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維新の会、みんなの党の「連携」で復活する第三極が二大政党を瓦解させる可能性
http://diamond.jp/articles/-/26122
2012年10月11日 田中秀征 政権ウォッチ :ダイヤモンド・オンライン
合流をめぐる意見の違いから関係が冷めていたみんなの党と維新の会が、一転して接近し選挙協力の準備に取りかかった。
これは両党にとってはもちろんのこと、日本の政治にとっても実に望ましいことだ。
落ち込んでいるように見えたみんなの党の渡辺喜美代表も、このところ元気を取り戻し、「出船もあれば入船もある」と得意の喜美節の冴えを見せている。
出船とは離党者のこと、入船とは入党者のことだろう。3人の離党者に気が滅入っていたところに民主党から1名の入党者を迎えた。それが余程うれしかったのに違いない。
森進一の“港町ブルース”には出船、入船の他に「帰り船」もある。出船もまた帰り船になるかもしれない。
■第三極は“世論の放った矢” 協力関係の構築で高まる世論の期待
両党の合流話の決裂は、両党に深い傷を負わせてしまった。維新の会は傲慢に見えたし、みんなの党は卑屈に見えた。世論の幻滅は世論調査にはっきりと示された。そして協力関係が再構築されるようになるとまた持ち直したのである。
両党にはこの際、なぜ大きなブームが起きたかを再確認してほしい。
みんなの党は渡辺代表と江田憲司幹事長の過去の政治行動に対する強い信頼感が根幹にある。
自民党内で公務員制度改革に蛮勇を振るい、その実績にも満足できずにたった1人で離党して志を貫こうとした渡辺氏の決意と行動を誰も忘れていない。
また、官僚改革の宿志を抱いて、自民、民主の二大政党の狭間であえて無所属で戦い抜いてきた江田氏。2人とも何の展望も開けないのに、大政党の外で孤軍奮闘してきた。
2009年の結党後初めての総選挙で、みんなの党は躍進したが、もしも民主党が同じような公約をしなければ、爆発的なブームになったであろう。
橋下徹ブームは、民主党への絶望から生まれてきた。みんなの党が世論の放った第一の矢であるとしたら、維新の会はそれに追い打ちをかける二の矢であるとも言える。
もしも解散・総選挙が遠ざかれば、三の矢、四の矢が出現するかもしれない。
■連携は「同一選挙区で争わない」で十分 共通目標の一本化で民主・自民への対抗を
本欄で何度も警告してきたように、第三極は無理して統合される必要はない。ゴールを目指して競い合う――。それが最も成果を大きくするだろう。「できれば選挙協力」で十分である。選挙協力も、「同一選挙区で争わない」だけでよいだろう。
第三極の共通目標は「統治構造の改革」である。
@官意を軸とする政治から民意を軸とする政治への転換。
A行政のチェック機能を確立すること。金融不祥事、薬害、耐震偽装、原発事故は、「行政のチェック機能の麻痺」が招いたもの。
B政治と行政の内部の冗費を無くする「官のリストラ」を断行すること。
さらに追加するとすれば、選挙制度の抜本改革だが、これは足並みの乱れが生ずる可能性があるので第2段階にすればよい。
政策面での共通目標は「脱原発」の1本にしぼるのが賢明だ。
外交、安保、憲法などは統治構造の改革が実現してからの課題にすべきである。そうでなければ何も実現しないまま混乱を続けなければならなくなる。
大震災や領土問題への対応は、いかなる政権においても大差はないはず。官民一丸となって対応する決意と態勢を備えていればよい。
第三極の流れにまた希望が見えてきた。この間の経過から学ぶことは多い。
今後は、自民と民主に対抗して三つ巴の様相が高まるだろう。そして、第三極が二大政党を突き崩し、新しい政治の局面が生まれる展望が開けてきた。
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