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ニュースの匠:韓国大統領の竹島上陸=鳥越俊太郎
http://mainichi.jp/opinion/news/20120901ddm012070165000c.html
毎日新聞 2012年09月01日 東京朝刊
◇「反日」残り火に油
先月(8月)カナダを旅行中のことでした。テレビから流れるニュースの中で、韓国の李明博大統領が日本側の表現でいうと島根県・竹島(韓国側の表現では独島)に上陸し、テレビカメラの前ではしゃいでいる姿が映し出されていました。
私は反韓国主義者ではありません。韓国に対して特別の偏見を持っている者でもありません。むしろインターネット上では一部の“ネットウヨク”の連中から、私の近代史観に対し「韓国の手先」とか「韓国に帰れ!」などという罵声を浴びている立場の人間です。
そんな私ですが、そのニュース映像を見た瞬間「なんという愚かしいことをやる人だろう。一国のリーダーとしては失格だなあ」と、思わずつぶやいていました。
私たち人類は、近代国家が成立した後の歴史の中で領土紛争とナショナリズム(愛国心)の取り扱いについて貴重な教訓を学んできました。
近代史の中でナショナリズムが大きく盛り上がるのは、発展途上の“若い国”に見られる現象です。それは、それまで国際的に低い立場に置かれていたことへの意識−劣等感の裏返しとして「オレたちにはこんな力もあるんだぞ」という過剰な愛国心となって国民全体を巻き込むことになります。ここに領土紛争が絡んでくると、さらに排外主義的愛国心となって国民の心を揺さぶり、最後は国のリーダーでさえコントロール不能となり、やがては軍事的衝突−つまり戦争へと突き進んでしまいます。
こういう時の国のリーダーたる者は、排外主義的愛国心をあおるべきではありません。抑制的な態度で国民に接するのが、近代史から教訓を学び取ったリーダーのあるべき姿だと思います。
韓国はもはや若い国とは言えません。成熟した国の入り口に立っていると言えるでしょう。その意味では韓国国民全体に「反日」の排外主義が発現する可能性は低くなっているとも言えます。
しかし、日本と朝鮮半島の不幸な歴史からすると、依然として「反日」ナショナリズムのしっぽは残っているでしょう。そんな微妙なこの時期、李明博大統領は“残り火”に油を注ぐような愚かな行為をなぜ繰り返すのでしょうか。
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