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2012年10月20日(土)歳川 隆雄「ニュースの深層」 現代ビジネス
現下の最大の関心事は、衆院解散・総選挙の時期である。その鍵を握るのが、民主党の輿石東幹事長だ。いったい輿石氏とは何者なのか。先ずは同氏の政治キャリアをおさらいしてみよう。
1936年5月14日、山梨県韮山市生まれ。76歳。都留市立都留短期大学卒業と同時に、神奈川県小学校教員として採用されたのは58年4月。その後、63年に山梨県教員採用試験を受け直し、同年4月に上野原町立西原小学校を皮切りに、25年間に渡って小学校教員を務めた。そして84年4月に同県で初めて教職組合執行委員長(専従)に就任、86年11月には山梨県労働組合総連合会(連合)議長を兼任する。
政界転出は90年。日本教職組合(日教組)を支持基盤に第39回衆院選挙に社会党公認候補として同県全県区から出馬し、初当選。93年総選挙で再選を果たすも、小選挙区制度が導入された後の96年総選挙で落選。98年の第18回参院選では無所属で立候補・当選、後に第1期民主党(98年4月、鳩山由紀夫、菅直人両元首相が創党)に入党し、横路孝弘衆院議長率いる旧社会党グループに所属。
その後、03年9月に小沢一郎・自由党との「民由合流」で誕生した第2期民主党(現在の民主党)では参院幹事長、参院議員会長を歴任した。09年9月に発足した鳩山民主党政権下では小沢幹事長の引き合いで幹事長職務代行を兼務、この頃から小沢、菅、鳩山氏の「トロイカ」に次ぐ実力者と見られるようになった。
そして11年8月に代表に選出され、第95代首相に就任した野田佳彦氏によって幹事長(参院議員会長兼務)に指名された。与党幹事長に参院議員が起用されたのは、自民党1党支配の55年体制時代を含めて初めてのことだ。
■輿石氏を上機嫌にした野田氏との会談
では、なぜ「今日を乗り切ればいい。明日のことは明日考えればいい」が身上とされる輿石氏が、首相専権事項である衆院解散の時期についてのキーマンなのか。その謎解きから始めたい。
10月14日のNHK「日曜討論」に出演した同氏は、異様と言えるほど終始上機嫌だった。事実、番組の中で予想外の「(それまで反対していた)臨時国会召集は今月末でいい」「(自民党が求める衆院小選挙区の)0増5減の先行実施を考慮していい」と発言、周囲を驚かせた。
それだけではない。本番前の局内控室や、終了後に乗ったエレベーター内でアテンドした番記者に対し軽口を叩いていたというのである。普段、ぶっきら棒な輿石氏は「てめぇーらに話すことなぞ何もない」「おめぇーらの知ったことか」を連発、その無愛想ぶりは有名である。
何が輿石氏を上機嫌にしたのか。NHK出演の前日午後、首相公邸で野田首相と差しで45分間会談している。各紙の政治記者がどんなに探っても、1週間たった今なお両氏が話し合った内容は分からない。
もちろん、29日召集が決まった臨時国会への対応、今後の政権運営、そして焦点の衆院解散の時期について話し合ったのは間違いない。が、具体的な中身が漏れ伝わってこないのだ。しかし、野田氏との会談が輿石氏を上機嫌にしたことだけは確かである。
■国家の行く末とは無縁の「カネ」と「パワー」
いま首相周りでは、岡田克也副総理をはじめ、前原誠司国家戦略・経済財政担当相、玄葉光一郎外相、そして安住淳幹事長代行が野田首相に「年内解散」を進言している。次期衆院選で民主党大敗は不可避であり、解散を年明けに先送りしても、野田氏は「近いうちに国民の信を問う」と約束しているので「嘘吐き総理」と批判され、内閣支持率・民主党支持率がさらに下落すると判断しているからだ。
だが輿石氏は、13年度予算成立後の来春の解散・総選挙が持論である。では、野田氏はその主張を受け入れたから、輿石氏が上機嫌なのか。
どうやら、それも違うようだ。というよりも、「11月下旬解散・12月中旬総選挙」の可能性が高くなってきている。「12月3日(大安)衆院選告示・16日(友引)投開票」が有力視されるところまで来ているのだ。では、いったいなぜ上機嫌なのか。筆者の推測であるが、それはやはり衆院選と関係がある。「カネ」と「パワー」である。
総務省は先月末、11年度分の政党交付金使途報告書を発表した。税金から助成される民主党基金の残高は、何と約120億円もあるのだ。因みに、自民党は約28億円、公明党が約10億円である。民主党は断トツの金持ち政党なのだ。総選挙を仕切るのは幹事長である。輿石氏がカネの差配を行なうのだ。
一方の「パワー」とは、野田首相が@「11月下旬解散・12月中旬総選挙」A「1月下旬解散・2月中旬総選挙」B「4月解散・総選挙」C「7月衆参ダブル選挙」のうちのどれを選択するにせよ、政権与党幹事長として輿石氏がその判断に大きな影響力を行使するということだ。つまり、党内求心力=パワーが今以上に強くなるということである。
09年9月に政権交代を実現した民主党は、国家の行く末とは無縁としか思えない輿石東氏にその運命を委ねているのだ。
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