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2012.11.07 ZAKZAK
田中真紀子文科相は、来春新設予定だった3大学への不認可を、事実上撤回した。ただ、学生をはじめ、大学や文科省の関係者らは、今後も独断専行に振り回されかねない。真紀子氏の地元・新潟5区(長岡市、小千谷市、魚沼市など)では、「あの人らしい…」「次期衆院選で落選危機にあるため存在をアピールしたかったのでは」などと、脱力やあきらめにも似た空気が漂っている。
「田中角栄先生が立派にやってこられたことが、台無しです」
今回の騒動について、真紀子氏の父・角栄元首相の後援会「越山会」で長く活動してきた女性はこう嘆いた。角栄氏は綿密に根回しをして、人々のためになる政策を一気に実行したが、確かに、真紀子氏の言動にはそうした形跡は見られない。
魚沼市選出の皆川雄二県議(自民党)も「真紀子氏らしいな、という受け止めが多いのではないか」と、学生や大学側を大混乱させた一件を、冷ややかに語った。
一方で、次期衆院選が影響している、という見方もある。
真紀子氏は、角栄氏が築いた強固な選挙地盤に乗って、6連続当選を果たしてきたが、次期衆院選では、自民党から強敵が出馬する。新潟県中越地震の際、山古志村長として住民避難や生活再建に取り組み、知名度や人気の高い長島忠美衆院議員だ。地元事情通は厳しい情勢を語った。
「長島氏の後援会長は、角栄氏の後援会『越山会』の青年部長を長く務めた星野伊佐夫県議で、真紀子氏の手の内を知り尽くしている。地元有権者も彼女の弁舌に飽きており、民主党への逆風も強い。自民党が5月に行った情勢調査では、長島氏が大差でリードしていた」
まさに、真紀子氏は落選危機なのだ。
このため、小千谷市選出の宮崎悦男県議(自民党)は「真紀子氏はこれまで出ていなかった小さな会合にも顔を出している。かなり焦っている」といい、魚沼市の住安孝夫市議(共産党)は「選挙情勢が厳しいので、(強い権限を持つ)大臣であることをアピールしたかったのでは。ただ、(不認可騒動は)マイナスだろう」と分析する。
こうしたなか、地元有力者の間では、こんな話が広まっている。
ある県議は「真紀子氏が文科相就任後、地元の医師会関係者に『長岡市に、関西の有名大学の医学部を誘致したい』と語っていたらしい」と明かす。
真紀子氏の元秘書である穂苅英嗣氏は「あの方は、積み上げてきたものをひっくり返して、一から自分で決めなければ気が済まない。学生が人生を狂わされることなどには想像が及ばない。大臣どころか、議員辞職した方が本人のためだ」と話している。
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