http://www.asyura2.com/12/senkyo137/msg/143.html
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30年前に行われた対談が示す現在に対しての洞察は、日本が世界に誇る小室直樹博士と藤原肇博士の二人の政治と社会の問題の泰斗が、英知を傾けて論じ合っただけのことがあって、まさに驚くべき鋭さで現在日本の破綻を読み抜いている。
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-1682.html#more
これだけ卓越した洞察の威力は素晴らしいものであり、特に政治における共和思想への理解の欠如が、亡国日本に導いた政治的な原因だという観点は、亡国に直面している現在の日本において、何をしなければならないかを考える鍵を提供している。今は亡き小室博士の該博な社会科学における見識と、文明を自然科学の症候と捉える藤原博士の認識は、政体や国体を超えた次元で把えており、これこそが政治や社会を考える基本である。なぜ日本には歪んだ名前の政党ばかり蔓延り、リパブリカンの思想が定着しないのだろうか。これが現在の日本の混迷の原因だと、以下の議論は教えているのである。
<貼り付け>
藤原 それは個人主義のベースを作ることだし、日本人の政治感覚の中にリパブリカンの思想を導入することです。これはある意味でモナルキーに対してのアンチテーゼに相当するので、現在の日本ではとてもじゃないけど認められないのじゃありませんか。下手にリパブリックなどと口にしようものなら、畳に出刃包丁をつきつける物騒な連中が日本にはまだ多いから....。
小室 リパブリックというと、日本人はすぐに共和国と訳したかるけれど、これがそもそも大間違いです。共和ということばは絶対君主としての王様の存在形式ではなく、リパブリックは王様がいるいないに関係がないのです。たとえば、ナポレオンが皇帝になるときに、「皇帝は共和国とその人民のために全力を尽くす」という宣誓をしている。日本語の感覚からすると、皇帝がいたら共和国ではないということになります。もともと、日本語の共和ということばは中国に起源があって、周の時代の皇帝がいないときに、いく人かの貴族と官僚が政治をやった例が強烈なイメージになって残っている。だから、共和国というと王様がいないという意味になってしまいかねないが、英語やフランス語のリパブリックというのはコモンウェルスの意味で、王様や皇帝の存在は無関係であり、共和国に王様がいても少しも差しつかえないのです。
藤原 これまで誰も厳密な意味でこういった議論をしないまま、リパブリックは天皇制を否定する反逆思想に連なるということで、一種のタブー扱いをしてきましたね。それゆえに、日本では幕末期に榎本武揚が五稜郭に立てこもって、蝦夷共和国を宣言したという歴史的な事実でさえ、文部省は懸命になって抹殺しようとしてきたのです。
小室 物事の本質を理解する能力を持ち合わせず、英和辞典を引くだけで横のものを縦に翻訳しようと考える程度の手合が、小役人として文部省で権力風を吹かせる国だから、こんなごく当り前のことさえ何十年も誤解され続けたのです。それくらいのことは、歴史の本を読めば常識以前の事柄で、共和国には貴族政と民主政の二つの政体が含まれているくらいは、日本以外の国では中学生でも知っています。
藤原 それに、行政の形式のいかんにかかわらず、法によって治められる国家を共和国と呼んだルソーの発想にしたがえば、合法的な政府を持つ国はすべて共和国です。現に彼は、君主政体そのものも共和的になる、と書いているし、マキャベルリの『君主論』こそ最も先鋭的な共和思想の教科書だという意味で、日本ほどリパブリックということばが間違った形で理解されている国は他に例がないですね。
<貼り付け終わり>
http://iiyama16.blog.fc2.com/blog-entry-1682.html#more
という再掲載で絶版で入手困難な本の一部が読め、その一端に接することだけでも幸運だが、現在の日本の言論人を見渡した時に、これだけ問題の本質に迫る見識を持つ人が、日本に不在だということが情けなく思われる。碩学の小室直樹博士は二年前に亡くなり、日本は最も優れた頭脳を失ったのだった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E5%AE%A4%E7%9B%B4%E6%A8%B9
だが、小室博士は最高の本として「危機の構造」を遺したが、この本は洛陽の市価を高めた名著であり、文庫本の古本でも3000円近くしている。
http://www.amazon.co.jp/%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E2%80%95%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%B4%A9%E5%A3%8A%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B0%8F%E5%AE%A4-%E7%9B%B4%E6%A8%B9/dp/4122017866/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1349926739&sr=1-1
一方の藤原博士は30年以上もアメリカに住み、世界の側から日本を観察して報告して、中曽根内閣がホモ政治だと論じたことで、30年前にはその名がよく知られていた。それを論じた「平成幕末のダイアグノシス」という本は絶版だが、最近の政経塾内閣が同じ体質なので、アマゾンの古書で二万円の値がついており、その点では小室博士の本と同じである。最近では野田内閣のホモ政治を論じた対談で、大いに注目を浴びたことが理由だが、本の入手が難しいので追及する人がおらず、辞職するはずの野田内閣は生き延びている。
http://quasimoto.exblog.jp/17771360/
小室博士には格好の二人の対談相手がいて、一人は保守派の評論の山本七平氏であり、もう一人は在外で革新派の藤原肇博士だが、ペンダサンこと山本氏は亡くなって久しく、生存しているのは藤原博士しかいなくなったし、日本の言論界は衰退の極みに達している。だから売国政治の蔓延の中で亡国が進み、日本は近隣諸国から侮蔑され馬鹿にされ、放射能に包まれ国民の財産を米国に奪われ手、奴隷的な存在に成り果てようとしている。その原因を作ったのは米国に操られた自民党政権だから、米国に住む藤原博士はその仕掛けを暴露し、「さらば暴政」という本を書いて告発したので、長年続いた自民党の一党支配は崩壊して、腰抜けだが民主党に政権が移ったのに、その中にトロイの馬が潜んでいたから、隠れ自民党タカ派の政経塾グループが、政治を乗っ取って民主党を内部崩壊させた。
日本中が最近の報道や新聞記事の周辺に群がり、昨日や今日のことを騒ぎ立てる情報に煽られて、右往左往してヒステリックに騒ぎ立てている。その典型が大阪の橋下や民主党の前原をめぐるメディアの扱い方であり、思想も政治理念も同胞を思いやる心もないまま、勝手な思い付きと権勢欲のためだけに、口先だけの軽薄な思い付きを口走っているが、その動機には身勝手な売国行為が見え隠れしていて、自分だけの利害関係しか眼目に入っていないのである。だがたとえ30年や50年の歳月が過ぎていて、一見すると古臭いような印象を与えるにしても、真に優れた洞察力と展望に支えられた冴えた見解に対しては、尊敬の念を抱いて参考にする必要がありそうであり、いまここで小室直樹博士の憂国の著書を心して読みなおすことから始めるべきであろう。
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