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電力は足りていた [慶大教授 金子勝の天下の逆襲]
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2012/8/28 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
国民を騙して大飯原発を再稼動させた野田首相
この猛暑なのに電力は十分足りている。大飯原発を再稼働させるために嘘をついていたことがバレた関西電力は、取り繕うのに大わらわだ。彼らは、「節電の効果も期待できない」「他の電力会社も余剰電力がないので他社から買い入れもできない」などと主張し、とにかく大飯原発を再稼働させるしかない、という理屈だった。
ところが、蓋を開けたらまったく違った。
節電は大きな効果をあげ、昼間の最大電力需要は、2010年夏と比べて約11%も減少している。
国民をバカにしているのは、大飯原発3号機をフル稼働させた途端、猛暑に入っていたにもかかわらず、火力発電所12基のうち8基を止めてしまったことだ。そして中部電力から余剰電力を購入した。政府も関西電力も「他の電力会社に余剰電力はない」と主張しておきながら、本当は事前に中部電力と電力購入の契約をかわしていたのではないか。契約内容を明らかにさせるべきだ。
要するに、100%安全が確認されていない大飯原発3、4号機を再稼働させなくても、電力は十分に足りていたのだ。ちなみに、関西電力管内で、電力使用率が90%を超えたのは3日しかない。
ところが、野田内閣は、嘘の数字をつくった経産省や資源エネルギー庁の責任を追及しようとしない。居直っている野田内閣は、大飯原発を再稼働させなくても電力は足りることは分かっていたのだろう。野田首相は、実は国民を騙して「国民生活を守るために再稼働を決めた」などと、会見で語っていたのではないか。
しかも、細野環境大臣は原子力村は原子力規制委員会の委員にしないと言っていたのに、野田内閣は、原子力事業者である「日本原子力研究開発機構」の役員だった田中俊一氏を筆頭に、原子力村の住民たちを委員候補にした。国民を騙して原発推進の人事をゴリ押ししようとしているのだ。
もともと野田内閣は、自民党から立候補できなかった「松下政経塾」出身者がトロイの木馬のようにして民主党を乗っ取って、第3自民党化させてしまったような政権だ。原発政策はその象徴だろう。権力に就きたいだけで平気で国民を騙す、いまの民主党は解体した方がマシである。
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