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なぜアメリカは北方領土交渉を阻むのか   
http://www.asyura2.com/12/senkyo136/msg/465.html
投稿者 大塩 日時 2012 年 9 月 29 日 15:34:04: .cSQld2Pk8LuA
 

 日本はこれまで、ロシアに対して北方領土四島の返還を求めてきた。しかし、日本の四島に対する立場は必ずしも一貫したものではない。実際、日本政府は当初、サンフランシスコ平和条約において国後島と択捉島を放棄したという立場をとっていた。
 それゆえ、日本がかねてより四島“一括”返還を国是としてきたという主張はマヤカシである。それは一部のナショナリストによる妄想にすぎない。
 現在、かつてほどの力を持っていないプーチンは、大きなリスクを背負って日ロ関係を進展させようとしている。日本としてもその気持ちに答え、四島“一括”返還ではなく、柔軟な姿勢で北方領土外交に挑む必要がある。

『月刊日本』編集部ブログより一部抜粋
http://ameblo.jp/gekkannippon/entry-11365925926.html


『月刊日本』9月号
元公安調査庁・菅沼光弘「領土紛争はアメリカが仕掛けた」より


アメリカの意に添う四島一括返還論

【菅沼】 北方領土問題や竹島問題、尖閣問題などの淵源を探っていくと、全ては、1951年に調印されたサンフランシスコ講和条約と日米安保条約をめぐるアメリカとの政治的取引きに行き着く。
 最初に北方領土問題から見ていこう。
 そもそもロシアは何を根拠として北方領土における領有権を主張しているのか。7月28日に行われた玄葉外相とロシアのラブロフ外相との会談において、ラブロフ外相は「北方四島が自国領になったのは、第二次世界大戦の結果だ。これこそが法と正義の原則だ」と主張した。すなわち、ロシアにとって北方領土は第二次世界大戦の結果得た「戦利品」なのだ。
 それでは、なぜ当時のソ連は第二次世界大戦で対日参戦したのか。それは、1945年2月にアメリカとイギリス、ソ連の間で結ばれた「ヤルタ秘密協定」のためである。ここで、ソ連が千島列島を獲得することと引き換えに、日ソ中立条約を破棄して対日参戦するという密約が結ばれた。
 密約であろうが協定は協定だ。アメリカとイギリスの与えたこの約束が、今日まで続く北方領土問題の出発点となっている。
 1951年、日本はサンフランシスコ講和条約に調印し、「クリールアイランズ」(千島列島)を放棄することになった。そのため、この「クリールアイランズ」に北方領土が含まれるかどうかが問題となった。
 日本政府は当初、この中に国後島と択捉島が含まれるという見解をとっていた。調印直後の国会では、当時の西村熊雄条約局長などが、放棄した千島列島には北千島と南千島の両者が含まれると答弁している。ここでいう南千島とは国後島と択捉島のことである。
 もっとも、ソ連はサンフランシスコ講和条約に調印することを拒否したため、必ずしも国後島と択捉島がソ連に帰属する、と認められたわけではなかった。そのため、領土問題は未解決のまま残されることになり、我が国はソ連と常に紛争の種を持つことになったのだ。
 日本政府はその後も、領土問題を解決することを前提に、ソ連と平和条約交渉を行っていった。そこには、強大な力を持つソ連と出来るだけ早く手を打つことが日本の国益にかなう、というリアリズムが働いていた。
 1956年、当時の鳩山一郎首相は訪ソし、日本が国後島と択捉島を含む千島列島を放棄し、色丹島と歯舞群島の返還によってソ連と平和条約を締結しようとした。だが、その時アメリカが横やりを入れてきた。ダレス国務長官が重光葵外相に対して、「日本が二島返還で決着させるなら、沖縄は永久に返還しない」と言い放ったのだ。いわゆる「ダレスの恫喝」である。
 ダレスの目的は明確である。日本の周辺諸国、つまりアジアとの関係を分断し、軍事的にも、経済的にもアメリカに強く結びつけること、これが目的だった。以後、日本外務省は、アメリカの意向を忖度して、一貫して、四島一括返還を主張するようになった。その結果、今日に至るも、日ロ平和条約は締結されていない。
 このように、北方領土問題は主としてアメリカの策略によってもたらされた。こうした歴史を踏まえず、いたずらに四島一括返還を主張しても、日ロ間の対立が深刻化するだけだ。四島一括返還要求は、アメリカを利することにしかならない。
 北方領土問題を解決するためには新たなアプローチが必要である。かつてのソ連にとって、北方領土はアメリカに対する軍事戦略上重要な意味を持っていた。しかし、今日ではそこに新たな意味が加わりつつある。
 地球温暖化は北極海の氷を溶かし、オホーツク海からベーリング海峡を抜け、北極海を通ってヨーロッパへ向かう新たな航路を生み出した。この航路を通る船の多くがロシア管轄の海域を通る。その航路の安全を確保するために、オホーツク海を取り囲む北方領土はロシアにとって極めて重要な拠点なのだ。
 しかし、ロシアは海洋国家ではない。航路の安全を確保する上で、海洋国家である日本の協力は不可欠である。北方領土問題を考える上ではこうした視点も考慮したアプローチが必要となるだろう。(以下略)

