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衆院解散めぐる攻防・「野田退陣」説もささやかれる「世論戦」の深層 (nippon.com) 
http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/607.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 10 月 24 日 00:00:16: igsppGRN/E9PQ
 

衆院解散めぐる攻防・「野田退陣」説もささやかれる「世論戦」の深層
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121023-00000301-nipponcom-pol
nippon.com 10月23日(火)17時38分配信


年内か、年明けか―衆院解散をめぐる民主党・野田佳彦首相と自民党・安倍晋三総裁の綱引きが続いている。双方、国民世論を見ながらのシナリオなきチキンゲーム。民主、自民、公明三党の党首会談が決裂するや、政府・民主党は臨時国会召集に向けて動き出したが、野党が審議に応じる気配はない。衆院解散の具体的な時期は見えてこない。「世論戦」「心理戦」を展開する与野党攻防の深層を探る。

◆“官邸病”にかかる首相の宿命

交代必至と見られていた輿石東幹事長の留任、10月半ばにも召集と見られていた臨時国会の先延ばし、衆院解散の先送り等々―。今年度予算の裏づけである特例公債(赤字国債)発行法案、衆院の一票の格差是正などの難題が山積する中、処理への道筋が見えぬまま、無理やり先に歩を進めようとする首相・野田。代表再選後の政治家・野田は変質したかのように見える。

大平正芳元首相の首席秘書官を務めた森田一元運輸相が、そんな最近の野田首相を評して、漏らしたことがある。「野田さんも官邸病にかかったかな」。

1979年秋の総選挙で敗北した大平首相が、辞任を求める反主流派と対峙し、40日間にわたる政争が展開されたことがある。この「四十日抗争」の時が、まさに大平が“官邸病”にかかった時だったという。

“官邸病”?―森田氏曰く「総理というのは、官邸暮らしを続けると誰でも、自分の権力を行使すれば何でも出来ると思い込むようになる。それが官邸病だ」。様々な抵抗、批判を受けながらも逆流に抗して大平は首相の座に留まることになるが、大平自身はこの抗争で命を縮めた。翌年の衆参同日選挙のただ中に倒れ、大平は悲劇の宰相となる。

最近の野田首相の場合も、自身の権力を過信しているように、森田氏の目には映る。大平の時と政情は異なっているとは言え、政局の逆流に抗して突き進むその姿が、総理大臣の権力の強さを過信し、“官邸病”にかかった宰相に見えるのであろう。

◆野田・輿石密約説の真偽

野田首相の後見役的な存在である民主党長老は、そんな首相を叱咤(しった)激励している。この長老が主張する三原則は、1)赤字国債法案の処理は年度内であればいい2)来年度予算は野田政権下で編成する3)年内に臨時国会を必ずしも開く必要はない―というもの。「党あって国家なし」のこの主張は、この国の政治の機能不全を端的に表わしている。民主党惨敗―民主党の崩壊という流れを阻止するために少しでも逆風が和らいだ時に総選挙を、という思いが長老の三原則からはにじむ。これは、来年の同日選挙さえ口にしたことがある先延ばし論者の輿石幹事長とも戦略判断で一致する。

首相官邸に入ると、「総理の耳に届くのは良い情報ばかり。悪い情報は入らなくなる」という状況もあって、首相のかたくなな姿勢は軟化の兆しを見せない。首相の“官邸病”はますます重くなるばかりだ。

「近いうちに信を問うというのは国民との約束」「『近いうち』とは常識から言って年内」―自民党は世論にこう訴え続け、首相もさすがに世論を気にしてか、臨時国会開催にゴーサインを出した。だが、これが直接、年内解散に連動する保証はなく、駆け引きは続く。自民党に批判の矛先を向けさせ、世論をわがものにするするための「世論戦」「心理戦」の一環とも読める。

こうした中、民主党内に密かに流れている情報がある。「来年1月の通常国会で冒頭、内閣不信任案が提出されて可決されたら、野田首相は解散を選択せずに総辞職する。この後、新たな代表を選出し、新しい顔で国会と総選挙に臨む」―まさにウルトラC的構想で、野田首相が民主党代表に再選された後の一連の野田・輿石会談での「極秘合意」だと言うが、真偽の程は薮の中だ。しかし、この「密約」が真実なら、10月29日召集の方針が決まった臨時国会の際に前倒しされて、現実のものとなるかもしれない。民主党にとって野田退陣と引き換えに政局の局面を変えられる可能性があるためだ。野田首相の手持ちのカードは尽きつつある。

【著者】
鈴木 美勝(すずき・よしかつ)
時事通信解説委員兼専門誌『外交』編集長。早稲田大学政治経済学部卒業後、時事通信政治部に配属。ワシントン特派員、外務省、首相官邸、自民党各記者クラブキャップを経て、政治部次長、ニューヨーク総局長、解説副委員長、編集局総務、時事Janet編集長。著書に『いまだに続く「敗戦国外交」』(草思社/2009年)、『小沢一郎はなぜTVで殴られたか』(文藝春秋/2000年)など。


 

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