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日中、尖閣めぐり激論 ASEM首脳会合
日本「領有権の問題ない」 中国「戦後秩序への挑戦」
【ビエンチャン=永沢毅】6日、ラオスで開いたアジア欧州会議(ASEM)首脳会合を舞台に、日中両政府が沖縄県の尖閣諸島をめぐって激論を交わした。関係修復を探る場になるどころか、溝の深さを露呈する結果となった。
地域情勢をテーマにした協議ではあらかじめ決められた順番に沿って各国首脳が発言した。6番目の野田佳彦首相は「いかなる紛争や主義、主張の違いも国際法に従って平和的なアプローチで克服することを重視している」と表明。尖閣や島根県の竹島(韓国名・独島)を念頭に置いて日本の対応をアピールした。
中国側は、各国首脳発言後の自由討論の最後に、すでに退席していた温家宝首相に代わって楊潔●(ち)外相が発言の機会を求め「釣魚島(尖閣諸島の中国名)について中国政府の厳正な立場は国連総会で申し上げた。反ファシズム戦争の結果や戦後秩序を否定してはいけない」と反論した。
各国の面前で
「ASEMの未来」の協議に移った後、野田首相は予定していた発言に加えて「本来、2国間関係にかかわることを話すつもりはなかったが、本題に入る前にわが国の立場を明確にする」と指摘。尖閣は歴史的にも国際法上も日本固有の領土だとして「解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」とけん制した。すると再び楊外相が発言を求めて「釣魚島は明の時代から600年間支配している。日本の行動は戦後の国際秩序と原則への重大な挑戦だ」と訴えた。
その後、ベトナムとの首脳会談のために中座した首相に代わり、斎木昭隆外務審議官が「中国は日本の平和国家のあり方を否定する悪意に満ちた発言を繰り返しているが、同調する国は全くないことを認識すべきだ」と主張。中国側は「日本は行動で間違いをただすべきだ」と反発した。各国首脳らの面前での日中の応酬に、議長国・ラオスのトンシン首相は「両国の視点が語られた。この話は2国間で話し合ってほしい」と引き取った。
「不適切な発言」
野田首相は首脳会合終了後の6日夜、記者団に「中国から尖閣に触れる不適切な発言が出た」と説明。激論となったのは中国側の対応に問題があったとの認識を示した。
首相はラオス滞在中に温首相と接触しなかった。5日の各国首脳の記念撮影では温首相が野田首相の前を横切る場面があったが、2人は言葉を交わすどころか、視線すら合わせなかった。
野田首相は5日夜のASEMの夕食会で席が隣だった韓国の金滉植(キム・ファンシク)首相とは会話を交わし「日韓関係の重要性」を確認した。ただ、金首相は首脳会合では「いかなる国も他国の領土や主権を侵害したり、歴史的正義を歪曲(わいきょく)したりする目的で国際法の手続きと法治主義を乱用してはならない」と発言した。
日本政府は4、5両日に中国湖北省武漢市で中国外務省と局長級協議を開いて事態の打開を直前まで模索したが、「両首脳が接触できる環境は整わなかった」(首相同行筋)という。
[日経新聞11月7日朝刊P.4]
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