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2012.10.19 ZAKZAK
新党「国民の生活が第一(生活)」の小沢一郎代表(70)が、古巣への対決姿勢を強めている。かつての盟友・民主党の輿石東幹事長(76)から連携を模索するラブコールを受けながら、一蹴したのだ。気になる「日本維新の会(維新)」の橋下徹代表(43)との距離。次期衆院選を見据えて、剛腕政治家はどう闘うのか。
「『生活』は期限を切って、10年後の脱原発を主張している」
小沢氏は17日午後(日本時間同日夜)、ドイツのアルトマイアー環境相とベルリンで会談し、こう語った。野田佳彦政権が「2030年代の原発ゼロ」方針を掲げるなか、さらに踏み込んだ「10年後の原発ゼロ」を公約に掲げるという。
訪独直前の記者会見(15日)では、小沢氏は「今の野田内閣を信任することはあり得ない」と語り、内閣不信任案に賛成する考えを示した。輿石氏が、鳩山由紀夫元首相を通じて「国会でもう一度、野党でなく一緒にやれないか」と呼びかけたことを拒絶する発言で、注目を集めた。
小沢氏の「美人側近」として知られる生活の岡本英子衆院議員は「(輿石氏は)何を訳が分からないことを言うのか、という感想です。小沢代表も『あり得るわけがない』と話していた」といい、続けた。
「私たちは、国民との約束を平気で破る野田首相に付いていけず新党を作った結果、除籍(=除名)されました。消費税増税、原発再稼働、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)にも反対している。私を含め、選挙区に民主党に刺客を立てられた仲間もいます。それなのに自分たちが苦しくなると助け舟を期待するなんて…。民主党を情けなく思います」
確かに、衆院の与党過半数割れまで「マジック9」となり、民主党は「何でもあり」だ。あの鳩山氏を外交担当の最高顧問に復帰させたうえ、竹島の領有権放棄を訴える共同宣言に署名した無所属の土肥隆一衆院議員まで会派復帰させた。
自民党や公明党は、臨時国会での内閣不信任案提出を模索しているが、生活は政党支持率が低迷しているため、永田町では「早期解散を恐れて、不信任が出れば欠席して否決に協力するのでは」という見方もあった。
これに対し、岡本氏は「まったく逆です。『常在戦場』が口癖の小沢代表は、民主党離党予備軍の動きを計算し、自ら不信任案を出して可決させる道も考えていると思う。私自身、民主党時代より、(生活の方が)ずっとやりやすい。民主党が『脱原発』などで生活に政策を近づけているので、争点が明確な今のうちがいい」と話した。
民主、自民、公明3党に対抗する「第3極」は、維新の橋下氏を中心に動いている。小沢氏は「統治機構改革」を旗印に、中小政党が結集する「オリーブの木」構想を描く。ただ、橋下氏以外の維新幹部の「小沢嫌い」は有名だ。果たして、うまくいくのか。
岡本氏は「小沢代表は、選挙区で第3極が争えば共倒れになるため、『(オリーブの木は)当たり前のことだ』と言っています。第3極で大きな議席を獲得し、政界再編を起こすのが理想形です」と語っている。
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