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2012年10月27日 世相を斬る あいば達也
軍資金が豊富な事で知られる石原慎太郎の報道(テレビ)で毎日が暮れている(笑)なぜ売れもしない小説書いたり、公職の都知事を13年もやっていて、何処でどのように資金豊富になったのか判らないが、兎に角も紐のつかない資金が豊富なようである。政治評論家等々への資金援助の功も奏したとみえ、石原の新党立ち上げは、日本の政党再編の起爆剤になる等と提灯発言が数多くみられる。しかし、演出された大根役者になっている不安が拭えない石原は、またまた緊急記者会見を開き、マスメディアが突きだすマイクに向かって、自分の行動を揶揄する発言に一方的に反論した。読売が皮肉交じりに、以下のように報じている。
≪ 石原知事が急きょ会見、議員への不満20分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121026-OYT1T01211.htm
石原知事は26日、都庁で最後の定例記者会見を行った。
前日の辞職表明で中止となっていたが、同日朝に知事本人が「言いたいことがある」として、急きょ再設定されたという。
ただ、この日の発言は「永田町にいる人間は視野が狭い」と新党の母体となるたちあがれ日本の議員への不満などに終始。都政にはほとんど触れず、「約束があるので」と自分から約20分で切り上げた。
都によると知事の記者会見はこの日で590回目。「都民へのあいさつの言葉などがあるのかと期待していたのに……」と都幹部も困惑した様子だった。≫(読売新聞抜粋)
会見場に用意された壇上に登るまでの歩行を見ていると、顔と口は元気だが肉体は相当老化していると思われる姿が一瞬写された。マスメディアが意図的にしたことか、編集の間違いか、その辺は判らない。あの歩行状態で、11月に尖閣周辺調査をもう一度、今度は俺も行くは冗談だろうと理解できた。特に石原慎太郎が嫌いでもないのだが、なぜか今回は奇妙に揶揄したくなるのはなぜだろう。やることなす事、すべてが裏目に出ている。いろんな解説があるが、明らかに暴走老人なのである。京都大阪に向かうべき高速道を青森に向けて逆走しているのだ。
当然、暴走老人は自分がハンドルを握る車は京都に着くに違いないと思い込んでいる。嫌に逆走する車が多くて困ったものだと思い込んでいる。情緒不安定な作家気質が頭をもたげ、床についても、自分の考えに逆走する政治家や評論家の言葉が頭から離れず、苛立ちまぎれの記者会見を開いたわけだが、この調子だと、選挙が始まる頃には発狂しているかもしれない。平沼赳夫自身、石原のペースに合わせてはいるものの、なんだか困ったな〜と云う雰囲気が出ている。橋下も、渡辺も、安倍も困っている。読売が上記のような揶揄記事を書いた点からも、ナベツネも困り出したのかもしれない。そりゃそうだ、再軍備、核保有は米国が最も嫌う方向なのだから、ナベツネも諸手を挙げて提灯記事に終始は出来ないだろう。産経も石原が叫ぶ「第三局連合」に疑問を呈している。
≪ 石原新党・維新・みんな 「第三極連合」、険しい政策一致
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121026/stt12102623550021-n1.htm
新党結成を表明した石原慎太郎東京都知事は26日、次期衆院選に向け、日本維新の会やみんなの党も含めた「第三極連合」の必要性を強調した。維新とみんなも同日、政策協議を本格化させるなど連携に向けた動きが活発化した。ただ、石原氏と維新では憲法のほか原発や環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP)交渉参加などの主要政策で対立点がある。「官僚支配打倒」(石原氏)という大目標だけで連携するのは容易ではない。
「薩長土肥も関心、考え方は違ったけど、幕府を倒して新しい国家をつくるということで大連合があった。一緒にやったらいいんだ、選挙は。みんなで大連合をつくって…」 石原氏は26日、都庁での記者会見でこう述べ、現在の政治状況を幕末と重ね合わせて、第三極による大連合の「大義」を訴えた。
