http://www.asyura2.com/12/senkyo136/msg/862.html
Tweet |
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121009-00000004-maiall-pol
毎日新聞 10月9日(火)16時49分配信
尖閣問題で日中関係が揺らぎ、オスプレイ配備で沖縄の怒りが激化する中、なぜか思い出される人がいる。「宇宙人」こと鳩山由紀夫元首相。あの劇的な政権交代から3年が過ぎ、民主党政権は変わり果てた。内外の課題に今、何を思うのか。松田喬和専門編集委員が聞いた。【構成・大槻英二、藤田祐子】
−−日中関係はどうしたらいいと考えますか。
鳩山 日中は極めて重要な関係です。私は、歴史を検証しながら、未来に向け中国や韓国をはじめとする近隣諸国と仲のいい関係を築くために「東アジア共同体」という構想を提唱してきました。先日、程永華駐日中国大使に会いましたが、「東アジア共同体に期待していました」とおっしゃっていた。「鳩山のせいで日米関係がむちゃくちゃになったから、今の事態が起きた」との批判がありますが、それは言いがかり。私が首相を務めていた間は近隣諸国といざこざは起きなかった。
尖閣諸島が日本の領土であることは歴史的事実として明らかです。政府は「領土問題は存在しない」なんて形式的な対応ではなく、「日清戦争末期に日本が盗んだ」などという中国の主張に対し、その認識は誤りだときちんと反論すべきです。
−−野田佳彦首相は、胡錦濤(こきんとう)国家主席と話をした2日後に尖閣の国有化を宣言しました。
鳩山 中国側にすれば体面を傷つけられる結果になりました。国有化という方向は間違っていないが、水面下できちんと根回しすることが必要でした。国内の所有権が変わるだけの話などとせず、政治家が努力すべきだった。
3日に野田首相から「再選されたのでよろしく」との電話があったので、「私が役に立つことがあれば使ってください」と申し上げました。
−−アジア重視は祖父、鳩山一郎元首相譲りですか。
鳩山 DNAかどうか分かりませんが、東アジア共同体構想は、クーデンホーフ・カレルギーの友愛思想が欧州共同体(現欧州連合=EU)に結実したのにならい、東アジアでも政治、安全保障も含む共同体を作りたいと考えたからです。祖父一郎は、米国一辺倒の吉田茂元首相に対し、米軍駐留経費を削減するなどしました。米国に追従するだけではなく独立国としての気概を持たなくてはならないというところは祖父譲りでしょう。
■「最低でも県外」間違っていない
−−尖閣問題にタイミングを合わせるかのように、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが沖縄・普天間飛行場(宜野湾市)に配備されました。
鳩山 オスプレイは決して、「安全性が確認された」と政府が宣言できるものではありません。墜落事故は人為的ミスだとされているが、機体自体が非常に操縦しにくいという欠陥を持っている。そういうものを今、沖縄に配備するべきではない。
私は、普天間飛行場について「最低でも県外へ移設を」と提唱しながら挫折し、沖縄の皆様を失望させ、大変申し訳ないと思っています。しかし「最低でも県外」と主張したことは今でも間違っていたとは思いません。米軍への基地の提供という沖縄の大きな負担を少しでも和らげたいという世論が高まったのは事実ですし、私の主張がきっかけで、沖縄の皆さんが辺野古(名護市)への移設ではダメだと盛り上がったのだと思います。
最近、米上院軍事委員会のレビン委員長が「辺野古では無理」と示唆するなど、米側の主張が変わり始めています。明るい材料です。米国議会人たちと協力して、新しい移設先を決めていく責務が日本政府にあります。
■原発ゼロ「目指す」ではあいまい
−−野田政権は「2030年代に原発ゼロを目指す」という新エネルギー戦略を立てながら閣議決定はできませんでした。
鳩山 私は首相時代に「二酸化炭素25%削減」を打ち出し、クリーンエネルギーとしての原発比率を高める政策を決めましたが、福島第1原発事故によって日本に原発を作るのは危険だと痛感し、大飯原発再稼働反対デモにも参加しました。
政府の「30年代に」というのは「2040年までに」ということであり、「目指す」というのは実現しなくても許される表現です。二重の意味であいまい。こんなあいまいな結論の出し方はあってはならない。30年、あるいはもっと前に、代替エネルギーの研究に投資し、原発から脱却できる状況をつくり出していくべきです。閣議決定できなかったのは米国に言われたから。日本がまだ米国の従属国であるということを露呈してしまった。
−−鳩山政権の時に国家戦略局を作っていれば、外交や安全保障、原発で政治主導が確立できていたのではないですか。
鳩山 政治主導を実現するために「各省庁に国会議員を100人入れたい」と主張したが、当時幹事長だった小沢一郎さんに「それでは党務が回らない」と反対された。役所の縦割り、財務省主導を超えて政治をする原動力として国家戦略局を作りたかったが、私が辞めるまでにできなかった。菅直人前首相になって作ること自体をやめてしまった。これだけはやっておけばよかった。
■なり潜める小沢さん「不気味」
−−新党「国民の生活が第一」の小沢代表と歩調を合わせてきました。小沢さんは、今存在感が薄いようですが。
鳩山 小沢さんが離党までして、同志と行動を新たにしたということは、まだこの国を変えなければという意欲を持っているからでしょう。私は、政権交代とは既得権益との闘いだったと考えています。鳩山、小沢はそれと闘おうとして敗れた。ならば闘わないでおこうというのが菅、野田両政権で、そのことが民主党全体への失望感になっている。菅、野田両政権は小沢さんさえ外せば人気が回復すると思い込み、排除したが、結局支持率はどんどん下降してしまった。既得権との闘いをもう一度やりきれるかどうかが、民主党が生き残れるかどうかの最大のカギです。小沢さんはその闘いをもう一度やろうと今は準備をしているのでは。なりを潜めている時が一番不気味なんです。
−−橋下徹大阪市長を党首とする新党「日本維新の会」をどう見ていますか。
鳩山 私の政権の時に地域主権の会議があり、当時大阪府知事だった橋下さんは地域主権についてよく理解したうえで発言し、人当たりも良くて好感を持ちました。一方、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を主張するなど新自由主義的なところは私のような「保守リベラル」とは相いれません。
−−そんな中で、鳩山さんはどう行動するのですか。
鳩山 民主党代表に野田首相が再選され、自民党では安倍晋三総裁が誕生し、橋下市長が人気を博している。3人とも基本的にはタカ派。「3・11」もあって国民が自信を失っている時は、どうしても強いイメージの政治家の待望論が出てくる。領土問題でも強いことを言うと喝采を浴びる。しかし、それでは答えは出ません。この国は永久に戦争を起こさない、平和的に解決していくと決めたのですから、常に対話路線でものごとを進めていかないといけない。とすれば、もう一度、保守リベラル層を結集する流れをつくっていかないとこの国の将来は危ない。そのために一役買いたいし、小沢さんもその一人だと思います。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK136掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。