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産経新聞 10月27日(土)15時4分配信
一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」。ここにきて各種世論調査の支持率が急降下するなど「政界の風雲児」ともたはやされた男も四苦八苦といった感じだ。起死回生への切り札はあるのか。次期衆院選に橋下氏本人が出馬することもにわかに現実味を帯び始めるなか、維新内では、あの「大物政治家」の選挙区に橋下氏が“刺客”として挑むという仰天構想が浮上しているという。
橋下氏はほんの1カ月ほど前まで、関西から全国に向けて吹き荒れる「維新旋風」を背に昇り龍そのものだった。9月12日には地域政党「大阪維新の会」を国政政党「日本維新の会」に衣替えし、橋下氏は「これから日本全国で大戦(おおいくさ)が始まる」と決起宣言した。次期衆院選では350人規模の候補者を擁立し、単独過半数を勝ち取って一気呵成に国政を“制圧”するという絵図を描いていた。
ところが、「旋風」もパタリと止んでしまった。その要因を指摘すれば枚挙にいとまがない。
国政政党の要件を満たすための「員数合わせ」にすぎない国会議員9人の合流、外交音痴を露呈させた「竹島の共同管理」発言、いわくつきの元首長らを「失業対策」よろしく衆院選の候補者に内定する安易さ、国会議員と大阪府市議との間にくすぶる不協和音、綱領「維新八策」実現性への疑問符…。
「既成政党との対決」を掲げ、その目新しさから有権者のハートをつかんできた橋下氏だが、案の定、時間の経過とともに馬脚を現した。天下獲りどころか「政界の孤児」になりかねない様相だ。
「だんだん虚像じゃなくなってきて実像に近づいてきた。まだまだ下がる。それでも自民、民主と同じ土俵に載っており、まだまだいけると思う」
橋下氏自身は今月上旬、世論調査での支持率低下に関し、そう語っていたが、焦りも感じられる。8月末に連携をめぐる折衝で一旦こじれた、みんなの党との関係修復に動き出したのも、その証しだろう。ささやくのは、維新の内部情報に詳しい永田町関係者だ。
「9月に維新政治塾の塾生と行政・政治経験者を対象に衆院選候補者の1次公募をしたが、出だし1週間の応募者数は予想以上の低調で、とにかく応募者数を増やせと、維新内で号令をかけたほど。最終的に800人以上から応募があったとした上で、書類審査をパスした約470人の面接試験を終えたとしているが、実際に『質』の面で候補者になりえる人材は極限られるお寒い状況だった。みんなの党への接近は、維新単独で全国に候補者を立てることさえ無理と実感したためだろう。逆に、みんなの渡辺喜美代表は足元を見て強気になっているようだ」
「単独過半数獲得」の意気込みはどこへやらだが、ならばと維新内で練られているウルトラCが、橋下氏自身の衆院選出馬だという。
橋下氏本人は現段階ではその可能性を否定しているが、平成20年の大阪府知事選に挑む際にも「出馬は2万%ない」と完全否定した前科がある。
「党勢巻き返しの切り札は橋下氏が衆院に出馬するしかないという空気が維新内でも日毎に強まっている。本人も自身の参戦の方向に傾きつつあるようだ」(維新の会関係者)
橋下氏は今月13日、連携相手として模索する石原慎太郎東京都知事と都内で会談し、席上、石原氏に「旬を逃したら次はない。橋下君が出馬するしかない」と尻を叩かれたという。当の石原氏は25日、都知事辞任と新党結成、自身の衆院選出馬を表明しており、橋下氏も「その気」になる環境が整いつつある。
橋下氏自身が衆院選に出馬すれば話題性は十分だろうが、維新としては戦略的に「橋下効果」を最大限生かしたいのは当然だ。そこで維新内では「全日本国民の耳目を最も集中させる選挙区」から出馬するシナリオが検討されているという。一体、どこの選挙区なのか。前出の維新の会関係者が打ち明ける。
「一時、橋下氏が衆院選に出るなら東京1区という案も語られていたのは事実だ。しかし敵対候補が超大物でないと意味がないし、東京は石原新党と棲み分けせざるを得ない。橋下氏が出馬を想定する選挙区はずばり、野田佳彦首相の千葉4区だ」
あえて現職総理に挑んで「大金星」を取りにいく戦略だが、むろん「野田VS橋下」となれば最大の注目選挙区になる得る。狙いは選挙期間中、メディアを「維新」「橋下」で席巻しようというわけだ。筆者の管見の限りでは、現職総理が衆院選の選挙区で落選したら前代未聞のこととなる。
「選挙中、テレビ、新聞が連日、橋下氏の一挙手一投足を大きく報じるのは間違いなく、その相乗効果は全国に広がる。千葉4区のエリアである船橋市なら『船橋都民』が多く、無党派層も取り込めるし、十分勝てる。野田首相は公務で官邸に釘付けになるだろうし…」。同関係者は不敵な笑みをたたえる。
まさに「劇場型選挙」を地で行く戦略だが、橋下氏自身が衆院選に参戦するにしても出馬宣言するタイミングと、自身の国政転身への大義名分がカギだ。
昨秋の「大阪W選挙」では、「大阪都構想」を掲げて自ら府知事から市長に転身し、側近の松井一郎氏を後継の府知事に据えた。当然、衆院選に出るからといって市長を投げ出すことに対する批判も噴出するに違いない。
橋下氏の衆院選出馬は既定路線と踏む在阪の維新の会ウオッチャーはこう分析する。
「橋下氏の衆院選への出馬宣言のタイミングは解散風が吹き始めた解散直前の段階になるのではないか。市長と政党トップの二足のわらじは限界だと国民、マスコミに頭を下げ、『国政は既成政党に任せておけない』『日本の将来のために混迷する中央政界一本に絞りたい』と声高に訴えれば世論の理解は得られる」
「ケンカには自信がある!」。橋下氏は20日、全国遊説のスタートの地、鹿児島市内での街頭演説で、こう絶叫した。自らの出自を掲載した「週刊朝日」の記事をめぐる朝日新聞グループとの対決に“勝利”した高揚感もあったのだろう。だが、この問題においても、勢いに陰りが見え始めたなか、自身の言動をマスコミに取り上げさせ、世論に「(朝日新聞という)権力と果敢と戦う政治家」を訴える周到な計算があったフシもうかがえる。
「弁護士が国会を法廷にして『政治ごっこ』をやっているだけだ。橋下氏は弁護士の仕事が抜けきれていない」
民主党のベテラン秘書は橋下氏をそう評する。橋下氏が「希代のケンカ上手」であることは否定しないが、その手法が「ポピュリズム至上主義」と国民に見透かされれば、やはり「政界の孤児」に成り下がるだけだろう。国民は実像をしっかり見極める必要がある。(政治部編集委員)
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