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2012年10月19日 世相を斬る あいば達也
昨日の拙コラム「“ナベツネの憂鬱”民自公連立よりもむしろ「自公+小沢」の線の方が視界良好と云う事実」の反響が大きかった。勿論、異論賛同の反響である(笑)。筆者は言い訳をするつもりはないのだが、もう少し解説は加えるべきだったかもしれないと反省している。マスメディアが作り上げている政治家への印象とか、政策が一点たりとも違わぬ政治的目標や政策を掲げている政党同士などと云うものは存在しない事を、現実的に捉えている。自民と公明でも相当異なるし、村山内閣の“自社さきがけ連立政権”などは右左中が徒党を組んだわけで、一点違わぬ連立・連携などありはしないのである。
それでは、幾つかある当面の政治懸案事項を小沢、安倍の主張を参考に検証してみよう。経済政策では安倍は市場原理基調のあげ潮派だが、日本の伝統文化を温存する方に重きがあるので、何もかも自由に競争と云う立場は取れない。小沢は自由貿易・自由競争は大切だが、セーフティーネットもしっかり用意すべきだと言っている。それ程かけ離れた認識ではない。両者ともに産業構造の転換は必須と見ている。安倍は必ずしも経団連べったりではない。
安倍は原発を含むエネルギー政策に関し、無原則に「原発ゼロ」は駄目だと言っているが、「脱原発依存」を掲げている。ただ、原発に代わる新エネルギーの確保が前提だと表現している。小沢の方は、もう一歩先んじ、10年間で無くそうと努力すれば、脱原発はなしうるとしている。根源的な違いはない。慎重に進めようと云う安倍と、積極的に取り組もうと云う小沢なだけである。
消費税増税においても、安倍はデフレ経済の脱却もないのに、8%だ10%と云う増税は無理であり、経済の好転が大前提であると言っている。つまり、安易な消費増税に慎重である。また、食料品など生活必需品の税率を低くする「軽減税率」にも言及している。小沢は勿論、増税に前にやるべき事がある。やるべきことは、中央集権から地方主権である。この中央集権打破、地方主権は安倍も共通の認識を持っている。故に安倍は一時期、奇妙なアンチャン大阪市長と意気投合したのだ(笑)。
通商政策の懸案事項であるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加も共に慎重な態度だ。安倍は、日本伝統文化の尊重、国民皆保険など堅持を主張、「聖域なき関税撤廃」などあり得ないと言っている。小沢も似たようなものだろうが、交渉がチャンと出来るなら交渉くらいしても良いと言っている。実際は、米国とまともに交渉できるのは俺くらいだと暗に語っている(笑)。つまり、根本理念で米国が押しつけてくるTPPは日本の国益に資さないと認識している。
以上、簡単に検証したのだが、意外や意外、菅や野田が率いる現在の民主党よりも、遥かに親和性が認められる。それでは、筆者が新党「国民の生活が第一」が安倍自民と連携して政権与党になって欲しいとは言っていない。ただ、菅や野田のような、既得権に阿り、霞が関の掌で政権を弄ぶ輩に比べれば、安倍晋三の方が、遥かにまっとうであり、小沢との親和性はあると言ったまでのことである。小沢支持者の中には、小沢が率いる政党「生活」が主義主張する事は、コレッポッチも譲れないような教条性を有している点がウンザリなだけである。権力を握らなければ、主義主張の一片たりとも実現しないわけで、ピュアな論理を押し通せるほど、軟な世界ではない。
全世界を見ても、あり得ない組み合わせで、モラトリアムな蜜月期間を経過させているのがグローバル世界の現実である。小沢支持者中には、野田よりは安倍の方がマシと思っている人も少なからず存在するが、教条派の声はデカイ。ただ、この教条性は小沢の政治行動の手枷足枷になる事もある。嘗て、小沢一郎に心酔し、その下を去って行った政治家たちにも、似たような事情があるようだ。勿論、筆者は小沢支持である。ただ、その主張の一部が、政治権力闘争の過程で、一時棚上げされても、怒る事はないと云うことだ。熱く燃える支持も必要だが、醒めた立場でも支持する者が居ても良い。
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