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「日本一新運動」の原点―128 {平野 貞夫} (日本一新の会。)
http://www.asyura2.com/12/senkyo136/msg/255.html
投稿者 メジナ 日時 2012 年 9 月 24 日 15:54:43: uZtzVkuUwtrYs
 

「日本一新運動」の原点―128
 2012年09月24日 :(日本一新の会。)
・一部割愛


     日本一新の会・代表 平野貞夫妙観

○ 「政党溶解論」の東大教授・藤原帰一氏の見識と限界!

 朝日新聞の社説があまりにも不見識すぎるので、一時期は「不買運動」まで呼びかけた「メルマガ・日本一新」だが、本号では9月18日(火)夕刊の『時事小言』を評価したい。藤原帰一東大教授の「与野党党首選 溶解する政治映し出す」の掲載だ。

 本来なら朝刊の「オピニオン」に特集すべき問題である。ほとんど読者の眼にふれない夕刊の、しかも文化欄での「小言」とは、朝日新聞の時代感覚の限界を感じるが、それはそれとしておく。私が「藤原論評」を評価するのは、部分的≠ノ同じことを発想しているからだ。

 実は3年前、政権交代総選挙を目前に、衆議院高知第1区の民主党公認候補を応援に来高した枝野幸男氏と、食事をしながら懇談したことがある。私が「既成政党が民意を代表する議会民主政治を行う能力がなくなり、仕組みが壊れてきた。このままだと議会政治で政党はいらなくなるだろう。私は、政党の存在を前提としない議会民主政治を考えてみようと思っている」と語りかけたことがある。枝野氏から「過激すぎる」と一蹴された。私は別に「革マル派」でも「中核派」でもない。国民主権という議会民主政治を発展・進化させるためにと思っていただけだ。

 まず、藤原教授の主張の要点を紹介しよう。「民主党と自民党で党首選が開かれる。そこから見えるのは、日本の政党が形もなく溶解した風景である」と、冒頭から刺激的な書き出しで始まる。民主党の代表選を先に採り上げ、野田首相に三人が挑む構図を論評している。「野田首相が昔の自民党だとすれば、三候補はまるで昔の民主党・・・・。内部に自民党と民主党の政策を抱え込んだ政党に投票する意味は、どこにあるのだろうか」と。

 さらに、3候補について次の総選挙後、総理になれないことがわかって出馬することの理由について「不人気の野田政権と一線を画することで、政治生命を保つ算段であるとすればいかにも情けない」と厳しい。また、野田首相に対しても「現職の総理が支持を結集できない一点を見ても、民主党はもはや政党としての実体を失おうとしている」と、民主党の現状を政党溶解と論じている。

 そんな最中の9月21日(金)、民主党代表選で野田首相は圧勝して再選された。国会議員で、民主党代表に野田首相がもっとも適切だと投票した人は何人いるだろうか。党員・サポーターは30%しか代表戦に参加しなかった。それでも、形の上では民主党の代表に当選するという喜劇的な悲劇に政党溶解の原因がある。状況次第で民主主義とは異常な政治システムとなるのか。いや、政党を構成する人間の質が民主主義を狂わせているのかが問われている。

 自民党に対しても藤原教授は厳しい。まず、総裁候補として5人が並ぶ風景の中で「奇怪」を感じたことが2つあると指摘している。ひとつは、同じ派閥から2人が出馬していることだ。町村氏と安倍氏で、派閥の役割が消えたことである。良いことかも知れないが、自民党から派閥がなくなれば自民党ではなくなる。もうひとつの奇怪さは「どうして谷垣総裁が降りたか」と疑問を呈している。私も同じ意見で、自分の意思で降りたのか、あるいは降ろされたのか、いずれにせよ自民党の政党としての「力の衰え」(藤原)だけでなく、賞味期限切れから崩壊期限にきたようだ。

 谷垣氏の出馬辞退に関連して、藤原教授は消費税増税にともなう「民自公3党合意」について、「政党政治を政党間の下でも党派を超えた討議と合意は欠かせない」として容認している。そして歯切れ悪く、政党政治を政党間の競合としてだけ捉える人から見ればとして、「与党と主要野党の政策合意とは、有権者から政治選択の意味を奪う政党政治の終わりのように移るだろう」と論じている。後者が筋論で、議会民主政治の根本を理解していない東大教授の限界を露わにしている。

