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野田首相の訪ロ 本音のコラム 佐藤優(東京新聞)2012.11.2
十月二十二〜二十五日、ロシアのパトルシェフ安全保障会議書記が訪日し、二十三日に玄葉光一郎外相と会談し、二十四日に野田佳彦首相を表敬した。
パトルシェフ氏は一九九九〜二〇〇八年、FSB(口連邦保安庁=秘密警察)の長官を務めたプーチン大統領の。側近中の側近だ。
パトルシェフ氏訪日の目的は、日本の政局について調査することだった。九月にウラジオストックで行われた日口首脳会談で今年十二月の野田首相訪ロが合意されたが、
ロシア側の一部には、野田政権はそれまでもたず解散・総選挙になるので、少し様子を見た方がいいという慎重論があった。
モスクワの日本大使館の活動不足が「日本の外務官僚は野田政権を支えるつもりがない」とのシグナルをクレムリン(大統領府)に与えていた。
筆者がロシア筋から得た情報では、パトルシェフ氏の訪日報告を聞いて、
クレムリンは「日本の現政権は当面続き、野田首相の訪口は行われる。
今後、日本の政局で大きな変化があっても、尖閣問題をめぐる中国との緊張激化を背景に、日本の政治エリートは、与野党を問わず、
ロシアとの戦略的提携を強めようとしている」という評価をした。
野田首相の訪口前、具体的には今月中に森喜朗元首相が首相特使として訪口し、プーチン大統領と会談することになりそうだ。
(作家・元外務省主任分析官)
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