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NHKは領土問題に関して、「9月22日(土)どうする 日本の領土」と「9月23日(日)NHKスペシャル 対立を克服できるか 〜領土で揺れる日中・日韓〜」の2つの番組を放送した。
9月22日はNHKの各分野解説委員が、韓国のイ・ミョンバク大統領の竹島上陸、香港の活動家による尖閣諸島への上陸、ロシアのメドベージェフ首相の北方領土訪問などを受け、領土問題をどう解決するのか、日本を取り巻く各国の思惑、近隣諸国との関係はどうあるべきなのかを7人のNHK解説委員が討論した。領土問題全般に関するレクチャーと解説と言ったところで、どういうことが起きているかのいい整理になったと思う。
9月23日は、中国や韓国との問題に絞り、「専門家による分析や徹底討論を通じて浮き彫りにする」と銘打っての特集。いろいろな意味でNHKならではの特集番組だったと思った。これはこれで面白かった。前半尖閣諸島問題については、中国側の専門家は呼ばず、日本人だけで論じた。理由が少し分かるような気がする。呼べば中国側が百家争鳴気味になり、議論が進まなかったのではないかと思う。後半の竹島問題では、日本と韓国の専門家たちの討論は、いい企画であったと思う。その意義は認めたい。
日本側の専門家として、元外務省でアジア局長や外務審議官(政務担当)を務めた田中均氏、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が出演、日本の意見を的確に表現し、安定した討議であった。特にイ・ミョンバク大統領の竹島上陸と日王(天皇)謝罪発言に関し、国を代表する人がすべき行為ではないとの指摘に、韓国側は全く正面から答えることができず、論点をずらしたのがはっきり見えた。この点は韓国の専門家もおかしいと表いることを確信した。(日本の首相や外相より、ずっと説得力がある?)
しかしながら、この領土問題の発生の歴史的背景についてもう少し突っ込んでほしかったと思う。特に、サンフランシスコ条約が敗戦国日本にどういった意味を持つのか。アメリカがその度どんな行動をとったのか。サンフランシスコ条約について、田中均氏が討論の中で少し触れたが、消化不良。(ただし、領土問題についての田中均氏の認識は孫崎享氏とほぼ同じだと感じた−言うか言わないかの違い)
竹島(独島)については、日本の敗戦から韓国の実効支配に至るまでの経緯(李承晩ライン、朝鮮戦争、自衛隊創設)とアメリカの動き。尖閣列島(釣魚島)では、台湾が日本領であった頃の尖閣列島に対する日本の認識、明治維新前の尖閣列島は日本と中国はどう認識されていたのか。1955年に北方領土の決着をつけようとしたが、アメリカの妨害にあい、鳩山一郎首相は領土問題を棚上げして日ソ共同宣言を締結したことなど。
どんどん突き詰めていくと、日本の領土問題すべてにアメリカのアジア地域での基本戦略が透けて見えてしまうことを、日本を統治する人たちは隠したいと思っている。いちばん嫌なのは日中韓が束になってアメリカに物申すことであろう(日中韓が共同でアメリカに対抗することは難しいが…)。深く掘り下げていくと、どうしてもこの問題に突き当たってしまう。日本の専門家やNHKの歯切れの悪さはこの辺にあるよう気がしてならない。
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