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復興予算 バラマキ色濃く 河川整備7割被災地外 (東京新聞)
2012年10月14日 07時02分
■執行477億円 岩手、福島はゼロ
東日本大震災の復興予算が被災地の再建と無関係な事業に使われている問題で、本年度の河川整備費の七割が被災地外に投じられたことが分かった。事業は北海道から九州まで全国で行われている一方で、岩手、福島両県はゼロ。復興に名を借りたバラマキ型公共事業復活の構図が、色濃く浮かぶ。「減災」が目的に加えられた消費税増税も、同じ道をたどると懸念する識者もいる。 (森本智之)
■消費増税も流用懸念
国土交通省によると、復興予算が充てられた本年度の河川事業費は、復興庁からの計上分も含め四百七十七億円。このうち被災地で使われるのは青森、宮城、茨城、千葉各県分の計百三十七億円。全体の七割に当たる残り三百四十億円は、徳島県の那賀川、熊本県の緑川、新潟県の信濃川など、その他の地域に支出された。
こうした事業費は、政府の復興基本方針で規定された「全国防災事業」として計上された。国交省河川計画課は「主に東海・東南海・南海地震の被害想定地域で堤防のかさ上げや耐震化を行った」と説明するが、実際には日本海側など関係のない地域でも「対策の緊急性が高いと判断した」(同課)という理由で予算が付けられた。予算がゼロだった岩手、福島両県は「他の交付金などで河川整備は滞りなく行われている」という。
復興増税などで捻出される復興予算が被災地外で使われることへの批判の高まりを受け、政府は今後見直しに着手する方針。ただ、東日本大震災復興構想会議の専門委員も務めた五十嵐敬喜・法政大教授は「消費税引き上げ分も公共事業ばらまきに流用される恐れがある」と指摘する。
今夏成立した消費税増税法では、付則一八条二項で「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に重点配分する」と規定している。これは「社会保障の財源確保」と、政府が法律の当初案で説明してきた増税理由にはなく、民主、自民、公明の三党合意後に加わった。五十嵐教授は「国民への説明に反する重要な項目を、法律の付則にまぎれこませた」として、今後注視が必要とする。
(東京新聞)http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012101490070239.html
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