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2012年10月18日 天木直人のブログ
突如として最高裁が参院も違憲状態であるという判決を下した。
これがきょう10月18日の各紙の一面トップを飾り、各紙とも
これで選挙制度の抜本的見直しは必至であるなどと書いている。
最高裁の判決は一般論としては正しいに違いない。
地域によって一票の格差があるのは不平等であり、それを是正する
事を政治家だけに任せていてはいつまでたっても直らない。
最高裁判決が政治に是正を求めることは一般論としては歓迎さる
べきである。
しかし最高裁はこれまで一貫して違憲判決には消極的だった。違憲
であるという意見を唱える判事は常に少数派だった。
それがなぜここに来て突然の違憲状態判決なのか。
その真意はもちろんわからない。
しかしこの判決ではっきりしたことがある。それはこれで来年夏の
衆参同日選挙が限りなく現実みを帯びたことだ。
労組嫌いの安倍晋三が自民党総裁となったことで輿石幹事長は窮地
に追い込まれていた。
今度ばかりは解散・総選挙に追い込まれそうになりつつあった。
選挙になれば大敗し、民主党は政権政党からの滑り落ちるどころか
その存続さえも疑わしい危機にあった。
そこに降ってわいた最高裁の違憲状態判決だ。
私には輿石幹事長の高笑いが聞こえる・・・
◇
22年参院選、「一票の格差」5倍 違憲状態 最高裁「著しい不平等」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121018/trl12101807010002-n1.htm
平成22年7月の参院選で最大5倍の「一票の格差」が生じたのは憲法違反として、2つの弁護士グループが選挙無効を求めた計17訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は17日、「著しい不平等状態に至っていた」として、選挙は「違憲状態」だったと判断した。その上で「都道府県単位で選挙区の定数を設定する現行の方式を改めるなどの立法的措置を講じ、できるだけ速やかに不平等状態を解消する必要がある」と選挙制度の抜本改正を求めた。選挙無効の請求は退けた。
◇
最高裁が参院選について違憲状態と判断するのは、8年の大法廷判決以来。衆院選についても昨年、違憲状態だったと判断しており、衆参両院がともに「憲法違反の状態」と指摘される異例の事態となった。
判決は「参院は衆院とともに国権の最高機関として適切に民意を国政に反映する責務を負っている」と指摘。都市部への人口集中で人口格差が拡大する中で「都道府県単位の選挙区を維持しながら投票価値の平等の実現を図ることはもはや著しく困難な状況」とする一方、「憲法違反とはいえない」と結論づけた。
15人の裁判官のうち11人の多数意見。田原睦夫、須藤正彦、大橋正春裁判官(いずれも弁護士出身)は違憲の個別意見をつけたほか、竹内行夫裁判官(外交官出身)は違憲状態としつつも「都道府県以上に意味のある選挙区単位を見いだすことは容易ではない」とする意見をつけた。
17訴訟の高裁判決は合憲4件(うち1件は2訴訟を同時に言い渡し)、違憲状態9件、違憲3件で、判断が分かれていた。うち1件は、竹崎長官の実兄が被告である香川県選管の委員長だったため、竹崎長官は審理に加わらず、田原裁判官が裁判長を務めた。
◇
【用語解説】「違憲」と「違憲状態」
一票の格差訴訟で、過去の最高裁判例は、(1)格差の幅(2)是正できうる期間の長さ−の2段階を判断基準としている。最大格差の数字に着目し、著しく不平等とみなされた場合は「違憲状態」と判断。さらに、その状態が相当期間続いているとみなされた場合、「違憲」と判断される。参院では過去に違憲判決が出た例はない。違憲判決でも「選挙無効」が言い渡されない限り、ただちに国会議員は失職しないが、「違憲状態」に比べ、国会に対してより早急な格差是正を求めたことになる。
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