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PC遠隔操作 問題は「誤認逮捕」ではない 「供述調書デッチ上げ」だ
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2012/10/19 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
警察庁長官の謝罪だけじゃ済まない
遅すぎたぐらいだ。遠隔操作ウイルスによる犯罪予告事件で、警察庁の片桐裕長官はきのう(18日)、警視庁や神奈川県警などに逮捕された4人の誤認逮捕を認め、謝罪する方針を明らかにした。片桐長官は会見で、「真犯人でない方を逮捕した可能性は高いと考えている」と言っていたが、頭を下げれば済む話じゃない。
「一連の事件では、大阪市のサイトに大量殺人予告を書き込んだとして、アニメ演出家の北村真咲さん(43)が8月に大阪府警に逮捕されました。北村さんは一貫して犯行を否認したのに、大阪地検は偽計業務妨害罪で起訴。その後、パソコンのウイルス感染が分かり釈放されたが、北村さんは、検事から『犯行を認めれば罪が軽くなる、と言われた』と明かしています。誤認逮捕だけでなく、違法な取り調べもあったのです」(司法ジャーナリスト)
横浜市のホームページに「小学校を襲撃する」と書き込んだとして、7月に神奈川県警に威力業務妨害容疑で逮捕され、保護観察処分になった明治大生(19)も検事が調書をデッチ上げた可能性が濃厚だ。逮捕時は否認していたのに、送検後に突然、「楽しそうな小学生を見て困らせてやろうと思った」と涙ながらに供述したというのだ。全く身に覚えがないのに、なぜ、こんな供述調書が出来上がるのか。一部報道では、この学生は「元大学生」と報じられている。誤認逮捕、違法な取り調べで退学処分になったのか。明治大に問い合わせると、神奈川県警の対応にこれまたビックリ仰天だ。
「逮捕報道直後、大学としても事実関係を確認するために保土ケ谷署に出向いたのですが、『未成年だから』との理由で何ら説明がありませんでした。その後も再三、問い合わせしているのですが、『捜査中』と言うばかり。今も本学の学生であるかの確認すら取れていないのです」(広報担当)
ロクな捜査もせずに未成年を逮捕し、誤認と分かっても大学側にマトモな説明をしない。神奈川県警は不祥事ばかり起こす三流警察だが、人の人生を一体何だと思っているのか。一連の事件の「真犯人」を名乗る人物からメールが届いた元検事の落合洋司弁護士はこう言う。
「遠隔ウイルス自体は以前からあり、昨日、今日に開発されたわけではありません。今回、捜査機関はきちんとウイルス感染の可能性を確認するべきだったのに怠った。昔ながらのサイバー犯罪捜査の感覚で、IPアドレスとタイムスタンプ(発信日時など)を調べ、パソコンを特定すればいい、と思っていたのでしょう。この手の犯罪は(被疑者は)犯行をすぐに認めるのがふつう。否認されれば、おかしいと思わなくてはいけない。それなのに虚偽自白に見える供述を取っているのは問題です」
この国の捜査当局に任せていたら、冤罪(えんざい)は決してなくならない。
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