http://www.asyura2.com/12/senkyo138/msg/320.html
Tweet |
「橋下徹は『龍馬』となれるのか?」 幻と消えた『薩長連合』計画」
http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11397221020.html
週刊ポスト2012/11/16号 :大友涼介です。
かつて自民党の竹下派支配を変えるべく結成された「YKKトリオ」を、当事者の1人・小泉純一郎氏は「友情と打算の二重構造」と表現した。今、「統治機構を変える」と同じ旗を掲げながら相容れない石原慎太郎氏、橋下徹氏、そして小沢一郎氏という「第3極」の3人の壊し屋の「打算と愛憎の連立方程式」は解答を導き出せるのか。
◆
第3極の主導権を争う石原、小沢両氏が激しい舌戦を演じている。
石原氏は新党会見を小沢新党『国民の生活が第一』の結党パーティー当日にぶつけ、記者の質問に答えて、「小沢とは組まない」と宣言した。
一方の小沢氏も石原新党を「大きな広がりになるとは思わない。(石原氏の政策は)今、国民が望んでいることではない」と言い切った。
近づく総選挙の戦略も2人は対照的だ。
「理念の政治家」と見られている石原氏が原発推進、消費増税賛成の『たちあがれ日本』を母体に新党を旗揚げしながら、脱原発・反増税の橋下維新やみんなの党に「小異を捨てて大同団結」を呼びかけているのに対して、「政局の人」と批判されてきた小沢氏はドイツを視察し、
「福島事故でドイツ人の原発に対する意識が変わった。ところが当事国の日本では、政治、行政、経済界でその意識は変わらず、我々の主張は少数派だ。ドイツ人は驚いていたと思う。原発事故のあった福島を抱える日本だからこそ、早く国策として脱原発を決めるべきだ」
と語り、あくまで政策を総選挙の対立軸にする姿勢を強調した。
実は「水と油」「犬と猿」といわれるこの2人が同盟に動いたことがある。周旋したのは石原氏の長年の盟友で、小沢氏とは政権交代のために手を組んだ亀井静香氏だった。
「官僚支配を打破するには、石原と小沢の剛腕が必要だ。俺はそう考えたから、今年の春頃、石原に『小沢はあんたが(第3極の)首班でもいいと言っている』と伝えて、手を組むように説いた。小沢には確認をとっていた。
石原は渋ったよ。でも、最後は『わかった。下世話なことは亀ちゃんに任せる』と言った。それなのに石原はまた小沢とは組めないと言う。それでは、俺は石原新党に加わる気にはならない」(亀井氏)
2人の愛憎の系譜を、小沢、石原両氏について多くの著書がある作家の大下英治氏がこう語る。
「石原氏は自民党代議士時代から田中派の流れを汲む竹下派に批判的で、89年の総裁選に出馬して竹下派が担いだ海部俊樹氏に大差で敗れた。その海部政権の幹事長として頭角を現したのが小沢氏だった。
小沢氏が自民党を割って細川連立政権をつくり、民主党を率いて政権交代を果たすなど政治を大きく動かしたのに対し、石原氏は95年の議員在職25周年を機に『竹下派が絶大な力を持つ限り総理になれない』と議員を辞職した。そうした経緯から、石原氏は小沢氏に複雑なライバル意識がある」
◆「小沢無罪」で始まる新たな動き
石原氏の「大同団結」論と小沢氏の「政策重視」論の板挟みのように見えるのが橋下氏だ。
橋下氏もまた、不安を感じながら石原氏の決断を待っていた。石原氏が新党結成を躊躇していた9月頃、橋下氏から亀井氏に電話が入ったという。
「維新が衆院選候補を公募すると騒がれている頃だったが、不安そうな声だった。俺は『石原の腰が砕けたと思ったから、あなたは新党をつくらないといけないと考えたんだろう。だが、当選しそうにない議員を集めて新党をつくっても、お経の読めない坊主を集めて布教するようなものだ』と話したんだ。彼は『困っているんです』と言っていた」(亀井氏)
その橋下氏は、石原氏がいよいよ新党旗揚げを表明すると、「石原氏らしい。最後の大勝負」とエールを送ったが、石原新党がたちあがれ日本の党名変更にすぎないと判明すると、「(連携は)難しい。石原氏個人とはやりたいが、たちあがれ日本とは感覚的にも世代的にも違う」と距離を置いた。
脱原発、消費税の地方税化を掲げる橋下維新が、基本政策が正反対のたちあがれ日本と組めば、「維新八策」が途端に色褪せてしまう。
橋下氏は、「価値観が一致するかが重要で、誰と組むかは関係ない」という政策重視の姿勢を崩してはいないのだ。
だからといって、小沢氏との提携にも踏み込めない。これまで橋下氏は小沢氏を「小沢先生」と呼び、「統治機構を変えるという、強い思いを持った政治家」と評価してきたが、橋下氏のブレーンや自民党出身の大阪維新の会の地方議員には小沢批判が多いために、こちらも距離を置いてきた。
しかし、そうした膠着状況に変化が起きる可能性がある。
11月12日に予定されている小沢氏の陸山会事件の高裁判決だ。東京高裁は9月の控訴審初公判で、検察官役の指定弁護士側が求めたすべての証拠を採用せず、即日結審した。
前出の大下氏はこう指摘する。
「控訴棄却はほぼ間違いないでしょう。無罪確定で小沢氏は動きやすくなるし、小沢氏に距離を置いていた他の第3極勢力の立ち位置も変わる。橋下氏はより小沢氏を評価しやすくなるでしょう。小沢氏は自分がトップに立とうとは考えてはいないから、仮に総選挙で第3極の各党が大きな勢力を得た場合は、橋下氏をブリッジに小沢氏と石原氏が今度こそ手を握るという展開も有り得ない話ではない」
橋下氏に薩長同盟を結ばせた坂本龍馬の役割を期待する言い方だ。
小沢氏も無罪判決を睨んで新たな風を起こす準備をしている。
亀井氏は、「もはや政治家が大所高所から国を変えるという時代ではない。近々、総選挙前に民間から政治を国民の手に取り戻そうという運動が起きる。橋下も小沢も石原もない。それぞれの政治家がその運動に参加するかどうかが問われるはずだ」
と意味深な言い方をするが、生活の議員は「それは脱原発の国民運動のことだ。著名な民間人が中心になって、超党派の議員たちに呼び掛けて全国的な署名運動をスタートさせる準備が始まっている」という。
明治維新は薩長土肥の連合軍が幕府を倒したが、その原動力は武士ではなく庶民だった。吉田松陰はそれを「草莽崛起」と呼んだが、票集めの打算と、過去の因縁による愛憎のしがらみで動けない壊し屋政治家たちの背中を押し、民自公の官僚支配政治を倒す主役は国民なのではないか。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK138掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。