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輿石幹事長の続投が証明した野田民主党の絶望さ
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2012年09月23日 天木直人のブログ
9月21日の日経新聞が一面トップで、野田首相は再選後に行なう
人事で輿石幹事長を交代させると報じた。
それを読んだ時、私は野田首相にそんなことができるのか、懐疑的
に思って読んだ。
この私の予感は見事に的中した。
各紙が一斉に書き始めた。輿石幹事長続投と。
これで決まりだろう。
日経新聞はとんだ先走り誤報を打ったものだ。
なぜ日経はそんな誤報を打ったのだろう。
好意的に解釈すれば、民主党の再生を願うのであればそれしかない、
だから贔屓の引き倒しに陥って希望的に書いてしまったのだろうと思う。
私はもはや野田民主党などどうでもいいと思っている。
しかし、民主党政権の再生を願うのなら、ここはやはり日経新聞が
期待したように人事を一新して国民の前に再生の気迫を見せるべき
だったと思う。
それどころか、もし民主党が本気で国民の信頼を回復して出直す
積もりならば、新しい党首を擁立するぐらいの英断をして出直すべき
であったのだ。
その人選が好ましいかどうかは別にして、あの時、細野豪志を対立
候補に立てて野田首相との一騎打ちの代表選挙を行なっていたら、細野
氏が勝って世論の期待も高まっただろうというのが通り相場だ。
それを嫌ったのが、続投に固執する野田首相であり、解散・総選挙の
引き伸ばしをすべてに優先する輿石幹事長であったと、これもまた報じ
られている。
なぜ輿石氏は一時はみずから擁立しようとした細野豪志氏を降ろして
野田再選に舵を切ったのか。
それは細野氏が代表になれば支持率が向上し、その余勢をかって解散・
総選挙が早まる事をおそれたからだとこれも当時報じられた。
これらの報道が正しければ、今度の民主党代表選は野田首相、輿石
幹事長のコンビの思惑通りで動いたということだ。
これを要するに野田首相は野田続投のすべてを輿石幹事長に委ねて
いるということだ。
だから野田再選後の人事でも輿石幹事長が留任することは当然なのだ。
それを証明するのが、輿石続投を要請したのは野田首相のほうから
だった、という事実である。
そして輿石幹事長はその要請を受け入れるだろう。
普通なら辞退するところだ。
それはけじめとつけるということだけではない。
幹事長というポストは選挙を取り仕切る最重要な役職であり、輿石
氏は選挙の采配がとれる人物ではないからだ。
その事は輿石氏自身も認めているところである。
それにも関わらず輿石氏が幹事長留任を受ける理由はただ一つ。
何があっても解散・総選挙を引き延ばすという宣言である。
しかし、ここに来て解散・総選挙の引き伸ばしについて深刻な事態が浮上
してきた。
それはこれ以上の離党者が出ると野田民主党政権は衆参ともに少数
政党となり、嫌でも解散・総選挙を行なわなければならなくなるということだ。
だから再選後の野田政権の最大の危機は、これ以上の離反者を出さ
ないことである。
そのためにも輿石幹事長の協力が野田首相には必要なのだ。
見ているがいい。
10月はじめにも行なわれる内閣改造人事においても輿石人事が幅
を利かせ、離党封じの驚くような人事が平気で行なわれるだろう。
私が輿石という政治家をまったく評価しないのは、繰り返し書いて
きたとおり彼が政策ではなく政局の政治家であるからだ。
しかも国対を優先する古い政治家であるからだ。
どんなに引き伸ばしても来年夏までの政権であるのに、そしてそれ
まで政権にとどまる以上は国民のために政策を最優先しなければいけ
ないのに、政権維持をすべてに優先する。
輿石幹事長の続投は、すなわち野田民主党の未来が国民にとって
絶望的であることの証明なのである。
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