04. 2012年10月19日 10:49:10
: esmsVHFkrM
>>01日高見連邦共和国さま、日ごろの言動を拝見して尊敬しています。しかし、お言葉ですが憲法についてのご意見には賛同できません。 基本的人権について現行憲法はこれ以上ありえないほど十分かつ完全に規定しています。これは戦前の日本がその明治憲法に人権規定がなく警察、検察、裁判所の暴力を許してきたことへの反省から、その具体的な人権侵害の手口をふまえそれらを個々に禁止して基本的人権の保障を図っているためです。 現行憲法の規定を実際に読むのが手っ取り早いでしょう。以下に現行憲法の基本的人権関連規定を引用します。 第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。 第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。 第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 ○2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 ○3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。 第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。 ○2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。 ○3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。 ○4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。 第十六条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 第十七条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。 第十八条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。 第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。 第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。 ○2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。 ○3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。 第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 ○2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。 第二十二条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。 ○2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。 第二十三条 学問の自由は、これを保障する。 第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 ○2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 ○2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。 第二十六条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。 ○2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。 第二十七条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。 ○2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。 ○3 児童は、これを酷使してはならない。 第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。 第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。 ○2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。 ○3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。 第三十条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。 第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。 第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。 第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。 第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。 第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。 ○2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。 第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。 第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。 ○2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。 ○3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。 第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 ○2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。 ○3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。 第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。 第四十条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。 以上です。 今回のケースに関連して言えば特に第三十八条にご注目ください。以下のとおりです。 第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。 ○2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。 ○3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。 そうです。現行憲法がその字義通り実現されているならば、日本人は「自己に不利益な供述を強要されない」し、「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白」があってもそれは裁判所に証拠採用されないし、「自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には」裁判所に有罪とされないのです。 これを担保するために現行憲法はさらに第三十六条で以下のように明示的に公務員による拷問の禁止を定めています。 第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。 さらに現行憲法は、憲法の基本的人権規定が公務員によって十全に遵守されるよう以下のように定めています。 第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。 第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 ○2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。 第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。 いかがでしょうか。基本的人権規定としてこれ以上の憲法がありえるでしょうか。基本的人権保障を担保するこれ以上の条文がありえるのでしょうか。 これでも日本において基本的人権が公務員によって侵害されるのであれば(実際そうなってしまっているわけですが)もはやどんな憲法典を定めようが無駄なことです。 日本における公務員(特に司法官僚)による人権侵害は、現行憲法の規定が不十分だったり不完全だったりするから起こっているのではなく、このような優れた権利規定にもかかわらず一切それを無視して人権侵害と憲法違反を行って恥じないそのような公務員の国家主義思想の故であり、そのような思想の人間が司法や行政や政治の地位と権力に就くことを許してしまっている日本の民主主義政治のあり方のせいです。 いまだに核燃料がどこにあるかもわからないメルトダウンした原子炉を3機も抱えもう1機は燃料プールが崩壊寸前であるにもかかわらず、「原発事故は収束した」と平気で公式宣言するような日本の官僚利権政府は、現行憲法だって平気で無視し踏みにじってそれでも「憲法を守っています」とのうのうと言ってのけるのです。 だから、大事なのは憲法を改正することではなく公務員にちゃんと憲法を守らせることです。今いる公務員に守らせることができないのであれが全部入れ替えればいいのです。憲法を公務員にちゃんと守らすことさえできれば、このような長期拘留と拷問による強制された自白もありえないし裁判所によるそのような強制された自白の証拠採用もありえず冤罪もありえないのです。現行憲法はそういう憲法なのです。 だからこそ憲法を平気で無視しその規定に違反して恥じない連中こそが憲法改正を強く主張している事実にご注目ください。連中は現行憲法下で憲法違反を強行するよりは憲法違反を強行する必要のない明治憲法のような憲法がほしいのです。それが彼らの言うところの「自主憲法」です。 なるほど戦前明治憲法下で好き勝手を行い国民の基本的人権など歯牙にもかけなかった天皇制官僚どもとそれを支持した保守右翼国家主義者にとっては現行憲法が「押し付け憲法」であることは確かです。しかし、それは普通の日本人にとっては違います。普通の日本人にとって現行憲法は戦争と大量の死者という代償を払ってやっと獲得した民主主義そのものです。戦前散々踏みにじられた普通の日本人の基本的人権を保障するそんな民衆の権利法典です。これを失うわけには行きません。 現行憲法は、日本を再び国家主義ファシズムに戻そうとし日本人の基本的人権を無視侵害して恥じない官僚利権政府とその走狗である右翼保守主義者に対する政治的武器なのです。これが武器として機能していないのであればそれは憲法規定の問題ではなくせっかくの規定を武器として使えない私たちの政治的非力の問題です。 今だって官僚利権政府とその走狗である右翼保守主義者に対する政治的な戦いは困難です。それなのに、その敵が望んでいる憲法改正を許して現行憲法を失ったらどうやって彼らに政治的に勝って行こうというのでしょうか。現行憲法こそがわれわれの最後の砦なのです。 現行憲法は優れた憲法です。それゆえにちっとも難しくありません。読んだとおりそのままです。それを理解するのに法学者を必要としません。難しい解釈を言い立てる法学者がいたらそれはそのような平易な憲法規定をそのまま適用させないように工作している官僚政府の法匪です。 もう一度私が引用した現行憲法規定をお読みください。そうすれば簡単にわかるはずです。それが民主主義憲法典の力です。 というわけです。 以上の愚見を日高見連邦共和国さんのご高覧に供します。
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