 藤原教授は「維新の会に吹く風は、民主党・自民党の空洞化と表裏の関係にある」として、維新の会は政治の行き詰まりと時代閉塞を刷新する期待を国民から受けていると論評している。さらに「自治体再生の試みとして評価」する一方で、党首となる橋下大阪市長について「敵と味方を二分して支持を動員する政治手法」に疑問を呈している。そして「維新の会の隆盛は、政党政治の空白を表現している」と結び、これからの政党政治の空白化を懸念している。


(「維新の会」の問題点)

 藤原教授は、これからのわが国の政党政治が「維新の会」によって特徴づけられるとの予想をしているわけだ。そこで私の立場から問題点を述べておきたい。有識者は基本政策にあたる「維新八策」について、綱目だけとか、矛盾があるとか厳しく批判をしている。時代を変えるとか、統治の根幹を変えるという看板だから、もっと刺激的な発想があってもよい。

 「衆議院の定数を半分にする」という主張が批判の的になっているが、現状を変えるためには一元的論理にこだわることはない。矛盾があっても良い。「衆議院議員は抽選≠ナ選んだ方が、民主的で質の高い国会になる」ぐらいの主張があってもよい。時代の閉塞感を打開しようというなら、もっと過激で狂気な思考が必要だと思う。

 「維新の会」でひとつだけ気になることがある。先日の公開討論会の集約として「価値観がひとつにできた」と、誰が言い出したか知らないが、その言葉が気になった。議会政治というのは、「多様な価値観の共存」を前提としている。「政治的に対立した相手方の価値観の存在を認める」ことから議会主義は始まる。「価値観に関わることは多数決の対象にしない」ことが、議会主義の原点である。

 私は新進党時代、「太平洋戦争を謝罪する国会決議」を衆議院本会議で決議したとき、「歴史観という価値観に関わることを、多数決の対象としたことは、憲法の原理に反する」として、土井衆議院議長を相手に訴訟を起こしたことがある。私は戦争には反対だが、議会政治の原理を守ることもより以上に大事だと思う。

 「維新の会」が、議会政治を廃止する主張をするならともかく、議会政治を刷新・進化させようとするなら、この言葉はいただけない。政党とか、政治グループが形成されるのは、「多様な価値観を持つ人が議論し、意見を調整して一定の政策や方針をまとめて、それを国会の論議で国家の意思とする」ためである。


(「国民の生活が第一」が、新しい政治の先達になる!)

 藤原教授は溶解する既成政党に代わる政党として、「維新の会」に期待と不安を持ちながら論評している。どういうわけか、小沢新党「国民の生活が第一」についてはひと言も触れていない。詳細に検討すると、小沢新党は異色の発想で結成されている。まず、基本方針のトップに「国民の生命を護る」ことを宣言している。日本の政党では初めてだ。世界を見ても珍しい。現在の日本は、それほど「国民が生きていくことに問題がある」という基本認識なのだ。

 原発事故・放射能・深刻な経済格差・官僚支配の凶暴化・議会民主政治の崩壊などなど、説明の必要はないだろう。それに対応するため、小沢代表は「国民が直接に政策提言できる機関」を党に設けた。さらに、結党大会の挨拶で「国会各院で党議拘束は設けない」と宣言した。

 そして、これまで政党や政治家が国民に提示し、説得してきた政策を、主人公たる国民の提言にもとづいて国民とともに新しい政治を創造することを決意したのだ。その動機は東日本大震災・原発事故、即ち「3・11」にある。小沢代表は民主政治に対する国民意識の変化を見つけたのだ。これまで既成社会の枠に閉じこもっていた人々も、堂々と生きるために活動を始めたのだ。社会の木鐸を放棄した巨大メディアに代わって、ネットを駆使する人々の活動が日本の政治を変える時代となった。頭でしか考えない東大教授には見えない事態が始まっているといえる。

追記
 ☆本号は無限拡散希望につき、転載許諾を必要としませんので、お取り扱いをよろしくお願い申し上げます。
 

元記事リンク:http://nipponissin1.blog136.fc2.com/blog-entry-178.html  

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コメント
 
01. 2012年9月24日 17:30:55 : gR71T77q2U
官邸前で平野さんと握手をさせていただきました。
その取り囲む方々の凛々しいお顔と、
平野さんのしっかりとした視線が見えました。

素晴らしいご見識と思います。
お力を結集してください。お願いします


02. 一番町のボケ爺 2012年9月24日 19:05:22 : f.FP6saV8REc. : vC0MmTrW8c
平野貞夫先生の投稿は

さすがに、品格のある錬れた見解、文章です。

筆を折って、骨を砕く!極意か。

「国民の生活が第一」に一言も触れずに、現下の政治を語る?

