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2012-10-17 陽光堂主人の読書日記
消費税増税法案で造反し、党員資格停止3カ月の処分を受けた鳩山元総理が、処分明けと共に党の最高顧問(外交担当)に復帰しました。泥舟民主党と運命を共にする覚悟のようで、この人の政治生命もこれで終わったも同然です。
朝日新聞は、昨日付でこう報じています。(http://www.asahi.com/politics/update/1016/TKY201210160486.html)
鳩山元首相、民主最高顧問に復帰 外交を担当
民主党は16日の常任幹事会で、消費増税法案に反対して党員資格停止3カ月の処分を受けた鳩山由紀夫元首相の最高顧問復帰を承認した。輿石東幹事長は鳩山氏に電話で「野田佳彦首相と相談した。最高顧問として外交を担当してほしい」と要請。鳩山氏も受け入れる意向だ。
鳩山氏は6月、増税法案の採決で反対することを理由に最高顧問(外交担当)を辞任。今月9日に処分が解けたことから、輿石氏が復帰を打診していた。鳩山氏は「竹島や尖閣、イランなど外交で取り組みたいことはたくさんある。国益に資する活動がしたい」として、「外交担当」とすることを求めていた。
最高顧問は、党大会や両院議員総会に次ぐ意思決定機関である常任幹事会の構成メンバー。政権批判を繰り返す鳩山氏を表舞台に戻して取り込む狙いだが、逆に発信を強めれば新たな火種が生まれる可能性もある。
政権批判を繰り返す鳩山氏を最高顧問として復帰させたのは、衆院での与党単独過半数割れまで「マジック5」となっているからです。ここで鳩山氏を処遇せず、グループごと離党されたら、その時点で野田政権は瓦解し、民主党は政権の座から滑り落ちます。外交で問題を起こすことは判り切っていますが、権力亡者の民主党執行部は自分たちの地位保全を最優先したのです。
鳩山氏は本来なら、党員資格停止の処分を受けた際に離党すべきでした。鳩山氏は民主党のオーナーですから、本当は増税推進派の連中が離党すべきですが、多勢に無勢で党を乗っ取られてしまいましたから、国民新党の亀井静香氏らと同様、党を出て政治家としての信念を貫くべきでした。
ところが党員資格停止3カ月という他の造反議員より重い処分を受けたのに、甘んじてそれを受け入れました。この時点で既に求心力は失われていますが、今回また要職に復帰したことで次の目はなくなってしまいました。真に情けない。
鳩山氏は、次の総選挙では落選確実だと言われています。売国勢力に裏切られたとは言え、国民の付託に応えることができず、その後の菅・野田政権という史上最悪の内閣の存続に力を貸してしまったのですから、当然の報いです。再起を期するなら今回が最後のチャンスでしたが、これも潰えてしまいました。
2009年の政権交代当初、鳩山政権は非常に輝いていましたが、既得権益層の集中攻撃を受けて9カ月で瓦解しました。ここまで漕ぎ着けたのは小沢一郎氏の力によるもので、小沢氏なき鳩山氏は単なる理想主義のボンボンでしかありません。それが今回の一件でより明らかとなりました。
米国の完全なるポチである野田政権は、1分1秒たりとも存続させてはなりません。そのデタラメ・売国振りは目に余るもので、1秒ごとに国益が損なわれています。菅政権と野田政権には功績など皆無で、マイナスの結果しかもたらしていません。
どんなに引き延ばしても、野田政権は来年の夏までしか持ちませんが、この最悪の政権の存続手を貸すことは犯罪同然の反国民的行為です。それが解っていないのなら政治家としても人間としても失格です。
鳩山氏は独自外交を企てて野田政権と軋轢を生じさせるでしょうが、これは確実に国益を損ないます。悪しき政権とは言え、現内閣は日本を代表していますから、二元外交は相手に付け入る隙を与えることになるからです。離党しないなら、引退すべきでした。
小沢氏は現在、森ゆうこ氏らを連れて脱原発に取り組むドイツへ視察に行っています。小沢氏に批判的な人たちは、これをパフォーマンスと見ていますが、単なるパフォーマンスでは国民を欺けないことぐらい、小沢氏はよく知っています。実現可能かどうかは別として、「国民の生活が第一」の脱原発は本気だと思います。
小沢氏はこれまで、その時々で政治的なスタンスを変えてきましたし、ジェイ・ロックフェラーとの繋がりもよく知られています。しかし、政治の世界は権謀術数が渦巻いており、「宗主国」たる米国は突出した武力を持つ暴力国家ですから、単純に自主独立の旗を振っていたら即座に潰されてしまいます。その時の状況に相応しい政策を掲げているかどうかが重要です。(もちろん、変わらぬ信念も大事ですが)
この小沢氏の動きと鳩山氏の身の処し方は対照的で、人間の器の違いが現れています。「国民の生活が第一」を軸として政界再編がなされるとよいのですが、それまでにこの国が持つかどうかです。世界経済は加速度的に崩壊しており、無為無策な野田政権では到底乗り切れません。
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