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【日本の解き方】政府支援の日本郵政は“国有会社”だ!民主のダメ政策 - 政治・社会 - ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120909/plt1209090739002-n1.htm
2012.09.09
日本郵政グループの金融2社が3日、新規業務への参入を認可申請した。ゆうちょ銀行は、(1)住宅ローンなど個人向け融資(2)住宅ローンに伴う火災保険など損害保険の募集(3)法人向け融資を行いたいとし、かんぽ生命保険も学資保険の見直しを求めている。
もし、金融2社が普通の民間金融機関であれば、こうした業務拡大は各社の判断で行えばいい。ところが、10月施行の「改正郵政民営化法」で、政府が日本郵政株の3分の1超を持ち続けることになったので、日本郵政の子会社である金融2社は民有民営会社でない。それでも、金融2社を「民営化会社」というのは、言葉の遊びである。
金融業務では、信用力が決定的にモノを言う。それは経営危機に陥ったときに、政府が株式の一部でも取得すると信用力がアップして経営再建できることでわかる。つまり信用力のアップによって資金調達コストが劇的に低下するからだ。
そして金融業務では、仕入れコストに相当する調達コストの高低が業務パフォーマンスを決定的に左右する。同じ利ざやにすると、調達コストの低いほうが有利だからだ。このため、金融業務では、民間会社では政府の株式は一切ない。その一方で、政府系金融機関は政府が100%株式所有。つまり、政府の株式はゼロか100で、これが世界の常識だ。
だから、小泉政権の郵政民営化では、金融2社は「完全民営化」という民有民営で、政府の関与は全くない。それを、政府が株式を実質的に3分の1超を持っていながら、それでも「民営化」というのは、世界で通用しない表現だ。この「完全民営化」というのは実は役人用語で、海外では単に「民営化」というだけ。また、日本でいう「民営化」は世界では民営化とはいわない。
こうして役人が勝手に言葉を都合よく書き換えて、国民を煙に巻いているのが日本の現状だ。それをそのまま報道するマスコミも情けない。
金融2社において政府が株式を保有することは、民間金融機関から見れば明白に競争条件がアンフェアということになる。しばしば、マスコミは、金融2社に対して政府が株式を持つことによって「暗黙の政府保証」が与えられているという表現をするが、これは全く勉強不足。
「暗黙の政府保証」という場合、政府が株式を一切持っていない民有民営会社が、株式でない他の手法によって政府から便宜を受けて競争条件が有利になること。金融2社の場合、あえていえば「明示的な政府支援」だ。
民主党の本来の主張からいえば、金融2社は政府が株を100%保有する国有国営にすればよかった。もちろん国有国営という政策論には問題があると筆者は思うが、その点を除けば、形式的には筋が通った。
しかし、それをせずに、名前は「民営化」といいつつ、実質的に国有であるのは、いかにも民主党らしく、腰が引けてダメな政策である。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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