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http://www.news-postseven.com/archives/20121002_146541.html
安倍晋三・元首相の勝利に終わった自民党総裁選だが、選挙中には対立候補らのネガティブ情報が流されたほか、『石破茂 石原伸晃の真実』と題した怪文書も飛び交った。
党員票で優位な戦いを演じた石破茂陣営が最後まで悩まされたのは、ネット右翼(ネトウヨ)といわれる安倍シンパ層による“落選運動”だった。ネットで石破氏の推薦人たちの氏名や電話、FAX、ホームページやツイッターのアドレスが公開され、抗議を呼びかけていた。
石破支持派議員が語る。
「党員票で圧倒的な支持がある石破に議員票まで流れては困ると考えたんでしょう。事務所に『どうして石破さんを支持するんですか』という組織的と思われる電話やFAXが殺到して対応が大変だった。そんなことが議員票に影響を与えたとは思いたくないけどね」
総裁選当日には、『安倍晋三総理大臣を求める民間人有志』のメンバーである有識者らが呼びかけて自民党本部前に100人以上の安倍シンパの民間人が集結。半数は20〜60歳代までの女性で、「メールで連絡を受けて飛んできた」(50歳代の主婦)といい、「きゃ〜、安倍さん、ありがとう〜! 日本国バンザイ!」というような安倍コールを続けた。そして、総裁就任が決まると、安倍陣営の議員が群衆の前にやってきて、「安倍の代理で来ました」とお礼の挨拶をしたのである。
しかし、そうした安倍支持者の熱心な応援と、その裏で展開された徹底したネガティブキャンペーンが、対立候補の陣営との暗い亀裂を生んだことは否定できない。
石破選対幹部の議員は、「石破さんと安倍さんは、当初、石原1位だった場合、2位・3位連合を組む話し合いをして、一緒の勉強会まで開いた。それなのに、ここまでネガキャンをやったんだから、もはや関係修復は不可能だ」と吐き捨てた。石原陣営の議員も、「あの安倍側近連中だけは許さない」と憤りを隠さない。
総裁選さなかに体調を崩して入院した町村信孝氏が、最後まで断念せずに戦ったのも、スキャンダル合戦を仕掛けた安倍陣営への対抗意識からだった。
「安倍陣営からは『町村派は安倍に一本化することになった』というニセ情報がさかんに流された。町村さんは安倍に票を渡さないために意地を見せた」(町村派ベテラン議員)
決選投票では、長老グループが乗った安倍氏の圧勝と見られていたが、議員人気が低いといわれた石破氏が予想以上に健闘した。それは安倍陣営の猛烈なネガティブキャンペーンに怒った石原、林、町村陣営から多くの票が石破氏に流れたからだ。
※週刊ポスト2012年10月12日号
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