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議員定数を半分にしてどうやって官僚の抵抗と戦うのか [口先と裏切り 橋下徹新党の正体]
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2012/9/18 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
打ち上げ花火でしかない維新八策
「維新八策」の中で、もっとも乱暴で選挙受け狙いがミエミエの目玉政策が、議員定数半減だ。「国民に増税をお願いする前に国会議員が身を削らないといけない」ということで既成政党は数十議席減を掲げているが、維新はさらにハードルを上げて、半減(240減)まで踏み込んだ。
一見、勇ましそうだが、選挙プランナーの三浦博史氏は呆れていた。
「歳出削減のためにあらゆるムダを省くことや国会議員の身を削ることと、議員定数を半減することは全く次元の違う話です。日本の国情に照らして、何議席が適切かをまず論議すべきだ」
議員定数の話は、バナナの叩き売りじゃないのである。
橋下市長の考えは、「道州制が実現すれば、国は外交・安保・マクロ経済政策などを担当、公共事業の箇所付けなどは道州が行うので国会議員は半分で十分」というものだ。ここまでは市長が師と仰ぐ大前研一氏の主張と一致するが、問題は道州制実現前に衆院議員を半減させようとしていることだ。
道州制に移行すれば、今の国交省や農水省、経産省などは地方(道州)の機関に移行し、約30万人の国家公務員が「10万人程度」になるとみられている。霞が関の官僚は猛反発、当然、永田町の政治家との壮絶なバトルとなるだろう。
そんな時に道州制推進の先兵となる国会議員を激減させるのは、守旧派官僚を喜ばす愚行だ。だから、定数半減より道州制実現が先ではないかと6日の会見で聞くと、橋下市長はこう答えた。
「維新の会の執行部で相当議論があって、松井知事は『道州制実現後の定数半減』を主張したのですが、それだと『じゃあ10年後の話かよ』となってしまうので、まずは衆議院半減となりました」
ポピュリズム(大衆迎合)を自ら暴露したような発言ではないか。道州制実現への道筋など、どうでもよくて、とにかく国民受けする派手な花火を打ち上げて議席を獲得しようという魂胆だ。こうなると、道州制そのものだって、どこまで本気なのか、と怪しくなる。
橋下市長は、定数半減をすれば、中央官僚も霞が関のスリム化(国交省などの道州移行)を進めるようになると言うが、組織防衛本能が強い官僚に自発的な道州制移行を期待するのは楽観的すぎる。
もちろん定数半減となっても、少数精鋭の国会議員が官僚をコントロールできれば問題はないが、維新の候補者を見る限り、それはブラックジョークだろう。
「道州制実現を願って維新の会に投票したら、今以上の官僚主導国家になった」という近未来図が見えてくる。国民は民主党と維新の会に2度裏切られることになる。
(取材協力=ジャーナリスト・横田一)
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