既に、正体がバレ、人気急落中の大阪維新の会を持ち上げる藤原帰一。


私なら、ストレートに

「官費を貪る無能・御用学者メ!謀略報道機関の走狗にナリ下がりやがって!」と

一喝したい。

それは、先週のBSII出演時の

隣席のヨタ公に対しても同様です。


03. 2012年9月25日 05:15:56 : maxkpWHZCo
こいつが東大の教授だから世界からの評価が下がる訳だ
学術的な調査を改竄ないしは解釈し、権力者や統治者、
ないし依頼者に都合の良い結果を導き出す者=御用学者
彼の主張に新しい論点はなくコピペ学者そのものだ
経団連が喜ぶ論戦を張る奴
彼は海外でほとんど評価されてない内弁慶ちゃん
可哀そうだよな

04. 2012年9月25日 09:50:13 : il8UW33C8Q
 >藤原教授は「維新の会に吹く風は、民主党・自民党の空洞化と表裏の関係にあ
  る」として、維新の会は政治の行き詰まりと時代閉塞を刷新する期待を国民か
  ら受けていると論評している。

 ↑
「維新の会」に吹く風は、大手新聞テレビというマスゴミが作っている「風」であることは明らかです。
残念ながら、マスゴミの影響には凄まじいものが有り、国民に「右を向け!」と言うと無気力な国民は間違いなく右を向きます。

では試しに、マスゴミが報道をやめてもらいましょうか・・・?
「維新の会」の風はネットからも知りえず、完全無風状態になると思います。

 逆に、ネットで流されている小沢さんの定例記者会見や、小沢さんや所属議員を応援する国民運動を一つ一つ丁寧に報道してごらんなさい・・・
国民は「国民の生活が第一」に吹く嵐のような風を感じることでしょう。

そのことは、
藤原教授の言葉を借りれば、
正に「“国民の生活が第一”党は、政治の行き詰まりと時代閉塞を刷新する期待を国民から受けている」・・・と言うことになるはずです。


05. 2012年9月25日 17:22:35 : DS9UDjQHeM
やはり思想家として平野さんを尊敬せざるを得ない。

>>議会政治というのは、「多様な価値観の共存」を前提としている。「政治的に対立した相手方の価値観の存在を認める」ことから議会主義は始まる。「価値観に関わることは多数決の対象にしない」ことが、議会主義の原点である。

これが自由主義的民主主義の基本原理だ。
本来この考え方こそ義務教育として日本では徹底して欲しいと私は思う。


06. 2012年9月25日 19:42:53 : zpo4iZSaH2
04さんの言うとおり。
橋下徹は、視聴率が取れるから持ち上げてるだけ。
NHK,よみうり、TBS,テレ朝、フジテレビ、は金儲け出来ることだったら何でもやるんだよね。

07. 2012年9月25日 20:25:38 : N2lVoYK5nk
抑制の効いた論考、流石で一々納得です。
只維新の会の討論会で話された内容から判断し、参加者の価値観が一つにできたと言うような大げさなものではなく基本政策について同意が得られた程度の軽い話ではないでしょうか。
平野さんが維新の会を大所高所から見ておられ批判一辺倒でないことが解かり安堵しました。
私は生活党の党員ですが橋下氏の発言には色々問題あるとは言え、大阪府政での財政再建の成果や統治機構の改革に対する考え方、情報発信能力、一転突破力等、自公民を中心とした利権政治、官僚政治を打破するには捨てがたいものがあると思っています。
頼りに出来る政治家が小沢氏一人では余りにも寂しい、願わくば平野さんのような名参謀の指導を受け政治家として飛躍して欲しい思うのですが。

08. 2012年9月25日 20:43:01 : fJS0ifMOG2
党に縛られない事が自分の意思を自由に行使出来ると言えます。だから、党を選んで得票数の配分で決める比例式には反対です。無くなるべきと考えます。個人あってこその党だと思いますから。党の決定に従わないと除名というのは、全体主義思想の持ち主だと思うし、果てに独裁制に堕ちてしまうのです。生活党の党議拘束をかけないというのは、日本のどの政党にも過去にも無かった画期的な事ではないだろうか。

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