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自民党総裁選に名乗りを上げた5人のいずれもが世襲議員である。世襲議員の中には「志」の高い議員もいるから、世襲議員が全て駄目だとは言わない。だが5年前に、泣きべそをかいて政権を放り出した安倍晋三氏。世襲議員でなければ、とうの昔に消えたはずだ。その安倍氏が、日本人が持つ「恥」の精神文化を何処かに置き忘れて、立候補した。これで自民党が家業「政治屋」の集団だということがよく分かる。
同じように、「恥」の精神文化とかけ離れているのが、「明智光秀」と言われる石原伸晃氏。「恥知らず」ではなく「恩知らず」と言う人もいるだろう。「恩知らず」と蔑まれるのも、その根は「恥」の精神文化にある。俗説だが、明智光秀は公家衆の受けが良かったそうだ。そして、公家衆に唆されて起こしたのが本能寺の変。石原氏も自民党長老の受けが良く、その長老の後押しで谷垣総裁を蹴落とした。
その石原氏のテレビ番組での発言が、ネットで火を吹いている。11日のテレビ朝日「報道ステーション」で、石原氏は社会保障費の問題に触れた時、「ナマポ」取締り対策と尊厳死を挙げた。「ナマポ」とは生活保護のことを指す。次期首相の可能性もある自民党総裁を目指す政治家が、テレビに出演し、永田町や霞ヶ関の隠語?を、何の衒(てら)いもなく口にする。そこになんとも言えない違和感が生じるのである。
また、石原氏は「非常に誤解を招きますので〜」とは言ったが、「私はね、尊厳死協会に入ろうと思っているんです」で始まった一連の発言。尊厳死により終末医療費の削減を図る。そう受け取られても致し方ない。また、13日のTBS「朝ズバ!」では、福島第1原発のことを「福島第1サティアン」と発言した。後になって、石原氏は「福島第1サティアン」を、単なる言い間違いだと弁明したが、それは通らない。
200万人を超す生活保護費受給者の中に、不正受給者もいるだろうが、99%以上の受給者はそうではない。生活保護を受けなければ生きて行けないのが現実なのだ。その原因を作ったのは、小泉似非構造改革以来の自民党政権。膨らんだ生活保護費を「ナマポ」対策で削減するのが自民党政治。だがそれは国民のための政治ではない。誰もが生活保護を受けなくて済む社会を目指す。これが国民のための政治だろう。
誰もが「ピンピンコロリ」で一生を終えたいと考えている。植物人間状態で長生きしたいとは誰も思っていないが、そのような状態に陥ったのが現実。そこに思いを馳せないで、尊厳死という言葉で社会保障費を論じる。その感覚が分らない。石原発言を聞いた人の多くは、「植物人間状態で生かしておくことはない」とか「ガンなどの延命治療は必要ない」、さらには「高齢者は早く死ね」と言われたと受け止めている。
放射能汚染土壌を福島第一原発周辺に集める。その考えを述べる時に「福島第1サティアン」という言葉が出た。「サティアン」とはサンスクリット語で「真理」の意。オウム真理教がサリンなどを製造した教団施設の名称に使っていたことから、広く知られるようになった言葉。だが、最近は誰も使っていない。石原氏は「サティアン」という言葉を日ごろ使っている。だから口から洩れた。誰もがそう考える。
これまで自民党総裁選に名乗りを上げたような政治家は、老練で言葉の使い方が上手く、石原氏のような発言はなかった。石原氏は自民党幹事長。最近の自民党の体質に染まり、それを表わしているのだろう。野党に転落してからの自民党は品格を失い、石原氏と同じように、政治家として言葉に関する感性が麻痺してしまった。そういうことなのだろう。つまり、石原発言は最近の自民党体質を顕したものなのである。
マスコミは、「福島第1サティアン」発言は、配慮を欠いた発言との批判が出かねないと報道したが、マスコミ自身は批判していない。「ナマポ」と「尊厳死」については完全にスルー。それが怖い。このコラムを読み、言葉尻を捉えて、とのご批判もあるだろう。だが、僅かな言葉から、その人の本性や集団の特性が顕れるものなのだ。それを批判する感性を失ったマスコミに替わり、それを指摘しておきたい。
http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=131604
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