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政治との距離、経団連悩む 特定政党支持にリスク
自動車、鉄鋼、電機といった日本を代表する企業でつくる経団連が、政治との間合いを計りかねている。衆院選後の政権交代が現実味を帯びるなかで、かつてのように特定の政党へ支援を鮮明にできないでいる。新たな政権の枠組みを読み切れないためだ。経団連が政治的に中立の姿勢をいつどのように転換するか。政界は注視している。
■対話で融和演出
「社会保障と税の一体改革をやれたのは、斬新な民主党政権だったからだ。高く評価している」。経団連の米倉弘昌会長は26日に開いた民主党首脳との政策懇談会で、賛辞を贈った。
9月下旬に自民党と民主党で新たな執行部が発足。経団連はいち早く野党の自民党との政策対話を開いたため「経団連が自民党に回帰した」との観測が流れた。だが、26日の懇談会では経団連と民主党の双方が融和ムードを演出した。
次の衆院選で経団連はどの政党を支持するのか。これまでは自民党の有力な支持母体だった。小泉政権時代には2005年の郵政解散で、奥田碩会長(当時)が構造改革を掲げる自民党への支持を鮮明にした。その経団連は今、自民党や民主党との関係は「等距離」だと強調している。
衆院選後の政権の枠組みが読み切れない点が大きい。選挙の結果次第では自民・民主・公明の3党が連立与党になる可能性が残るほか、日本維新の会や石原新党などの第三極がどれくらい支持を受けるかも見通せない。
経団連は政権交代をにらみ特定の政党に肩入れする政治的なリスクを意識しているようだ。政治の側からは、そんな経団連は頼りにならないと映る。政治的な「等距離外交」は経団連にとってもろ刃の剣ともいえる。
経団連が支持する政党を判断する材料は、企業にとって有益な政策を実行してくれるかどうかに尽きる。
■民主離れは進む
社会保障と税の一体改革関連法が成立した後、経団連内では民主党政権を離れる空気が広がっているのは事実。決定的ともいえるのが「30年代原発稼働ゼロ」の方針を掲げたエネルギー政策だ。原発ゼロは弊害が大きいと米倉会長は批判を繰り返した。経団連が成長戦略の目玉として早期の交渉参加を求める環太平洋経済連携協定(TPP)も野田首相が交渉参加を正式に表明する日程すら見えない。
かつて蜜月関係にあった自民党はどうか。原発ゼロに反対する姿勢こそ共有しているが、TPPでは隔たりが大きい。小泉政権の構造改革を全面的に支援した経団連と自民党の関係が容易に復活するとみる関係者は少ない。一方、小泉政権の構造改革に近い政策を掲げ、第三極の中心的な存在である日本維新の会と経団連を結び付ける糸口は今のところない。
経団連は09年、政治献金への関与をやめた。加盟企業からは「カネと票のどちらかの関与がなければ政治への影響力は戻らない」(商社)との声があがっている。
経済界の圧力、意義は大きい
八代尚宏国際基督教大客員教授の話 国の財政余力が限られるなかで、経済を成長させるには規制緩和で内需を喚起するのが近道だ。これは官僚に任せたら進まないので、経団連などの経済界が圧力をかける意義が大きい。
だが、政治に対して具体的に発信せずに改革を諦め、生産拠点を海外に移している印象がある。政治がリーダーシップを失っているので、働き掛けが難しい事情は理解できる。個別の議員へのロビイングが主体となっている米国の例も参考に、経済界と政治との間合いを根本的に見直す時ではないか。
[日経新聞10月27日朝刊P.5]
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