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2012年10月14日 藤本 順一 news-log
野田改造内閣が発足して10日も経つのに臨時国会の召集日が決まらない。周知のとおり、赤字国債の発行を可能にする特例公債法案の成立は、臨時国会の最優先課題である。万が一にも成立が遅れ、予算の執行が滞るようことになれば、政府与党の責任は重大だ。
ところが、民主党の輿石東幹事長は9日の記者会見で「いつ開くかは私が決める話ではない」と述べてまるで意に介さず。11日には民主、自民両党の新執行部が初めて顔を合わせるが、野田佳彦首相は自民、公明両党が求める年内解散に応じるつもりはなく、両者睨み合ったままだ。
民主党は「国民に不便をかける」(安住淳幹事長代行)として政党交付金の申請を見送るそうだが、そんな批判逃れのパフォーマンスが通用するはずがない。
しかも野田首相は10日、民主党の安住淳幹事長代行、細野豪志政調会長らを首相官邸に呼び入れ、次期衆院選のマニフェスト作成を指示している。
年内解散に向けた自民、公明両党に対するメッセージにも取れなくはないが、細野政調会長は会談後、記者団を前に「(政権交代)約3年間の反省を踏まえ、議員だけで議論して決めるのではなく、国民の声を聞く事も大事だ」と述べている。
何の事はないマニフェスト作成に時間をかけて、解散先送りの言い訳にするつもりなのだ。
今さら選挙用にマニフェストを作成してもどうなるものではなかろう。過去3年間、民主党が掲げたマニフェストで国民の生活はズタズタにされてしまったではないか。
解散権は首相の専権だが、先に消費税の引き上げを引き換えにしてこれを売り渡したのは野田首相である。
「12月9日投票は譲れない」(山口那津男公明党代表)とまでは言わないが、局面打開のため、野田首相には「近いうち」以上の言質を求めたい。
民主党選対が行った直近の選挙情勢分析は、年内解散総選挙の場合、同党の獲得議席を80台前半と弾き出している。
落選の恐怖に戦き、これ以上、国民有権者を愚弄するようでは生活を犠牲にするよでは選挙結果はさらに厳しいものになろう。政治家は負けっぷりも大切だ。
【東京スポーツ「永田町ワイドショー」(10月10日入稿原稿)より】
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