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9月27日(木) 「国民政党」から「右翼政党」への変質を決定づけた自民党総裁選挙
野党時代を経て、自民党は大きく変わってしまいました。キャッチ・オール・パーティーから部分政党へ、「国民政党」から「右翼政党」へと変質したようです。
そのことを決定づけたのが、今回の総裁選挙だったのではないでしょうか。前途に光が見えてこないのは民主党だけではなく、自民党の前途にも新たな闇が黒々と広がっているように思われます。
26日に投開票された自民党総裁選挙は、決選投票の結果、1回目の投票で2位だった安倍晋三元首相が石破茂前政調会長を破り、第25代総裁に選出されました。2位候補の逆転は56年ぶりで、安倍さんは2007年以来、5年ぶり2度目の総裁就任となります。自民党の総裁経験者が返り咲くのは初めてになります。
総裁選は地方票300票と国会議員票198票の合計で争われました。都道府県連ごとに開票された党員・党友投票に基づく地方票は、石破さんが過半数の165票を獲得し、2位の安倍さんは87票でした。
国会議員の投開票は党本部で行われ、石原伸晃幹事長が58票でトップ、次いで安倍さんが54票、石破さんが34票で続きました(棄権1)。合計で石破さんが199票と1位になりましたが、当選に必要な過半数に届かなかったため、141票で2位に入った安倍さんとの決選投票になったわけです。
自民党の総裁選挙には5人が立候補しましたが、事実上「3悪人」の闘いで、「より小さな悪」を選ぶしかないという「不毛な選択」でした。「軍事オタク」の石破さんが落選したのは良かったと思いますが、「極右無責任男」の安倍元首相が返り咲いたのにはガッカリです。
「3悪人」の中では、石原伸晃さんが「より小さな悪」だったように見えます。しかし、自身の失言に加え、尖閣諸島の問題で危機感が高まったために、より強硬な路線を打ち出した石破・安倍に支持が集まり、決選投票に残ることができませんでした。
尖閣諸島をめぐる緊迫化の背後には石原慎太郎都知事の画策がありましたから、結果的に、石原伸晃さんは父親によって足を引っ張られたことになります。まさに、因果応報ということになるでしょう。
ところで、新総裁になった安倍さんは、総裁選挙中の「公約」をそのまま実行するつもりなのでしょうか。内政では、原発の維持、消費増税についての3党合意の順守、オスプレイの配備と訓練の強行、普天間基地の辺野古移転などは、いずれも民意との乖離を拡大するにちがいありません。
また、外交政策でも、日米同盟の強化と集団的自衛権の容認、自衛隊の増強と南西諸島への配備、改憲の準備、従軍慰安婦問題での「河野談話」の見直し、靖国神社の参拝などを主張していました。このような政策を実行すれば、中国や韓国など周辺諸国との関係が改善されるのでしょうか。
選挙中に出された尖閣諸島についての石原都知事の公開質問状に対して、安倍さんは漁船の一時避難所などの整備に賛成し、「公務員が常駐する施設設置なども検討」すると回答していました。もし、そうなったら中国がどう反応するか、想像できないとすれば、政治家失格でしょう。
野田内閣は、20%台の支持率にも示されているように、国民の厳しい批判を浴びています。それに取って代わることを目指している自民党ですが、大きな勘違いをしてしまったようです。
野田政権への批判や支持率の低下は、右傾化や保守化、端的に言えば「自民党化」に対するものでした。いわば、自民党に代わるべき民主党が、右に寄りすぎて自民党に近づいたために批判されたわけです。
安倍新総裁の政策は、これをさらに右に引っ張ろうとするものです。民意や国際社会との乖離は拡大こそすれ縮小することはなく、その断絶は民主党政権以上に大きなものとなるでしょう。
安倍総裁と新執行部の下に出発する新しい自民党は、アメリカで言えば共和党の右翼である「ティー・パーティー(茶会)」のようなものになってしまいました。かつて自民党内にもあった「良質な保守」が駆逐され、「悪質な保守」だけが残ってしまったことを示したのが、今回の総裁選挙の結果だったのではないでしょうか。
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