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「大和の獅士」(発行所・日本文芸社)という漫画をご存じだろうか?弱きを助け、民意を実現するドブ板政治が信条の田舎代議士・大導寺和徳が、剛腕秘書・伊達獅堂とともに持ち前の度胸と愛嬌で政界の荒波を突っ走る痛快政治活劇だ。混迷する今の政治状況とストーリーを重ね、実在の政治家をモチーフにしている点も面白い。主役は剛腕秘書の伊達だが、準主役として小沢一郎に扮する人物・緒方市郎が登場、そして緒方は伊達や大導寺らの支援で総理大臣に登りつめていく。
クライマックスは自由民政党の総裁選挙。小沢扮する緒方と、小泉純一郎に扮する大泉恭一郎の一騎打ちだ。先に大泉(小泉)が「TPPは第2の開国です。あらゆる規制を撤廃し、自由競争という市場原理に委ねるのです!」と演説をぶる。
対する緒方(小沢)は静かに声を出す。「やまとは国のまほろば… たたなづく青垣 やまごもれるやまとし うるわし−。故郷のかけがえのない美しさをうたった詩であります。私の父は国会議員でしたが、志半ばにして急逝し、私たち一家は故郷へ帰ることとなりました。暮れなずむ大和の田舎道を母子してとぼとぼと歩いた記憶があります。それでも故郷の野山はこのうえなく美しいものでありました…」
「私には夢があります。私のような地方の貧しい子も、都会の豊かな家に生まれた子も、同じようにチャンスに恵まれ、温もりのある手が差しのべられる格差のない、理想の思いやり社会の実現であります!(中略)お年寄りも小さな子供も男性も女性も近所の人達も誰もがお互いを助け合い…固い絆で結ばれている理想の地域社会の実現であります。そしてそれらの人々がこの日本を『まほろばたる大和』かけがえのない美しさ、故郷として愛し、日本の国民としての誇りと喜びを持って生きる、理想と国家の実現という夢です!そのためには…脱米国を果たし、中国に臆することなく、独自外交をもってして『真のアジア共生圏』を作り上げねばなりません!」と語気を強めて訴えたところ、他の国会議員から「おいおい!いいのか、そんなことを宣言して!アメリカに逆らって潰されなかった政治家はいないぞ!」と非難轟々。
しかし、石原慎太郎に扮する石神新一郎は「よくいった緒方くん!」と感激し(石原は隷米政治家だから、実際は違うと思うが…)、緒方は「我が積年の夢であるこの理想の実現のために私は命がけで戦う!どうか私に夢を実現する権力を、皆様のご信託をお願いします」と涙ながら訴えた。大導寺も「獅堂、あん人は悪党かもしれん。ばってん今、魂の震えるごとある。日本の政治は義理と人情たい。オイはあん人ば担ぐばい、よかな!」と心を大きく動かす。
さて、この「大和の獅士」は原作・鍋島雅治と劇画・渡辺みちおのゴールデンコンビで作り上げた。長崎県佐世保市出身の鍋島は「築地魚河岸三代目」、「東京地検特捜部長・鬼島平八郎」が代表作の実力作家。劇画の渡辺もこれまた「白竜」、「まるごし刑事」などが代表作の人気漫画家だ。この2人が作り上げた「大和の獅士」は混迷の政界にシンプルな理想を訴える。現実以上にリアルなフィクションともいえ、ぜひ多くの方に読んでもらいたい。
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