 

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コメント
 
01. 2012年9月29日 15:41:11 : Eb48pxGbzI

 あんたも 好きね〜〜〜

 ソ連は 北方4島は 絶対に返しません

 ===

 返してもらうまで「交渉」  <= 外務省の飯のタネ

 ===

 帰らない って わかってると 外務省の仕事がなくなるよね〜〜〜
  
 ===

 こういうの  「ただ飯食らい」 ってゆうんだけどな〜〜


02. 2012年9月29日 16:33:44 : 5Yw7sjm4PA
当時のソビエトの行動は、「戦争によって領土を拡大することはしてはならない」という当時の(最新の)国際法に違反しており、何ら正当性がないのでは?
 その証拠?に、ロシアは日本が「北方領土はロシアが不法占拠している」というと、猛烈に怒り出す。痛いところを突かれたというわけだ。

03. 2012年9月29日 19:04:06 : EszHBBNJY2

ご存知だろうけど、ムネオは2島返還で纏めようとして、
官僚とCIAの謀略で刑務所に入れられた。

北東アジアや極東アジアが経済交流、政治交流を
行えば、巨大な商業圏になり米国やヨーロッパは
権益に参入できない。

日本のアキレス腱のひとつにエネルギーがあるが
露経由でガスがパイプラインで輸送されれば
台湾問題も、中東問題もシーレーン問題も日本は無視するだろう。
中東の戦争にも金を出さない。
日中韓のFTAも調印されてしまう。
日露の経済交流も活発化して、官僚や米国がこだわるLNG(高価な船便)
でなくても、パイプラインでガスを輸送できる。

ここを考えると過去の事件はすべて謀略ですと、言えそうなほど
はっきりと判るんだけど。
最近の出来事で唯一、わからないのは、韓国大統領の竹島上陸。

これは米国は驚いているだろうけど、中国に舵を切ったというか
綱渡り天秤外交を始めた韓国という感じかな。
大分、中国に取り込まれているようだ。



04. 2012年9月29日 20:24:01 : OTOSIyOeKE
>1951年、日本はサンフランシスコ講和条約に調印し、「クリールアイランズ」(千島列島)を放棄することになった。そのため、この「クリールアイランズ」に北方領土が含まれるかどうかが問題となった。

 この件についての日本の情報公開は、どのようになっているのだろうか?


05. 2012年9月29日 20:57:13 : 65vt3h07xM
04、普通に国会のサイトで検索できますよ。

国後択捉は放棄していないと詰問する野党に対して、政府は一度ならず「国後、択捉は放棄した千島列島に含まれる」と答弁しています。

また色丹、歯舞群島についてソ連による占領は違法だと言う質問に対しては「平和条約締結までの一時的な戦時占領であり、合法だ」と答えています。

1950年代、日本政府は国後島までを放棄したと言う態度をとっていました。それに対して共産党がソ連による占領は違法であり千島列島全部が日本領だと言う態度をとっていました。

日本政府が、国後、択捉は放棄した千島列島に含まれず、依然として日本領だと言う態度をとるのは1960年代になってからのことです。


1960年代になってからです。


06. 2012年9月29日 21:10:24 : 65vt3h07xM
02
>何ら正当性がないのでは?

まぁ、そうかもしれません。

日本は、ソ連占領中に国後と択捉を放棄したので、択捉と国後は無主地専有でソ連が領有を宣言しました。
この地域の領有権をソ連だけでしたので、そのままになりました。その後日本が再び領有権を主張したので係争中です。係争中であることはソ連・ロシア側も認めており、一部日本国民はロシアの法律によらずに上陸することを認められます。いわゆるビザ無し上陸です。

色丹、歯舞群島についてはロシアは現在も領有していません。プーチンは日本のものだと何度もロシア国民に説明しており、平和条約締結までの戦時占領と言う態度です。

南樺太については、ソ連の戦時占領中に日本が正式に放棄したので、無主地専有でソ連が領有しました。ソ連以外に領有権を主張する国はありませんでした。
日本政府はソ連・ロシアによる領有を公式には認めていませんが、平和条約締結の暁には必ず承認することを明言しており、領有を認めていないにも関わらず日本の外交施設が置かれ、ロシアの法手続きに基づいて在住あるいは旅行している日本国民の便宜がはかられています。

