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2012年10月27日 植草一秀の『知られざる真実』
東京都知事の石原慎太郎氏が都知事を辞任し、新党を創設して国政に進出することを表明した。
息子が自民党党首に就任できなかったから、こんどは自分が首相ポストに就任したい。単なる「欲ボケ」の無責任知事に東京都民はあきれるばかりだ。
この石原氏が日本維新とみんなに連携を呼び掛けるが基本政策方針がまったく異なる。
単なる選挙での多数議席確保のための「野合」にすぎない。
消費税も原発も石原氏にとっては「些細なこと」なのだそうだ。
官僚支配を打破することが必要で、明治維新も対立関係にあった薩長が結んで実現したことを強調した。
官僚支配打破は良いが、その官僚支配を象徴する政策目標が消費増税撤回である。
消費増税撤回を求める人々のなかには、将来的な消費税増税の必要性を認める者も多い。
社会保障支出の水準を維持するには国民の負担増加が避けられないとの認識は広がっている。
しかし、これらの、将来の国民負担増加を容認する人々も、官僚支配構造、官僚利権体質を残したまま、市民に巨大な税負担を強制することには反対に強い意向を有している。
「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」
との考えを有しているのだ。
つまり、消費増税反対の最大の根拠のひとつが「官僚支配構造の打破」なのだ。
石原氏が官僚支配構造を変えるというなら、なぜ、官僚の天下り利権の根絶を重視しないのか。
官僚支配を変えると叫んだところで、最重要の具体策を伴わないのでは、空念仏に等しい。
後出しじゃんけんでうまい汁だけ吸い取ろうという、さもしい根性が見え見えである。
都知事の職にあるなら、その職をまっとうしてから次の仕事を考えるべきだ。
都民が求めてもいないオリンピックを誘致することをかかげ、無駄な広報支出に法外な都民の血税をあてた。メディアに対する法外な支出が自分に対するメディアの優遇を目的にするものなら、実質的には一種の汚職になる。
築地の移転にも大きな政官業癒着の影がつきまとう。
がれきの受け入れもがれき運搬業者への便宜供与の側面が強いと見られる。
日中関係の急激な悪化は日本側による思慮のない行動が引き起こした、いわば「人災」である。尖閣問題には歴史的経緯があり、日中両国政府は「棚上げ」措置によって、国境問題の紛争化を賢明に避けてきた。
「棚上げ」合意を一方的に破棄するということは、紛争化を避けるとの叡智を意図的に壊す行為であり、その先頭に立ってきたのが石原慎太郎氏である。
他国に対して強硬な姿勢を示すことは国民のナショナリズム感情を刺激することであるから、選挙での得票を増やす効果はあるだろう。しかし、その目的で行動しているとするなら、あまりにも次元が低い。
かつては「NOと言える日本」などの著書を執筆した石原氏だが、中国、韓国に対しては罵るような言い回しをするくせに、米国に対してはなにもものを言えないのでは、結局、強いものに媚び、自分が弱いと判断する者にだけ強く出る、臆病なお山の大将でしかない。
メディアが懸命に第三極などと騒いで、次の総選挙に向けて、日本の有権者を誤導しようとしているが、日本の政治を立て直すには、政策を軸に政治対立を位置付け、主権者である国民の前に明確な選択肢を示すことが何よりも重要だ。
日本の政治を刷新しなければならないことは言うまでもない。
そのとき、「刷新」が意味する内容が問題になる。
これまでの日本政治を支配してきたものはなにか。それを考えることが日本政治刷新の第一歩になる。
日本政治を支配してきた本尊は石原氏が言う「官僚機構」だけではない。
官僚機構・米国・大資本が結託して日本支配を続けてきた。
この米官業トライアングルによる日本支配の構造を打破することこそ、日本政治刷新の中核である。
官僚機構は官僚機構による日本支配を維持するための後見役、後ろ盾として米国を利用してきた。他方、米国は日本支配の実働部隊として官僚機構を活用してきた。大資本は常に自らの利益の増大を図る存在であるから、日本を支配する米国・官僚と足並みを合わせることが利権維持のために必要不可欠であるとの考えを有してきたのだ。
この米官業トライアングルによる日本支配の構造に乗るかたちで同じく利権の維持拡大に努めてきたのが利権政治家と御用メディアである。
かくして、米官業政電の既得権益が日本支配の五角形の構造を構築してきたのである。
この構造を打破することを目的に成就されたのが2009年9月の政権交代だった。
ところが、民主党内に米官業利権複合体と連なる勢力が多数潜伏していた。
この既得権益勢力が党内クーデターを挙行して政治権力を強奪した。
2010年6月の菅直人政権発足以来、旧来の既得権益政権が再樹立されて現在に至っているのである。
話は飛ぶが、東京都知事選が実施される。
日本を変えるには東京から変えなければならない。小泉竹中政治の流れをくむ猪瀬直樹氏の知事就任を絶対に阻止しなければならない。
日本を変え得る都知事候補者の筆頭は孫崎享元防衛大学校教授である。
孫崎氏こそ日本の知性を代表する人物である。
外交の真髄と日本の平和外交の要諦を知り抜いている。
孫崎氏の都知事選出馬を強く要望したい。
石原氏の辞任が孫崎都政を誕生させる契機となるなら、石原氏は任期の最後に唯一の功績を残すことになる。
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