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野田首相を解散に追い込む ポスト狙いの負け組3人衆
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1836
週刊文春 2012年10月4日号
すっかり自民党総裁選の影に隠れた民主党代表選。勝者の野田佳彦首相に笑顔はなく、敗れた3候補は意気軒昂という不思議な光景が見られた。
もっとも高揚しているのが原口一博元総務相だ。党員・サポーター、地方議員票で2位、全体でも2位につけ、原口陣営は「国民的人気が証明された。これで首相も無視できない」と自画自賛。これまで代表選に出ようと小沢一郎元代表や鳩山由紀夫元首相に媚を売り、あげくには大阪維新の会との連携もちらつかせ離党を示唆していたが、代表選後は「一兵卒として頑張る」「言われたことは何でもやる」と鼻を膨らませる。
原口氏が期待するのは「ズバリ、閣僚ポスト。もし入閣できなければ離党」(民主党関係者)との評がもっぱらだ。
3位の赤松広隆元農相も、選挙後の打ち上げでは「皆さん、よく頑張ってくれた」とえびす顔。最下位の鹿野道彦前農相も意外に明るい。国会議員では43票を集めて2位につけ、反野田の中核になったとの自負からだ。
原口、赤松、鹿野3氏に共通するのは「次の選挙が厳しく、ポストがないと戦うのに不安」という点だ。
一方、野田首相は輿石東幹事長を続投させて「解散先送り」のサインを送るが茨の道だ。すでに「日本維新の会」への参加を表明した議員を除けば、与党は衆院で過半数割れまで残り9しかない247議席まで落ち込んでいる。
論功行賞がなければ3氏の陣営はいつ、造反するか分からない。特に原口氏の推薦人20名は離党予備軍と見られており、代表選中は原口氏を担ぎつつも、「維新に行けるならいつでも離党する」、「“すべりどめ”で小沢氏の生活、河村たかし名古屋市長の減税日本とも話をしている」と夜な夜な情報交換していたという。
しかし、野田氏に投票しなかった114人、無効票の6人とあわせると“反野田”議員は120人に上り「全員にポストを割り振るのは不可能」と官邸関係者は頭を抱える。
「いくら総理が解散を回避しようにも、ポストをもらえなかった議員が離党して早晩、不信任案が通過する事態に陥る。阻止するためには臨時国会を開かないという選択肢しかないが、そうなれば支持率はもっと下がって、来年の通常国会を迎えることになる」(同前)
進むも地獄、引くも地獄の野田首相。笑顔なき再選もむべなるかな、なのである。
「週刊文春」編集部
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