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2012/11/2 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
これは民主主義の崩壊の始まり。選挙の結果、どの党も多数を取れず、連立政権の繰り返しで、国と国民生活が混乱のドン底へ向かう
臨時国会が召集された先月29日、民主党の衆院議員、熊田篤嗣(大阪1区)、水野智彦(比例南関東)が離党届を提出した。河村たかし率いる「減税日本」に合流する気で、「離党は断腸の思い」(水野氏)なんて言っていたが、2人は先月中旬、民主党から政策活動費300万円を手にしていた。その直後に離党届を出したことに安住幹事長代行の怒ること。「カネを渡して、離党しないと約束したのにケシカラン」と息巻いていた。
国民から見れば、「何やってんの、コイツらは?」ではないか。
カネを持ち逃げしたような離党。カネで離党を引き留めようとした民主のさもしさ。政党政治そのものが瓦解、崩壊している好例だろうが、永田町を見回せば、そんな連中ばかりだ。
ちょっと前まで、日本の政治は政権交代可能な2大政党制に収斂していくはずだった。そのために、いろいろな問題があるにせよ、小選挙区比例代表並立制を導入ダイナミックな変化に期待し、実際、2009年、政権交代が実現した。
それなのに、今や、少数政党がボコボコ立ち上がり、野田政権発足以降だけで、民主党からは60人が逃げ出した。
小沢一郎の「国民の生活が第一」に37人、「新党きづな」に9人、橋下徹の「日本維新の会」に3人、河村の「減税日本」に3人、鈴木宗男の「新党大地・真民主」に2人、渡辺喜美の「みんなの党」に1人。この他に石原新党が立ち上がり、国民新党や新党日本、新党改革など、もろもろ合わせると、今や、国政政党は15にも及ぶのだ。
永田町のプロでも、全部の政党名はすぐ出てこない。国民はチンプンカンプンではないか。それぞれの政党はどこがどう違うのか。そもそも、これだけ政党をつくる意味があるのか。国民はさっぱり分からないが、彼らは勝手に第三極を気取り、大メディアはどことどこが組むとか組まないとかやっている。「勝手にやれよ」みたいな話だ。
◆動機が邪な少数政党が野合のデタラメ
政治評論家の森田実氏はこう言った。
「結局、英米を見習って2大政党制を根付かせようとしたものの、日本の議会制民主主義の実力ではかなわなかったということです。こうなった最大の原因は、2大政党のリーダーたちが腐敗堕落していたことに尽きると思う。本来であれば、2大政党は政策に明確な差異があり、国民に政策の選択肢を明示できなければならない。ところが、今や、憲法改正や集団的自衛権の問題を巡っても、右傾化した両党にほとんど差はない。加えて、両党とも、国民を置き去りにして、米国に気に入られようと競っている。つまり、2大政党が民意からかけ離れたことをやっているわけです。それで、国民が怒ったら、選挙が近いので、議員たちが慌て出した。このまま2大政党にいても選挙に勝てない。そんな議員が飛び出し、しかし、1人じゃ心細いから、メディアの話題になるように新党をボコボコ立ち上げているんです」
もともとの動機が邪だから、理念、政策でハッキリ差別化できているのは、民主に愛想をつかして飛び出した小沢グループの政党くらいだ。あとの連中は橋下人気や石原人気にすがって、バタついているだけ。そんな連中の集まりだから、しょっちゅう、イザコザ、内部対立が表面化しているが、これも「オレがオレが」という縄張り争いみたいなものだ。そんな少数政党が第三極だ、オリーブの木だ、と選挙目当てで協調しようとしても、すぐにお里が知れる。原発や消費税、TPPで全然政策が違う維新と石原新党がくっつこうとして、また、仕切り直しになっているのがいい例だ。
こんなことを繰り返していて、日本の政治はどうなるのか。国と国民生活が混乱するだけではないのか。「政治ごっこ」はもういい加減にして欲しいのだ。
