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民、自イヤ→「救世主」幻想 「青い鳥」求める国民 (東京新聞)
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9月8日 東京新聞「こちら特報部」 :「日々担々」資料ブログ
民主、自民両党が次のトップ選びで飛び回っている。しかし、国民の関心がどれだけ広がっているか。自民党はちょっと、民主党も期待外れだった、それでは総選挙…。そんなムードさえある。「青い鳥症候群」。政治の迷走が続く中、国民は問題を一気に解決してくれる「救世主」の登場に期待する。分からないではないが、そんな「救世主」は存在しない。幻想は、かえって口がうまいだけの政治につけ込まれないか。 (上田千秋、荒井六貴)
「歌手一年、総理二年の使い捨て」−。戯(ざ)れ句が得意だった自民党の故竹下登元首相のかつての「名文句」。しかし、最近では「総理二年」も難しくなっているほか、民主党の低迷ぶりを見る限り、長期間、政権政党を維持することさえ困難になっている。
民主党は二〇〇九年の総選挙で自民党の政治に批判的な国民に支持され大勝し、政権交代を実現。しかし、国民の支持は続かなかった。約束した「官僚政治の打破」「公共事業の大胆な見直し」を実現できない民主党への失望は強く、迫る次の総選挙で大苦戦するとの見方が強い。そうなれば、再び、政権交代の可能性が高い。
龍谷大学の石田徹教授(政治学)は「自民党政治とは異なる選択として国民は民主党を支持した。政権交代さえ実現すれば、政治や生活が大幅に変化するという実体以上の期待があった。期待が大きかった分、民主党への幻滅は大きい」と指摘する。
「民主党もだめだった、そうかといって、自民党にも戻りたくない。両党への失望が国民を別の政治に向かわせている」(石田氏)。メーテルリンクの童話「青い鳥」。幸せの「青い鳥」を探し求めて、旅に出た兄妹と、どの政党にも満足できないで、新しい政治や、政党を求めて、さまよい続ける国民の姿はイメージが重なるところもある。
二日の共同通信の世論調査によると、支持政党なしは47%。自民党支持率は19%。トップといえども、民主党への失望が自民党への期待にはつながっていない。確かに国民は民主でも自民でもない「新しい政治」を探している。
国民の「青い鳥」を探す旅の行く先は今のところ、橋下徹大阪市長の「大阪維新の会」に間違いなく向かっている。次の総選挙の比例代表ではどの政党に投票するかの問いで、「大阪維新の会」は民主党を上回って、17%の二位となった。国政での経験、実績もなにもない「大阪維新の会」がここまで支持されていることは大きな変化を求める悲痛な思いと理解できなくもないが、「怖さ」(石田氏)もある。
「青い鳥症候群」の社会的な背景はなにか。「日本では二十年間、生活が向上していない。国民は経済的に苦しく、絶望感の中で、受け皿を探している。シンプルな文句にすがりたがっている」。石田氏はこう分析する。
長引く低成長時代、不透明な将来、増える負担に加え、中国などの台頭などもあって、国民は不安の中で生活している。こうした閉塞(へいそく)状況を打破し、不安を解消するため、国民は大胆な政治選択に走りやすくなる。
「荒療治」しなければ、大幅な変化はないと考えやすく、新しい選択肢に飛びつく。しかも一刻も早い変化を期待し、いったん、うまくいかないと判断すれば、がまんすることなく、別の選択肢を探し求める。こうした国民の動きが、「青い鳥症候群」につながっているというわけだ。
民主も自民も変化を求める国民の傾向はよく理解している。両党の党首選びで、衆院解散・総選挙に向けて、トップを交代させる動きが出たのも、その表れといえる。大胆な変化とはいえないが、新しい顔でこうした国民の期待に応え、支持を拡大する狙いがある。
消費税率の引き上げなどに反対して、小沢一郎氏が民主党をあっさり離党して「国民の生活が第一」を結成したのも、民主党にいるよりも、うまくやれば、新党の方が国民の支持を得やすいとの判断もあった。
一方、国民の変化意識を最も繊細に感じ、立ち振る舞っているのは「大阪維新の会」なのは間違いない。
次の総選挙のマニフェスト(政権公約)の土台となる「維新八策」には、大胆な変化を求める国民を意識した政策が並んでいる。「衆院議員を(四百八十人から)二百四十人に削減」「首相公選制」「参院廃止を視野に入れた衆院優位の強化」
どれも実現の可能性は極めて低い。首相公選制、参院廃止は憲法改正が必要だし、猛烈な反対が予想される議員定数半減は事実上、不可能といえる。
それでも、民主や自民では絶対に打ち出せない大胆な提言によって、新しい政治の選択肢として「大阪維新の会」に国民の一部は引きつけられている。〇九年の総選挙で民主党が打ち出したマニフェストはほとんど実現していないが、その事実に目をつぶってでも、新しい選択肢に国民を向かわせている。
一方、国民のこうした「青い鳥症候群」に対し、政治状況を一層混乱させると警告する声がある。東京大学東洋文化研究所の安冨歩教授(社会生態学)は「維新の会には民主党以上に国を運営する能力はない。国民が新しい選択肢に飛びついても、状況はよりひどくなる」と指摘する。
石田氏は別の視点で有権者に注意を喚起している。「鬱屈(うっくつ)した気持ちがあると、何かを変えてくれるのではないかとの期待を持ちたくなるし、カリスマ的なキャラクターにひかれやすい。しかし、それでは解決にならない」と強調。第一次世界大戦後、独裁者ヒトラーの台頭を許したドイツなどを引き合いに「こうした状況打破の願望は極端なナショナリズムにもつながりやすくなる」とも述べた。
それでは国民は総選挙でどうすればいいのか。
安冨氏は政党ではなく、政治家個人の資質で判断した方がいいという考えだ。「政治家の中にもまともな人がいるし、政治には希望があると考え、判断力と人格を兼ね備えた人物を選んでいく必要がある」。新しいといって安易に「飛びつくな」ということだ。その上で安冨氏はこう強調した。「今の政治はだめだと絶望ばかりしないこと」
<デスクメモ> 「青い鳥症候群」と言うが、それは国民のせいではない。そういう気持ちにさせた責任は間違いなく民主党と、自民党にある。されどである。政権運営の経験のない人びとの支持が高くなっていることにも気持ち悪さを覚える。車をデザインの新しさだけで、選ぶことほどおそろしいことはない。 (栗)
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