さらに「政策が違うとかじゃないんだ。大眼目は官僚支配を壊していくことだ。原発をどうするとか、消費税をどうするとかはある意味、ささいな問題なんでね」とも述べ、大同団結を呼びかけた。みんなの党の渡辺喜美代表との会談にも意欲をみせた。 石原氏が「第三極連合」を訴えたのには、足元で維新の会代表の橋下徹大阪市長に対する懸念が噴出していることも一因にある。 25日夕、石原氏はたちあがれ日本の党本部で平沼赳夫代表らと会談したが、たちあがれ側からは維新との連携について「政策が違う」「譲歩しすぎたら政党の意義がなくなる」との声が続出した。石原氏が「もうちょっと大きな視野で考えられないか」と平沼氏らを説得する場面もあった。
橋下氏も26日、「石原氏と一致していると言えないところは、エネルギー政策と憲法だ」としながらも、「憲法改正をしなきゃいけない思いは同じだ。憲法問題が連携の支障にはならない」と石原氏への配慮を示した。もっとも、維新幹部は「(橋下氏が)石原氏を心の中では尊敬しても政策の中身が違えば違うと言うしか ない」と言い切った。
渡辺氏も26日の記者会見で、石原氏の会談呼びかけに対し「消費増税を容認するのであれば話にならない。基本政策も政治理念も違うと政界再編の対象にはならない」と否定的な姿勢を示した。
一方、維新とみんなの協議は和やかな雰囲気で始まった。維新幹事 長の松井一郎大阪府知事が「誰とどう組むではなく、何をやるかを政治の中心に据えている」と説明すると、みんなの江田憲司幹事長も「政策を一致させない限り連携もない」と応じ、11月末までに共通政策を取りまとめることで合意した。
ただ維新も増税そのものを反対するみんなに対しては「年間予算の半分が赤字国債の中で、何でもかんでも反対というのはどうか」(松井氏)と不満を示している。これに対しアジェンダ(政策課題)の最初に「増税の前にやるべきことがある」と掲げるみんなとしても消費税問題は譲れない一線であり、両者の協議も難航する可能性がある。(松本学)≫(産経新聞)
この産経の記事を読みながら気づいたことなのだが、石原は小沢の「国民の生活が第一」の着実な動きに嫉妬して、今回の暴走に至ったのではないか。“脱原発、消費税反対、TPP参加反対”などは、政治選択で瑣末な問題だ、と言いはじめた。この発言は、橋下や渡辺に語っていると云うよりも、対小沢一郎に向かって“オマエの政治課題は小さ過ぎる!”(笑)と叫びたいのではないかと云う解釈も可能である。それから行けば、小沢新党の結党パーティーにぶつけるように、同日新党立ち上げをぶちかました意図も理解できる。昨日の石原の独り舞台を見てしまうと、この興奮では1カ月は持たない、と云う印象すら感じた。
ただ、長谷川幸洋氏などは、石原の新党結成は、解散近しと云う情報が入手されたからに違いないと読んでいる。たしかに、民主、自民内にも、解散間近と云う噂は尽きない。自民党安倍総裁が特例公債法案の審議には応じる姿勢を出した点でも、近いうち解散の外堀は埋められている。財務省が、次期政権を民主党が継承出来ない以上、二度手間になる予算編成をしたくないのも本音で、年内解散を根回ししているのも事実だ。それを断固撥ね退けているのが輿石幹事長なのだが、何処まで踏ん張れるか心もとない。臨時国会が開かれてしまえば、野田民主の余命時計が動き出すのは間違いがない。
しかし、冷静に各政党の衆議院選挙に対する準備態勢などを見ていると、自民も民主も維新も、準備段階以前の混乱を呈しており、選挙区すら定めようがない混乱まで垣間見える。野田民主は何が何でも予算編成を、と云う段取りで動いているので踏ん張るだろうが、一寸先は判らない。その点で、小沢の“生活”は独り選対委員長・小沢一郎がすべてを仕切り、準備万端整いつつある。周りの喧騒を横目にし、さて来週からは選挙強化地域のビールケース街頭演説の旅をはじめると云う。俄然、我が道を行く小沢一郎の安定感が有権者に安心を与える。最後の気がかりは、11月12日の東京高裁判決だろう。いまさら、法理を覆す判決が出される心配は杞憂だと思うのだが、これだけは何をするか信用性ゼロの最高裁事務局、この耳目でハッキリ“無罪”の判決を確認しない限り、予断は持たないに越したことはない。
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