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日本の民主主義政治を破壊した野田佳彦政権
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2012年9月 2日 植草一秀の『知られざる真実』
昨日9月1日、東京都荒川区にあるサンパール荒川で、
「「国民の生活が第一」を支援する市民大集会」
が開催された。会場には800人の市民が参集し、主権者である国民の積極的な行動により、「国民の生活が第一」を主軸に次の総選挙を戦い、米官業利権複合体政権である野田佳彦政権および民自公密室談合大政翼賛政治を必ず打倒する決意が改めて確認された。
集会では、外務省OBの孫崎享氏がゲスト講演をされ、平野貞夫元参院議員が総括講演をされた。私は基調講演をさせていただいた。
以下に、基調講演の前半部分を掲載させていただく。
■冒頭あいさつ
みなさまこんばんは。ただいまご紹介いただきました植草一秀でございます。
本日は9月1日の防災の日の大変お忙しいなか、このように多数の皆様のご臨席を賜りまして誠にありがとうございます。また集会の企画、準備にご尽力くださいました市民の会の皆様には心から感謝申し上げます。
諸先輩が多数お見えになられておられますなかで基調報告をさせていただくことは誠に僭越で有り、力不足でありますことは十分にわきまえております。ただ、日本の政治を本当の意味で、主権者である国民のためのもの、国民の生活が第一と考えるものにするために、何をしたらよいのか、何をどのように変えるべきであるのか、という問題を、これまで、私なりに懸命に考えて参りました。そこで、本日は、その一端を皆さまにひとつの視点として提示申し上げ、これからの大変重要な政治運動のきかっけとなる問題提起をせよとの主催者のお考えであると受け止めさせていただき、誠に僭越ではございますが、ひとつの問題提起をさせていただきたく思います。
冒頭に際しまして、本日の市民集会、ならびに、新党「国民の生活が第一」の未来と名誉のためにひとことお断りをさせていただきます。それは、私が正真正銘の無実潔白であるということであります。いわれなき不名誉の濡れ衣を着せられましたが、これがいわゆる”Character Assassination”、日本をこれまで支配し続けてきた権力者による「人物破壊工作」によるものであるということでございます。
オランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン教授は、著書『誰が小沢一郎を殺すのか?』におきまして、日本政治に対する許されざる介入として「人物破壊工作」が実行されてきたことを広く世に知らしめました。このような不当な権力の濫用によって日本政治の刷新が妨害され、天下の正道が歪められることは決して許されることではないことを冒頭に申し上げさせていただきます。
同時に、こうした多くの冤罪・政治謀略事案という、いわゆる『知られざる真実』を、皆様が正確に洞察賜りますことを、冒頭に強くお願い申し上げさせていただきます。
■政権交代を実現させたもの
さて、“I have a dream.”の言葉で、人種差別撤廃を訴えたアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者であったマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の演説はよく知られています。
これに匹敵する、歴史に残る名演説を示されたのが小沢一郎代表であります。
小沢代表は次の言葉を示されました。
「私には夢があります。
役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。
青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。
その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。
そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。」
小沢代表は2010年9月14日の民主党代表選に際して、こう話されました。
官僚が支配し、官僚が天下りやわたりの利権を手放そうとしない日本、
市場原理にすべてを委ね、弱いものは死ねと言わんばかりの冷酷無比な弱肉強食社会を奨励する日本、
そして、はしの上げ下げまでを支配し、戦後67年の時間が経過しようというのに、いまだに日本領土を基地として占領し続けようとする米国に正々堂々とモノを言えない日本。
こうした、米国、官僚、大資本が支配する日本政治の基本構造を、根幹から刷新すること、米官業による支配を打破し、主権者である国民が主役の、主権者である国民のための政治を実現すること。
これが、2009年8月30日の総選挙に国民が託した意思でありました。
政権交代を牽引した原動力は、小沢代表が提示した「国民の生活が第一」という言葉に示された、日本政治を一新するとの、明確な理念と政策方針でありました。
そして、政権交代を成就させた力とは、この、新しい政治実現に向けての提案に賛同し、総選挙で、その意思を明示した主権者国民の投票行動でありました。
これが政権交代の大業成就の基本構造であり、それは、小沢代表が提示する日本政治一新の方針と、これを積極支持した主権者国民とのコラボレーションによるたまものであったのです。
■政権交代の偉業を破壊した野田政権
日本政治史上、初めて打ち立てられたとも言える、この偉業、金字塔を、根幹から破壊した者たちがおります。
それは、言うまでもなく、いまの野田政権であります。
2009年8月の選挙戦のさなか、野田佳彦氏はこう言いました。
「鳩山さんが四年間消費税を引き上げないと言ったのは、そこなんです。シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいんです。」
そして、岡田克也さんはこう言いました。
「財源がないという批判もある。私たちは、208兆円ある一般会計と特別会計、このなかで、約9兆円の金を作り出すと言っている。与党はそんなことできっこないと言う。できっこないのは与党だ。彼らは自分たちができないからできないと言っている。私たちはそれをやる。一から制度を見直せばできるんです、みなさん!」
岡田克也さんが2009年8月11日に千葉県柏駅前で行ったこの街頭演説動画には、「私達の魂がこもったマニフェスト」という題名が付けられています。
しかし、その後の結果から見れば、この動画のタイトルは「私達のペテンがこもったマニフェスト」というものであります。
野田佳彦氏は主権者国民に公言したことの正反対の行動、すなわち、シロアリ退治なき消費増税を強引に推進してきました。野田氏は民主党内で消費増税反対意見が多数であるにもかかわらず、多数決採決をせずに党の方針を決め、2009年の選挙で消費増税を公約として掲げて惨敗した自民、公明両党という野党と結託して、国会でこの法律を可決するという、憲政の常道に泥を塗る行為に及んだのであります。
こうした民主主義の根幹を踏みにじる行為が示されたのは、消費増税問題だけではありません。
TPPが然り、原発再稼働が然り、沖縄での米軍基地建設方針が然り、そして、オスプレイの受け入れが然り、であります。
何よりも重大な誤りは、日本国憲法が定める、民主主義のルール、デュープロセスを踏みにじっていることであります。
野田佳彦氏は、「国民に不人気のことであっても政治が責任をもって進めなければならないことがあります」と言います。うっかりすると、正しい言葉のように聞こえてしまいますが、とんでもない間違いであります。
国民に不人気であっても政治が責任をもってやらなければならないことがあるなら、それを国民に語り、そして、国民の同意を得て進める。これが民主主義のプロセスです。国民に語りもしないどころか、国民に絶対にやらないと約束したことを、説明もせずに、同意も得ることなく実行してしまうのでは、単なる不届き者にすぎません。
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