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9月19日、中国の次期最高権力者に就く事が確実視される習近平氏が、2週間の消息不明の後、外交舞台への復帰を果たし、訪問中の米国のパネッタ国防長官と人民大会堂で会談した。
折からの尖閣諸島問題について、日本政府による国有化を「茶番」と批判し、「戦後の国際秩序に対する挑戦」と断じる等、牽強付会で荒っぽさが目立つ。
これは、09年の外遊先のメキシコでの「腹が一杯になって暇になった外国人が我々の欠点をあれこれ論っている」、「中国は革命も輸出せず、飢餓や貧困も輸出せず、外国に悪さもしない。これ以上いい事があるか」等との予てから伝えられる暴言癖と符合する。
また、習氏は「米国は平和と安定の大局から言動を慎み、釣魚島(尖閣諸島)の主権問題に介入しないよう希望する」と発言した。
一方、前日の米中の国防相同士の会談で強硬派の梁光烈国防相には、「中国は日米安保条約の防衛範囲に釣魚島(尖閣諸島)が含まれるという解釈に断固反対する」と語る事を許したが、習氏は今回この件については言及しなかった。
今回の対談では、尖閣問題に関しては、予てからの米国のスタンスである「尖閣諸島の主権問題に踏み込まない」という部分での同意を演出し、米国から反対を受ける日米安保条約の防衛範囲には敢えて言及しないという作戦が垣間見える。
単純な作戦とも言えるが、嘗て天皇陛下との謁見の際、カメラに写らない位置から拝礼した事と同様、計算された強かさが感じられる。
現時点では、習氏は硬軟取り混ぜた人物と見るのが妥当だろう。
◆尖閣問題の対応策◆
さて、今回の尖閣反日デモには、10月の5年に一度の共産党大会での権力移行を控え、胡錦濤現国家主席の率いる共産党青年団、江沢民前国家主席の率いる上海閥、習近平氏の太子党の3者間の権力闘争が背景にあり、どこが仕掛けたのか憶測が飛び交っている。
しかしながら、パネッタ会談からは、漁船1000隻の尖閣来襲計画も含め、少なくとも現在は習氏が尖閣反日デモをグリップし仕切っている事を窺わせた。
この次期新皇帝の最終目的は、何か?
限られた情報ながら、これまでの習氏の発言や振る舞いからは、経済、軍事、領土領海で中国を拡張し、少なくとも米国と対等、叶うなら凌駕したいと考えていると推察される。
この推察が正しければ、資源、領海、シーレーンを押さえることが出来、なおかつ米国艦隊を遠ざける事が出来る尖閣諸島は、必ず取りに来るだろう。
今回の日本政府による尖閣諸島国有化は、本当は、(1)石原知事がラッパを吹いてよりも、(2)政府がタイミングを見て粛々と、の方がよかったが、政府が動かないので結果として石原氏がラッパを吹いたのが切っ掛けとなった。
中国が尖閣を核心的利益と言っている以上、何時かは実効支配強化は必然であり、既に「曖昧の海」の時代は終わった。
さて、尖閣諸島に対する今後の中国の作戦は凡そ以下の通りだろう。
(1)反日デモを起こし、日本、特に経済界に圧力を掛け、譲歩を引き出す地ならしをする。
(2)腐敗した共産党政府に向かう人民の怨嗟を日本に向けて逸らし、ガス抜きにも使う。
(3)大漁船団と監視船を尖閣諸島周辺に派遣し、プレゼンスを誇示すると共に尖閣帰属問題を国際世論の俎上に上げる。
(4)別途、米国に対するロビー活動等により、日米安保を発動させないようにする。
(5)可能なら、機を見て尖閣諸島を急襲し、実効支配をする。
これに対し、日本の対抗策としては以下の事が必要である。
(1)領土領海防衛関連法案の強化と共に、この施行を待たずに尖閣への海上保安体制の強化、自衛艦による援護体制強化、陸上自衛隊もしくは警察官の常駐、漁業を含めた多用途港湾施設の建設、事態発生時の複数シナリオによるシミュレーション及び実地訓練、防衛体制全体の強化、真っ当な政策断行によるデフレ克服・経済力強化
(2)日米同盟の強化、日米安保発動に向けて米国ロビーへの働きかけ、米軍との具体的協力体制確定
(3)ASEAN諸国との連携、国際世論への訴え、国連等の舞台での日中の主張交換、進んでは中国側が国際法廷へ提起した場合の受け入れ
(4)インド、ロシアとの同盟もしくは準同盟の締結、韓国との「外交休戦」
(5)中国からの企業の随時撤退、生産設備のASEAN諸国へのシフト、中国内販売拠点の中国資本・欧米企業との合弁化
◆「第二辛亥革命」?◆
しかしながら、反日デモを日本への圧力に使う仕組みは、事実に反する歴史教育が行われ、情報統制された中国では有効な手段として存在し、根本的には中国が民主化されるか分割されてパワーダウンしない限り、何時までも続く事になる。
そのため、普段から中国に民主化運動の素地を養い、反日デモが起きれば、民主化運動に転化し発火し易い環境作りが必要だ。(言うまでも無く、世界史を見ればナショナリズムは民主化の母か姉であった。)
そして、それが官製反日デモをボディーブローの様に牽制する事に繋がる。
また、その過程で本当に中国の民主化が進展すれば、大きな流れでは日本と国際社会の利益になる。
具体的手段としては、浅学な筆者には今のところ、環境問題・若者の失業問題・少子高齢問題等の日中間で共通し、かつ民主化と親和性の高い問題についての日中共同研究の推進、AKB48の姉妹グループに代表されるオタク文化の輸出促進での蟻族・ネズミ族等の都会の若年貧困者への親日感の醸成、民主化度合いによる援助差別化によるASEAN等の中国周辺諸国の民主化促進等々の在り来たりで、甚だ気長に効果を待つ様な物しか思い浮かばない。
しかし、中国民主化を日本の国家戦略として位置付け照準を定めれば、奇策も含め今後各方面から色々なアイデアが出てくるかと思われる。
オバマの事実上の外交最高顧問のズビグニュー・ブレジンスキーは、今春の新刊に於いて、ヨーロッパをロシアとトルコを含めて拡大し、アジアに於いては中国を牽制しつつこれと結び、各国をパワーバランスさせ、米国をかつての英国的立場に立たせる世界戦略の未来図を発表した。
ブレジンスキーの大風呂敷の是非に関わらず、中国の民主化、いわば「第二辛亥革命」は、開発独裁の段階を過ぎた市場経済と共産党独裁体制が同居する奇妙な社会の矛盾解消として歴史の必然である。
これを、今後の対中外交の武器に育てる事は、大義に適い、かつ日本の存亡にとって不可欠だろう。
(随時推敲予定↓)
http://blog.livedoor.jp/ksato123/archives/53793442.html
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