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2012年11月6日 日刊ゲンダイ
<「漁夫の利」にニンマリの民主、自民>
「維新の会」の松井一郎幹事長が、5日、次の衆院選について、「47都道府県すべての1区」に候補者を擁立すると表明した。「みんなの党」と選挙区調整する場合でも、1区への擁立は譲らないという。支持率が低迷し、勢力拡大のために勝負に出たのだろうが、激戦の1区は選挙協力をしなければ“共倒れ”必至。はたして「維新の会」は何人、当選できるのか。
「維新の会が全1区に候補者を擁立するのは、苦戦している裏返しです。浮動票の多い1区に立てるのは、少しでも比例票を掘り起こすのが狙いでしょう。全国に組織がない維新の会は、地方では県庁所在地のある1区でしか勝負できないという事情もあるはずです」(政治ジャーナリスト・山田恵資氏)
「維新の会」は、時間が経ち、全貌が明らかになるにつれて国民の期待がどんどんしぼんでいる。
11月1日に締め切った候補者の「2次公募」への志願者は、わずか161人と、「1次公募」の845人から激減。
そもそも「2次公募」をすること自体、「1次公募」にロクなメンバーがいなかった証拠だ。
浮動票の多い「1区」は、民主、自民はもちろん、ほとんどの政党が参戦する激戦区。第三極が議席を獲得するには、譲り合って選挙協力するしかない。しかし、もはや友党の「みんなの党」に配慮する余裕もないということだろう。突然、「1区擁立構想」をブチ上げたが、47の選挙区のうち、いくつ勝てるのか。
「みんなの党と選挙協力しても、維新の会が“1区”で勝つのは簡単ではない。せいぜい、1桁でしょう。まして、みんなの党や石原新党、小沢新党と競合したら落選確実。民主党や自民党の候補者を利するだけです。具体的に選挙区を北から見ていっても、北海道1区は横路孝弘が強い。岩手は小沢王国。秋田1区も民主党の寺田学が抜け出すでしょう。西に飛んでも、鳥取1区の石破茂、島根1区の細田博之、岡山1区の逢沢一郎、山口1区の高村正彦、徳島1区の仙谷由人……と、維新の会が割り込むのは、かなり難しいですよ」(政界関係者)
維新の会が勝てそうなのは、地元の大阪1区、兵庫1区、そして「維新の会」に移った松野頼久の熊本1区くらいのものだ。
維新の会の「全1区出馬構想」に、いまごろ「1区」から出馬する民主、自民の議員は「漁夫の利」を得られるとニンマリしているのではないか。
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