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12月16日都知事・衆院W選も浮上!尖閣問題に火をつけた石原慎太郎と竹島の日韓共同管理を提言した橋下徹の「合流」はありえるか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33898
2012年10月26日(金)長谷川 幸洋「ニュースの深層」 現代ビジネス
石原慎太郎都知事が知事を辞任し、新党結成を表明した。乱立気味の第3極にまた一つ、新たな勢力が加わる形だ。橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会とどう連携するかが焦点になる。ずばり言えば、私は協力しても合流は難しいのではないか、とみる。
理由は肝心の政策で一致できそうにないからだ。
維新の政策綱領である「維新八策」は大きな柱に「統治機構の作り直し」を掲げ、中央集権型国家から地方分権型国家を目指している。そのための具体策として消費税の地方税化、地方交付税の廃止をうたっている。地方分権型国家の最終形は何かといえば「道州制」である。
消費税の地方税化や道州制実現は橋下がきのうきょう思いついた政策ではない。いわゆる「一丁目一番地」、最重要の政策だ。橋下の最高ブレーンであり、生みの親ともいえる評論家の堺屋太一、さらに本欄執筆陣の1人でもある高橋洋一らが数年来、唱えてきた持論であり、橋下維新はこれを捨てられるはずがない。そうなったら、維新が維新ではなくなってしまう位の話である。
手元にある八策最終案は「統治機構の作り直し」と微温的に表現しているが、堺屋は私がインタビューした際に「私たちが目指しているのは改革ではない。体制の変革です」とはっきり言った。それは「革命」と言い換えてもいい。橋下と堺屋が共著で出した本のタイトルは『体制維新――大阪都』である。
■石原はなぜ古賀茂明の名前を会見で出したのか
石原が国政のあり方に強い不満を抱いているのは間違いない。記者会見では財務省や厚生労働省、外務省などを軒並みやり玉に挙げて、激しく批判した。都知事時代の13年間「国の妨害に遭って苦しい思いをした」とまで述べた。ここまではっきり会見で言い切れる知事は石原くらいなものだ。
だが、はたして「国のかたち」をそっくり変えてしまうような維新の企てに同意できるだろうか。とりわけ、その具体策である消費税の地方税化や地方交付税の廃止に同意できるか。難しいのではないか。
外交政策をみても、石原は自分が火付け役になった尖閣問題での発言が象徴するように、一貫して対外強硬路線である。ところが、橋下は竹島の日韓共同管理を提案するなど、保守路線でありながらも、実はかなり現実的な面がある。橋下は環太平洋連携協定(TPP)についても、はっきりと参加をめざしている。石原はどうなのか。
石原はかつて自民党政権時代に閣僚を務めた。同志といえる「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表や園田博之幹事長らとともに「古き良き自民党」を象徴する政治家でもある。自民党時代には、間違いなく「エスタブリッシュメント」の1人だった。
自民党は安倍晋三政権時代に、堺屋や私が加わった「道州制ビジョン懇談会」を立ち上げて、初めて本格的に道州制の研究に乗り出した。しかしその後、政権が変わると立ち消えになってしまった。
当時から現在に至るまで、石原や平沼、園田らが国のかたちを変える道州制の実現を目指して活発に動いた、という記憶はない。
とはいえ、都知事の経験を経て変わった可能性はある。会見では元改革派官僚である「古賀茂明」の名前が飛び出した。これには正直言って驚いた。
会見後に古賀本人に電話して確かめたが「石原さんには会ったこともない」という。なぜ、石原は古賀の名前を出したのか。あえて邪推すれば、新党から古賀を出馬させたい、という魂胆があるかもしれない。
古賀は橋下維新からも強い誘いを受けてきた。だが、頑として断り続けている。古賀に自ら永田町で活躍する意思はない。石原新党だろうと、どこだろうと出る可能性はほとんどない。
■橋下周辺で根強い「石原待望論」
もう1人、亀井静香前国民新党代表の名前にも言及した。亀井は何度も石原新党結成に動いて失敗してきたので、石原とは切れた格好になっていたらしい。にもかかわらず、石原が会見でわざわざ亀井の政治姿勢をほめたのは、これまた亀井に新党へ声をかける思惑があったのかもしれない。
橋下維新に話を戻せば、個別政策の違いを超えて、石原と橋下の連携が実る可能性がゼロともいえない。日本維新の会はひところのブームはすっかり冷めて、このところ支持率の低下が目立っている。カリスマ的人気を誇る石原と手を握って、ここで一挙に劣勢挽回、という政治的判断に傾いたとしても不思議ではない。橋下周辺には強い石原待望論もあるようだ。
ただ、はっきり言おう。国民は甘くない。
多くの国民は民主党のデタラメぶりにあきれ、自民党も本当に生まれ変わったのかどうか、はっきりしないという不満を抱いている。だから第3極に注目し期待もするが、だからといって手放しで待望しているわけではないのだ。
長く続いた自民党政権にうんざりし、3年前の総選挙では民主党に期待した。それで政権交代も実現した。だが、それはダメだった。国民は学習している。第3極がどれくらい本気で、何を実現しようとしているのかを見極めようとしている。単なる「非民主・非自民勢力の野合」と見られれば、それだけでネガティブ・イメージになるだろう。
■政策が一致しなければ、一緒にやるのはおかしい
橋下維新は当初、安倍晋三元首相の担ぎ出しを目指して失敗した。その後、渡辺喜美が率いるみんなの党との連携を模索して、こちらも失敗した。結局、自力で政党を作らざるをえなくなって、民主党の松野頼久元官房副長官や自民党の松波健太衆院議員らを受け入れた。そのあたりから維新バブルが弾け、いま再びみんなの党との連携を模索している最中である。
ここで石原新党が注目を集めたからといって、肝心の政策を抜きにして石原との連携に動くようなら、国民もいよいよ維新に厳しい視線を送るのではないか。政策が一致しないのに、一緒に政治をやろうという話自体がおかしいのだ。ここは石原新党が何を目指すのか、をしっかり見極めたい。
一方、石原都知事辞任との関係で注目したいのは衆院解散・総選挙との関係だ。
知事辞任に伴う都知事選は12月16日が軸になりそうだ。野田首相が同じ日に総選挙の投開票をぶつける可能性は皆無とはいえない。自民、公明両党が特例公債法案で妥協しない強硬方針を掲げる中、もともと野田は解散を避けて政権を延命させるのは難しかった。野田にとって大きな重荷になっているのは、財務省の姿勢である。
消費税引き上げ法案を成立させた時点で、財務省にとって野田政権は役目を終えている。このまま政権を続けて予算編成したところで、いずれ来年夏までに新しい政権ができれば、予算を実質的に作り直さざるをえない。そうなると混乱が続く。後に控えた消費税引き上げ実施にも影響が出かねない。それよりは早期解散が望ましい、と財務省はみている。
財務省は水面下で野田に解散を迫っているのではないか。財務省が予算編成をサボタージュすれば、政権は運営できない。あるいは、舞台裏で野田に打撃となる情報を撒き散らす手もある。
12月16日投開票なら、11月中旬までに特例公債法案など懸案を片付ける必要がある。逆算すれば、これから1,2週間の攻防がヤマ場である。
(文中敬称略)
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