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尖閣問題に関する中国政府の立場を忖度(そんたく)すると、次のようになります。中国が何故強硬的な態度で臨んでいるのか、特に反中の人はよく考えてもらいたいと思います。
1.領土問題は絶対に譲れない。(異民族をたくさん抱えている中国政府が領土問題で譲ってしまうと、あちこちで独立の動きが活発になって国家が分裂する)
2. 尖閣諸島の領有権については、中国政府は昔から主張しており(これは事実です)、日中国交正常化交渉の過程で日中間で「棚上げ」に合意したのに、日本側が一方的にこれを破った。(中国が棚上げに応じたのは、沖縄に米軍基地があり、尖閣の久場島が弾薬庫になっているので、今の段階では主張が通らないと考えたからだと思われます)
3. 石原慎太郎の後ろに米国の好戦派がいることは承知している。しかし、寄付を募る形で買取を進めようとしたので、到底黙認できない。領有化が日本国民の意思であることが示されたからだ。(寄付を募ったのは石原個人の目論見ではないことを示すためで、中国を刺激する狡猾なやり方です)
4. 決定的だったのは、ウラジオストックでの野田総理との会談の際、胡錦濤が「国有化には絶対に反対だ」と述べたのに、野田政権はその2日後に国有化を閣議決定した。これは宣戦布告と同じだ。(中国人はメンツを非常に重んじます。中華帝国として古来君臨してきた矜持もあり、こうした非礼を見過ごすわけには行かないのです)
5. 事ここに至っては、日本が尖閣国有化を白紙に戻し、中国の威信を傷つけた行為に対して償いをしなければ、両国関係は元に復することはない。今後は、次々と報復措置を採る。(貿易統制が本格化し、日本経済に悪影響が出始めています。今後、円高や株安を仕掛けて、我国を追い込んでゆくことでしょう)
中国の立場から見れば、事態が深刻なのが判ります。時間が経てば次第に沈静化すると思っている日本人が多いようですが、それは甘いと言わざるを得ません。戦前のことを未だに言い続けているぐらいですから、日本人と違って中国人は過去を水に流したりしません。
中国が強硬的なのは、自民党や維新の会に対する牽制の意味もあります。野田政権は既に死に体ですから、まともに相手にする気などありません。どうせ来夏までには消えてなくなるのですから。選挙があれば、自民党が復活すると見られますが、総裁選の候補者は、揃いも揃って対中強硬論者ばかりです。こんな状況では、とても話はまとまりません。
自民党はそれを承知で対立を煽っていますから、非常に始末が悪いのです。悲しいことに、アメポチの自民党を支持する人がまだまだ多い状況です。維新の会の正体は段々バレて来ていますから、野田政権が総選挙を長引かせれば、更に支持率を下げてゆくことでしょう。今でも急降下していますから、国政に出ないという展開も考えられます。橋下が出馬しないのは、最悪の事態を用心して逃げる算段をしているためと思われます。擦り寄ってきた人間だけがバカを見るでしようが、自業自得です。
最大の貿易国である中国と事を構えるというバカな選択をした日本。このままでは経済が縮小して、対外資産も消失し、米国同様の純債務国になりかねません。一番喜ぶのは米国でしょう。我国のアメポチは、真に愚かな連中です。中国側も痛手を受けるでしょうが、国民に如何なる犠牲を強いても平気な国ですから、争いで引くことはありません。ただ、彼らは中々強かですから、日本全体を敵に回したりしません。
日中国交正常化40周年の記念レセプションは中止となりましたが、中国側は一部友好人士だけは招待することにしました。東京新聞は、本日付でこう報じています。(http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012092502000124.html)
国交正常化40周年式典中止 中国側、交流は維持 鳩山氏ら15人を招待
日中関係筋によると、在日中国大使館は二十四日、日中国交正常化四十周年に合わせ、日中友好七団体の会長や鳩山由紀夫元首相、田中真紀子元外相ら約十五人を中国に招待することを明らかにした。中国の要人が二十七日、北京で招待客と会談する意向という。
中国側は二十三日、四十周年を記念する今年のメーンイベントとして二十七日に計画されていた大規模な記念レセプションの中止を日本側に伝えたが、友好団体会長らとの小規模な会談だけは実施することにした。日中関係筋によると、中国大使館は二十四日、都内で招待客を招いた食事会を開催。「日中友好議員連盟」会長の高村正彦元外相や「日中友好協会」会長の加藤紘一自民党元幹事長らが出席。その場で中国側は七団体の会長のほかに、田中元外相ら「中国の友人」を招くと伝えたという。日本側と会談する中国要人が誰かは明らかにしていない。
中国側は分断工作を仕掛けてきました。招待されて訪中した人に対し、石原辺りが「売国奴」と罵ることでしょう。中国の思惑通り、対中関係に関して国論が二手に別れ、益々意思決定が難しくなって我国の外交は漂流し続けることでしょう。中国との深いパイプを持つ人間が先頭に立って関係修復を図るべきですが、今回招待された15人の中に、小沢一郎氏が含まれているかどうか不明です。
次期首相と言われる李克強第一副首相は、かつて世田谷区の小沢一郎宅に居候していたことがあり、いまこそこの人脈を活かす時です。こうした動きを売国奴と見做すなら、国家の滅亡は避けられませんが、自己保身しか頭にない野田内閣が小沢氏を使うことはないでしょう。余りの無能さ故に、仕えていたはずの米国にも見放され、早期に退陣せざるを得なくなるかも知れません。小沢氏が活躍できる舞台を早急に整えるべきです。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-762.html
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