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文科相起用は吉と出るか、凶と出るか “真紀子リスク”を抱えた野田改造内閣
http://diamond.jp/articles/-/25799
2012年10月4日 田中秀征 政権ウォッチ :ダイヤモンド・オンライン
今回の内閣改造で野田佳彦首相は田中真紀子氏を文部科学大臣として起用し、世間をアッと驚かせた。
果たして首相には“真紀子リスク”を抱えて政権を運営する覚悟はあるのだろうか。
起用した理由を常識的に考えると、@代表選での論功行賞、A知名度、人気、発信力の活用、B中国へのメッセージ、C小沢一郎氏への意趣返しなどが頭に浮かぶ。
民主党内にもあからさまな論功行賞人事との批判があるようだが、首相を支持しなかったグループからの入閣者がないのだからそう言われても仕方がない。
■かつては圧倒的だった「真紀子人気」も今は見る影もない
真紀子人気も10年前とは大きく違っている。
外務大臣更迭のとき、小泉純一郎首相(当時)に私が「真紀子さんを降ろせば支持率は20%は下がる」と言ったところ、小泉首相は即座に「いや支持率は半分になる」と断言した。
実際、外相更迭で小泉内閣の支持率は80%から40%に急落した。それを予想しながら小泉首相は外相更迭を断行したのである。しかし、当時の彼女の圧倒的な人気は今は見る影もない。
親中派の彼女の起用は、中国に日中関係改善の意欲ありのメッセージとして伝わるに違いない。また、少なくとも首相は対中強硬派と言われる前原誠司戦略担当相との相殺効果を期待しているようにも見える。
それは、自民党人事で、日中友好議連の高村正彦会長、甘利明幹事長を、それぞれ副総裁、政調会長として起用し、安倍晋三(総裁)、石破茂(幹事長)両氏の対中強硬姿勢を緩和しているのと似ている。
「生活」の小沢一郎代表から見ると、今回の人事は明らかに自分への意趣返しに見えるだろう。田中真紀子氏に限らず何人かの小沢氏側近が入閣を果たしている。かつて小沢氏に近かった人ほど厚遇されている印象も受ける。
■「忠誠心のない官僚は排除する」 真紀子大臣就任に文科省は戦々兢々か
さて、田中真紀子氏は、かねてから念願の文科相就任をついに果たした。
94年の村山内閣の組閣のとき、彼女は文部大臣(当時)就任に強くこだわり、河野洋平自民党総裁を悩ませ、組閣作業も一時中断せざるを得なかった。
やがて河野総裁は私に、「女性文部大臣が3人も続くのはいかがなものかと言ったら引き下がってくれた」と笑みを浮かべ、科学技術庁長官としての初入閣となった。たまたまそのとき女性文相が二代続いていたのである。とにかく真紀子氏は文教行政にことのほか思い入れが強いのだ。
文科省は今頃、戦々兢々を通り越してパニック状態なのではないか。
科学技術庁でも外務省でもそうだったが、彼女が問題にするのは何よりも自分に対する絶対的忠誠心の有無である。
ところが、日本の官僚は、大臣に対する忠誠心より、組織に対する忠誠心を優先させるもの。大臣の意向は二の次なのである。
困ったことに、この忠誠心の度合いを見抜くことにかけては彼女の右に出る人はいないのだ。いくら大臣最優先のふりをしても通用しないどころか、面従腹背の人ほど徹底的に排除されてしまう。
かくして、メディアと連携して彼女を追放するか、それとも組織ぐるみで彼女を受け入れるしか道はなくなる。
それに、彼女を追放しようとすれば、その過程で官僚が返り血を浴びることは避けられない。外務省がそうであったように、文科省もまた知られたくないことまでさらけ出され、丸裸になる恐れもある。
混乱のきっかけは今までと同じように、大臣の人事介入になるだろう。
言うまでもなく、官僚の人事権は大臣にある。だが通常は形だけのもので、人事はすべて官僚のお手盛り人事になっている。これを法律通り大臣自ら人事権を行使しようとするなら刃向かうわけにはいかない。
田中真紀子文科相に対しては八分の不安、二分の期待というところ。今までの失敗から学べば、意外にこの人事は大きな成果を生む可能性もないとは言えない。特に「政治主導とは何か」について深く考え直す機会を提供するだろう。
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