◆小政党乱立のイタリアは債務危機で大暴動
少数政党が乱立し、くるくる政権が変わるような国はどういう運命をたどるのか。いい例が債務危機に陥ったイタリアだ。
戦後のいたりイタリアはまさに猫の目政権で最長はデ・ガスペリ政権の8年間(1945年〜)。ほとんどの政権が1、2年で交代していて、最近、国際政治の舞台では「顔役」だったベルルスコーニ政権も94〜95年、01〜06年、08〜11年と、小刻みに下野と復活を繰り返していた。
イタリアがこうなったのは90年代前半に大政党の汚職・腐敗が露呈、批判の声が上がり、小政党が乱立したからだ。05年には選挙制度が改正されて完全比例代表制となった。これがさらに小政党乱立に拍車をかけた。
ジュネーブ在住の国際政治学者、安井裕司氏はこう言う。
「ある意味、非常に日本と似ていますね。93年に8党が連立した細川政権は1年も持たずにバラバラになった。イタリアでも96年の総選挙で、中道政党と左派政党が連携、〈オリーブの木〉をつくって勝ちましたが、01年の総選挙では、ベルルスコーニ率いる中道右派連合に敗れています。しかし、そのベルルスコーニ政権も08年の総選挙では地域政党、北部同盟と右派連合を組まざるを得なくなった。そうしなければ票が伸びなかったからですが、結局、長続きしなかった。政策で結びついていない場当たり的な連立のもろさでしょうね。小政党の連立は意見の調整に時間がかかり、きっちりとしたマニフェストトが決められない。政権の芯がなければ、大胆な経済、外交政策も打ち出せない。加えて、小政党の連立は人気取りに走り、ポピュリズムに陥りがちです。それが結果的に政治の混乱を招いている。日本も同じ状況だと思います」
それやこれやで債務が1兆9000億ユーロに膨れ上がったイタリアは今や、ユーロ圏最大の“借金国”だ。09年のギリシャ・ショックは、瞬く間に飛び火し、昨年11月、債務危機が表面化。ベルルスコーニは辞任に追い込まれた。
ナポリターノ大統領が経済学者のモンティを首相に指名し、慌てて財政緊縮策を始めたが、イタリアのシンクタンクは来年の経済成長率をマイナス1・0%と試算。失業率は10・8%(9月)にまで跳ね上がり、とくに15〜24歳は35・1%という状況だ。国民の不満は大爆発していて、ローマでは先日、「反モンティ」のデモ行進に10万人以上が参加した。
◆日本も同じ運命を辿るのは必至
これが少数連立政権のなれの果てなのだが、日本も政治の混乱が経済を直撃しつつある。9月の有効求人倍率は3年2カ月ぶりに悪化。12日に発表されるGDPも民間予測はマイナスがズラリだ。そこにパナソニックの7650億円赤字なのである。
この先、日本はどうなってしまうのか?
スイス放送協会東京特派員で、日本外国特派員協会会長のジョージ・バウムガートナー氏はこう言った。
「オリーブの木といわれた連立政権は、菅直人前首相がまねしようとしました。日本の民主党は、その流れで政権を奪ったわけですが、官僚の力が強い中央集権的なシステムを打破できず、今や空中分解寸前です。日本もイタリアも、国会は比較的強い権限を持っていますが、内閣の力が弱い。両国の政治システムでは、本質的に社会を変えることは難しいでしょう」
しかし、この流れはもう止められないのだ。総選挙をやれば、民主党はボロ負け。かといって、自公も過半数には届かない。こうなれば、政策や大義もそっちのけで野合連立に突き進む。小政党は条件闘争のハードルを上げて、「もっと大臣ポストをよこせ」となる。そういう過程で思惑違い、嫉妬、裏切りが必ず出てきて、またぞろ、離合集散を繰り返す。国会は空転し、いつまでたっても政治は安定しないまま、日本はイタリア化していくことになる。
国民生活はドン底に向かうのだろうが、それを止める手立てはない。
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