業者が『中抜き』か」、「ゼネコン6社が受注した1億円以上の先行除染の6件全てで、作業員に手当が適正に支給されていない」と報じました。
が、後追い取材の他紙に対し、「既に終了した事業で不正は見付かっていない」と環境省の水・大気汚染局は“高言”する始末。実は密かに10月30日付で元請け事業者に、「手当の支給を徹底するよう」通知していたにも拘(かかわ)らず。
「重大な案件だ。業者が意図的に行っている可能性も有る」と細野豪志改め長浜博行環境大臣が会見したのは翌6日。尤(もっと)も同日朝に藤村修官房長官は、「除染加速」に向けて「除染推進パッケージ」を完遂せよ、と檄を飛ばし、長浜大臣も「中間貯蔵施設設置に向け、知見や人材を集中する」と大見得を切っています。
煮ても焼いても流しても消え去らぬ厄介な存在が放射能。除染は放射能汚染を他の場所に移す「移染」に過ぎず、作業に当たる人々の内部被曝の悲劇を生み出します。当の環境省も「手当は被曝の危険性と精神的労苦に対するもの」と規定しているのです。
人口6千人弱の飯舘村の除染費用は3200億円にも達する見込みです。1人当たり5千万円。4人家族で2億円。縦(よ)しんば除染が完了したとして、「3・11」以前と同じく人々が戻り住める保証は何処にも無いのです。
30年限定の中間貯蔵施設は止むを得ず福島県内に設けるが、最終処分施設は必ずや県外設置を約束する、と実現不可能な空手形を繰り出す不誠実を改め、「フクイチ周辺は放射能に占領された領土」と認め、複数の「新しい町」を北海道や他県に国家予算で設営し、職業と住居を保証した方が遙かに賢明です。
「明らかに被害者は居るのに、加害者が一向に現れない」不可解な状況が続く中、原発の建屋建設に携わったゼネコンや東電関連企業に丸投げの除染作業に巨額の税金が投入されています。正しく「政治主導」のグリップが利いていない証左です。
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