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「小沢さんと協力したい」と輿石東幹事長が、除籍した小沢一郎代表に協力を求めるとは、どんな神経なのか
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2012年10月12日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆このところ、鳴かず飛ばずの鳩山由紀夫元首相の動静が、新聞記事によって伝えられた。民主党の創業者であり、巨額の資金を提供した事実上のオーナーなのに、党員資格停止3か月処分、つまり、むかしで言えば、閉門蟄居に処せられていた。当然、9月21日の代表選挙のときも、「籠の鳥」否「籠の鳩」だった。貴重な1票さえ投じられなかった。
その3か月が過ぎて、晴れて娑婆に出てくることができたのは、大変目出度いのだが、早速、輿石東幹事長に会食に誘われて、暗に、小沢一郎代表との仲介を頼まれたらしい。もちろん、輿石東幹事長はいまでも、小沢一郎代表と連絡を密にしているので、自分でアプローチすれば済むとは言うものの、風前の灯である民主党の命運をめぐる「頼み事」となれば、それなりのきちんとした儀式が必要となる。それを鳩山由紀夫元首相に「泣きついた」ということだ。
それにしても、除籍処分して追放した相手に頼み事をして、「ハイわかりました」と受けてもらえると思っているのであろうか。民主党所属の衆院議員があと5人離党すれば、単独過半数割れする危機状況にある。ここに至ったのは、ひとえに、野田佳彦首相と輿石東幹事長のいわば自業自得というものだ。図々しい輿石東幹事長の無神経ぶりに、鳩山由紀夫元首相は、輿石東幹事長が自分に何を頼もうとしているのかが、理解できなかったのか、鳩が豆鉄砲を食らったかのように、キョトンしたまま、最高顧問への復帰を提示されて、「復帰するなら外交問題に取り組ませてほしい」とピント外れの要望を示したという。
この経緯を朝日新聞が10月11日付けの夕刊「2面」で以下のように報じている。
「民主党の輿石東幹事長は10日夜、東京都内で鳩山由紀夫元首相と会食し、国民の生活が第一の小沢一郎代表との関係について『協力を求めていきたい』と述べ、連携を模索する考えを示した。民主党の衆院勢力は単独過半数割れまであと5議席で、生活との連携で内閣不信任決議案が可決する事態を防ぐ狙いがある。会食は輿石氏が呼びかけ、平野博文前文部科学相が同席した。輿石氏は『これ以上の離党者を出さないよう力を合わせないといけない。衆院選は年明け以降にしたい』などと語り、小沢氏との連携に意欲を示したという。また、消費増税法案の採決で反対した鳩山氏の党員資格停止3ヵ月の処介が今月9日に解けたことから、輿石氏は鳩山氏に党最高顧問への復帰を要請。鳩山氏は『復帰するなら外交問題に取り組ませてほしい』として即答を避けた」
◆小沢一郎代表は目下、原発政策研究のためドイツ訪問(10月16日から21日)と帰国後の10月25日に開催する「国民の生活が第一党結党記念パーティ」の準備に大忙しである。いまさら民主党が存亡の危機にあるから助けてくれと言われても、知ったことではない。
それどころか、日本列島で「オリーブの木」を育てようと、植林作業で頭の中はいっぱいだ。北海道は、鈴木宗男代表の新党大地・真民主、東北〜関東は、小沢一郎代表の国民の生活が第一、関東は、渡辺喜美代表のみんなの党、中部は、河村たかし代表(名古屋市長)の減税日本、関西は、橋下徹代表(大阪市長)の日本維新の会、それに福島瑞穂代表の社民党、また共産党などとの「広域連合選挙」をプロデュースしている真っ最中でもある。打倒すべき対象である民主党を助けるための「協力」などは、とても考えられないことなのである。
読売新聞は10月11日付け朝刊「4面=政治面」で、「8野党連携強化一致」という見出しをつけて、次のようなベタ記事を掲載している。
「新党『国民の生活が第一』、みんな、共産、社民などの野党8党は10日、国会内で国会対策委員長会談を開き、秋の臨時国会に向けて連携を強化し、野田政権との対決姿勢を強める方針で一致した。自民、公明、たちあがれ日本の3党は会談に参加しなかった」
衆院の会派別所属議員数(平成24年10月9日現在)は、以下の通りである。
自由民主党・無所属の会 118
国民の生活が第一・きづな 47
公明党 21
日本共産党 9
社会民主党・市民連合 6
みんなの党 5
日本維新の会 5
改革無所属の会 4
減税日本・平安 4
国民新党 3
新党大地・真民主 3
たちあがれ日本 2
無所属 7
欠員 3
計 480
自由民主党・無所属の会、公明党、たちあがれ日本を合わせても、141である。野田佳彦内閣に不信任決議案を突き付けて可決成立させるには、100足りない。欠員3を除いて計算しても99足りない。野田佳彦首相は、政権延命に懸命なので、「話し合い解散」に応じる気配はない。そうすると、自由民主党・無所属の会、公明党、たちあがれ日本は、いかなる戦略戦術を立てて臨むのかが問われている。
ちなみに、鳩山由紀夫元首相(北海道9区)は、次期総選挙で「落選確実」と言われている。沈没していく民主党と運命をともにするのか、それとも、小沢一郎代表と合流して、活路を開いてくのか。いままさに決断が迫られている。
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