そんなわけで、日本政府が現在ロシアと正式に係争中なのは国後と択捉の二島です。
色丹、歯舞群島の占領は日本から見ても違法ではないと言うのが国会でも政府答弁で、南樺太については事実上承認しているも同然となっていますね。


07. 2012年9月30日 11:07:16 : 3fREsmKBHA

ソ連が千島列島を獲得することと引き換えに、
日ソ中立条約を破棄して対日参戦するという密約が結ばれた。

ソ連は、対日参戦という理由が薄かったが、密約に乗った。


08. 2012年9月30日 22:29:07 : sUpHQ8Q75g
ソ連は日ソ中立条約の破棄を昭和20年4月に通告してきたが
同条約が正式に効力を失うのは
一方が破棄を通告してから6ヵ月後であった

日本軍は昭和20年6月頃には戦闘継続能力を失っていたが
無条件降伏に応じなかったため終戦には至らず
原爆の人体実験場として利用されちまった

昭和20年8月14日ポツダム宣言受諾
昭和20年8月15日玉音放送と戦闘停止

このタイミングに焦ったスターリンは
日ソ中立条約が未だ効力を持つ期間と知りつつ
対独戦で西部戦線へ集中配備していたソ連軍部隊を
シベリア鉄道を使って満州方面へ送り
樺太や千島列島へも攻め込んだ

千島列島各島に駐屯していた日本軍守備隊は武装解除を終えていたが
重大な軍規違反と知りつつもソ連軍侵攻を目にして急遽再武装して交戦
全ての部隊が全滅した
昭和20年8月22日以降のことだ


09. 2012年10月02日 06:10:17 : 6MShETH2vQ
>8
日米政治史を研究するアメリカ・ビラノバ大学のガリッキオ博士は、トルーマンが往復書簡で述べた真意の背景を、次のように分析している。

「ソ連が千島列島の領土を主張した時、アメリカの軍部では、それを認めよという意見が多数を占めました。何故なら、それは沖縄や中部太平洋の島々を、米海軍が手に入れることの支援材料になると考えたからです。ソ連の千島列島領有を認めておけば、アメリカもこれらの島を領有することを正当化できると計算したのです。統合参謀本部で大統領代理を務め、スターリンとの往復書簡も作成したリーヒ提督も、そうした考えに立つひとりでした」
こうした事情から、アメリカは何やかやと注文をつけながらも結局、ソ連への千島列島譲渡を認めたのである。

トルーマンから"千島列島を譲ってもよい”との、最終的な了解を得たと判断したスターリンは、ただちに極東に指令を発し千島列島進攻作戦を開始することになる。それは、アメリカの態度が再び変化することを恐れ、速やかに占領を既成事実とするためであった。

千島列島進攻作戦は、トルーマン大統領が千島列島のソ連領有を往復書簡で承認した、8月18日に開始された。そして、その完了予定日は、日本が降伏文書に調印する9月2日の前日までとされたいた。 P74

『NHKスペシャル これがソ連の対日外交だ 〜秘録・北方領土交渉〜』


10. 2012年10月02日 06:55:51 : 6MShETH2vQ
>8

日米政治史を研究するアメリカ・ビラノバ大学のガリッキオ博士は、トルーマンが往復書簡で述べた真意の背景を、次のように分析している。

「ソ連が千島列島の領土を主張した時、アメリカの軍部では、それを認めよという意見が多数を占めました。何故なら、それは沖縄や中部太平洋の島々を、米海軍が手に入れることの支援材料になると考えたからです。ソ連の千島列島領有を認めておけば、アメリカもこれらの島を領有することを正当化できると計算したのです。統合参謀本部で大統領代理を務め、スターリンとの往復書簡も作成したリーヒ提督も、そうした考えに立つひとりでした」
こうした事情から、アメリカは何やかやと注文をつけながらも結局、ソ連への千島列島譲渡を認めたのである。

トルーマンから"千島列島を譲ってもよい”との、最終的な了解を得たと判断したスターリンは、ただちに極東に指令を発し千島列島進攻作戦を開始することになる。それは、アメリカの態度が再び変化することを恐れ、速やかに占領を既成事実とするためであった。

千島列島進攻作戦は、トルーマン大統領が千島列島のソ連領有を往復書簡で承認した、8月18日に開始された。そして、その完了予定日は、日本が降伏文書に調印する9月2日の前日までとされたいた。         P74
                      
                      『NHKスペシャル これがソ連の対日外交だ 〜秘録・北方領土交渉〜』


11. うさぎ林檎 2012年12月30日 19:21:48 : zoIZPjtEy5TTw : 59l8MkwmOM
北方領土進攻の時に日本軍が全滅した
なんて初めて知った!
無主地じゃなかった・・
南進朝鮮軍といい、竹島事件の漁師虐殺
といい、原爆や都市大空襲だけではない
これだけの日本人の被害は、きちんと知って
置くべき。
自虐的にばかりなっている場合じゃありません

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